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2020年2月

2020年2月29日 (土)

地獄をさ迷う亡者たち(127)

(第四話)両親は、大金持ちと成りし君を、

      喜ぶのか?【3】

 

 平ちゃんの言葉です。

 

「大王サマ、私は、決してピンハネをしたわけではありません。

むしろ、法律で認められた正当な営業活動をして、相応に得た

対価にすぎません。

 欧米では、ごく一般的に行われているビジネスです。

それに、カネはカネです。それが欲しくない者など、娑婆世界には

いません。

 私自身、額に汗することこそありませんでしたが、それこそ、

脳に汗かく思いで、テキパキと職務を遂行してきました。

 正直、そのこと自体を、決して間違っていたとは思っていません」

と。

 

   15_20200223191001

 

 そこで、大王が言います。

「『脳に汗する』とか『脳に汗をかく』というのが、オマエの好きな

言葉でもあるな。

 だが、オマエの場合、『脳』の働きだけで、どうも、『心』の働きが

希薄なようだ。

 オマエに、『心』が感じられないのが、多くの者たちから非難され、

憎悪される理由のようだ」と。

 

 これに対して、平ちゃんが、次のように問い掛けます。

「大王サマ、『心』とは、一体何なのでしょうか?

正直、私には、よく分かりません。

 私たち人間にあるのは、様々な欲望だけのような気がします。

私の場合、『金銭欲』が、異常に肥大化しているのかもしれません。

 でも正直、生前は、それを、上手くコントロールできなかったの

です」と。

 

 この余りにも正直な言葉を耳にした大王が、言います。

「まるで、餓鬼道だな。

 ヘイゾーは、その思いを抱いたまま、ここまで来たのだな」と。

 これに対して、平ちゃんが答えます。

「ハイ、その通りです」と。

 これに対する大王の言葉です。

「それゆえ、オマエは、あんなにも暗い顔をいていたのか」と。

 大王はふと、平ちゃんの”心の闇”を垣間見た思いでした。

彼は、平ちゃんに、ある種の同情を禁じ得ませんでした。

 

 そして、大王は、こう思ったのです。

”最近の娑婆世界は、『カネがすべて』の世の中になっておるな。

本来、人間の誰もが、その心の中に、『愛と慈悲』(下の絵は、

そのイメージ)という宝物を持っているというのに、いつの間にか、

そのことを忘れてしまっておる。

 

    Photo_20200223193001

 

       Photo_20200223193201

 

 そして、知らず知らずのうちに、カネの亡者に成り下がって

いるようじゃ。

 そのせいか、近年益々、この無間地獄に落ちる者たちが

多くなってきた。

 これから、もっともっと増えることだろう。

ある意味、この者たちは、時代の『犠牲者』なのかもしれんな”と。

 

 そこで、大王が、平ちゃんに、こう尋ねました。

「ヘイゾー、オマエは、自らの『心』について、じっくりと考えた

ことはあるか?!」と。

 これに対して、平ちゃんが、素直に答えます。

「『心』などについて考えたことなど、今まで、一度もありません。

第一、その存在を認識したことさえありませんでした。

 勿論、『考えること』自体の大切さは、重々、承知していました。

 私自身、様々なことを深く考え抜くことが、人間生活の基本とさえ

思っておりました。

 でも、それも結局、金儲けの一手段に過ぎなかったのかもしれません。

 しかし、正直なところ、心(=魂)についてなど、生涯において、

一顧だにしたことはありませんでした。

 

 その言葉を聞いた大王が、恭しく言います。

「よくぞ、正直に語ってくれた。

だが、オマエはまだ、人間にとって、最も大切なものは何か?という

ことが、少しも分かっていないようだ。

 それでは、次の審問の時まで、ここで、しばらく黙想するがよい。

本日の審問は、これにて終了する」と。

 閻魔庁の周りに、何かしら温かい空気が漂っていました。  【つづく】

 

 

        

    

2020年2月28日 (金)

地獄をさ迷う亡者たち(126)

(第四話)両親は、大金持ちと成りし君を、

      喜ぶのか?【2】

 

 平ちゃんの言葉です。

 

「さあ、それは、どうだったかは分かりません。

でも、小泉改革に関与しました時、実は、この思いを強く

しました。

 昔は、改革しようとすると、松陰のように、亡き者に

されました。

 しかし、今は、どんな悪口を言われても、殺されることは

ありません。

『何と有難い時代ではないか』と考え、政府に関わる決心が

つきました」と。

 

 これを聞いた大王が言います。

「オマエが、松陰と同じ心境だったとは、実に意外だったな。

 だが、オマエと松陰とでは、体制と反体制という立場の違いが

あるのではないか。

 つまり、体制内改革と既存の体制を壊そうという立場では、

自ずと質が異なると思うぞ。

 この点については、どうだ?」と。

 

 そこで、平ちゃんが、神妙に答えます。

「確かに、立場の違いは、歴然としています。

 しかし、国を思う精神は、全く同じです!」と。

 この言葉を聞いた大王が、こう語ります。

「オー、これまた、初耳じゃ。

国を思う精神が同じ、とな?

 しかし、どう考えても、この言葉には、かなりの無理があろう。

ワシは、オマエは、金儲けのことしか頭にないと思っていたぞ」と。

 

 これを聞いた平ちゃん、また両耳が、少し赤くなりました。

それで、苦し紛れに、平ちゃんが、こう言います。

「勿論、私、カネは、大好きです。

 

  O

  

 しかし、決して、カネだけを求めて、仕事をしたわけでは

ありません。

 むしろ、自分に納得のゆく事を精一杯やっていれば、

自然と、カネは付いて来るものです」と。

 

 そこで、大王が言います。

「確かに、それは言えよう。しかし、生前、オマエがやってきた

ことは、ここで言うほどカッコイイものではなかったのでは

ないか」と。

 それを聞いた平ちゃんが、食い下がります。

そして、大王に尋ねます。「と、申しますと?」と。

 この問に対して、大王が、おもむろに言います。

「オマエは生前、インサイダー取引の手引きを手広くやっていた

わけだが、外資や国内の特定企業を不当に儲けさせた見返りに、

多額のキックバックを得たことだろう。

 

 また、オマエは、『パソナ』なる大手の人材派遣会社の会長だった

わけだが、労働者が汗水たらして稼いだカネを、大々的にピンハネして

きたわけだ。

 オマエは、一体、いくら稼げば、気が済んだのか?!

 

   10_20200223150101

 

 それに、人々の労働の結晶である財貨を秘かにくすね、

それによって、たとえオマエが、何百億円、何千億円と稼いで

大金持ちになったところで、それで、オマエの両親は、喜ぶの

だろうか?!」と。

 そこで、平ちゃんが、次のように反論します。      【つづく】

 

 

 

2020年2月27日 (木)

地獄をさ迷う亡者たち(125)

(第四話)両親は、大金持ちと成りし君を、

       喜ぶのか?【1】

 

 大王が、平ちゃんに、こう尋ねます。

 

「ヘイゾー、オマエのご両親とは、一体、どのような人だった

のじゃ?」と。

 そこで、平ちゃんが、次のように答えました。

「私の父は、関西の商売人です。父は、丁稚奉公の叩き上げで、

私は、幾つになっても、父には敵いません。

 父のような、現場で仕事をしてきた人は、世の中を、よく見て

います。

 

    Photo_20200223095901

     (竹中氏のご尊父は、立派な靴職人だったようです。)

 

 また母は、短い教訓をよく使って、私に、色々なことを

教えてくれました。

 中でも、よく覚えていますのは、『遅いことなら、猫でもする』

という変わった言葉です。

 それは、『何事も、テキパキとやらないといけない』といった

意味です。

 

 それで、私自身、生前は、物事に集中して、テキパキとこなす

ことが、自然と体に染みついていました。

 さらに、母には、『人の振り見て、我が振り直せ』と、よく

言われました。

 つまり、母は、『人の批判をする前に、自分の行動を正せ』と

言いたかったのだと思います。

 それで、私自身、悪口や陰口を、よく受けましたが、厳しい母に、

この言葉を教え込まれていましたので、自分からは、そうしないように

努めて来ました」と。

 

 これを聞いた大王が言います。

「それは、なかなか見上げた心構えじゃ。

それに、たいへん立派なご両親だったな。

 とても幸せな家庭だったと見受けられる」と。

 平ちゃんが、謹んで言います。

「恐れ入ります」と。

 もう、流石の平ちゃんも、心の中で、”アカンベー”は、して

いませんでした。

 

 そこで、大王が、話を続けます。

「ところで、ヘイゾー、オマエは若い頃、好んで行った所があった

ようだな」と。

 そこで、平ちゃんが言います。

「それは、小伝馬町の小さな公園のことですね。

 確かに、若い頃、何か嫌な思いをする度に、私は、そこに行って

おりました。

 そこは、江戸時代に牢獄があった場所で、安政の大獄で処刑された

吉田松陰の辞世の句が、石碑に刻まれています。

 『身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも留め置かまし大和魂』。

 たとえ、武蔵の地で朽ちようとも、この国を思う心は留めおくぞと

いう気概に溢れています」と。

 

    Photo_20200223103001

   (*写真の左方。ブログ「おやじのつぶやき」より、拝借。

             ・・・これは、十思公園内にある石碑です。

                      若き日の竹中氏の目に映じたものは、

        この石碑に刻まれた銘文だと思われます。)

 

 そこで、大王が、平ちゃんに尋ねます。

「ヘイゾー、オマエは、この松陰と同じ思いを、生涯、維持

できたのか?」と。

 この問い掛けに対して、平ちゃんが答えます。    【つづく】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年2月26日 (水)

地獄をさ迷う亡者たち(124)

(第三話)君よ、「初心」を忘れしか?【3】

 

 そこで、大王が問います。

 

「なぜ、下村なのじゃ?」と。

 そこで、平ちゃんが、襟を正して答えます。

「下村先生は、ご自分の豊富な実地調査に基づいて、公平、

かつ公正に、たいへん的確な経済分析をなさいました。

 正直、私は、先生を、一種の天才だったと思います。

私自身、下村先生のような経済学者でありたいと、心から願い

ました」と。

 

 そこで、大王が言います。

「オマエが、大学卒業後、日本開発銀行に入ったのも、同銀行が、

下村と縁が深かったからか?」と。

「ハイ、仰る通りです」と、平ちゃんが、正直に答えました。

 

 そこで、大王が続けます。

「戦後、下村は、都留重人(1912~2006:下の写真)、大来佐武郞

(1914~93)、吉野俊彦(1915~2005)たちとの間で、

『(当時の)日本の経済状況』を、どう捉えるかで、一大論争を巻き

起こしたようだな。

 結局、下村の経済分析が正しかったようだ。

 

     Photo_20200222175301

 

 その下村は、バブル期の財テクやマネーゲーム(下の写真

は、そのイメージ)に警鐘を鳴らしたと聞く。

 さらに、彼は、常に国を良くするには、どうすればよいかを

考え、日本人の勤勉さや技術力といった才能を、高く評価して

いたようじゃ。

 オマエとは、全く違うな。

 つまり、これまた、オマエは、”下村の精神”から、だいぶ

離れてしまったな。

 

     Photo_20200222175801

 

 それに、下村は、あくまで愛国的なナショナリストだ。

無論、いい意味でのインターナショナリスト(国際主義者)

だったかも知れんが。

 これに対して、オマエは、売国的なグローバリスト

言えよう。

 これも、下村とは、ずいぶんと対照的だ。

まさに、雲泥の差と言える。

 ここでも、オマエは、どうも、『初心』を忘れたようじゃ」と。

 

 あの雄弁な平ちゃんも、こうまで言われてしまいますと、もう

反論の余地がありませんでした。

 彼の心の中では”君よ、『初心』を忘れしか?”という言葉が、

まるで、天からの声でもあるかのように、チカチカと点滅して

いました。

 

 彼はふと、自分が、初めて、「経世済民」という言葉を知った日と、

下村治という不世出の経済学者のことを強く意識した日のことを思い

出しておりました。

 あの頃の、”純な思い”を、いつの間にか忘れてしまったなと、

ほんの一瞬だけ、彼は感じました。

 そして、あの頃が、自分にとって、一番幸せだったのではないか、とも

思いました。

 平ちゃんが、そう思った瞬間です。

暗い閻魔庁の一隅に、一条の光が、少しだけ差し込んで来たのです。

 

   Photo_20200222183901

                               【つづく】

 

 

 

 

2020年2月25日 (火)

地獄をさ迷う亡者たち(123)

(第三話)君よ、「初心」を、忘れしか?【2】

 

 大王の言葉です。

 

「それが、オマエの『初心』だったと言うのか?」と。

 この言葉に対して、平ちゃんが、平然と答えます。

「ハイ、仰る通りです」と。

 そこで、大王が、有り体に言います。

「しかし、実際は、オマエは、世の中を徒に乱し、人々に、

耐え難い苦しみを与えて来たではないか。

 ヘイゾー、オマエは、『初心』を忘れたのか?」と。

 

 この言葉を聞いた平ちゃん、生前のように、顔の側面に、

青筋を二本立てて、こう抗弁します。

「大王サマ、とんでもありません。

私は、この初心を、片時も忘れたことはございません」と。

 しかし、大王も、負けてはいません。

「それなら、オマエが成した諸政策に対する国民の、あの怨嗟の声

は、一体何なのじゃ?

 自らを幸せと感じるなら、あれほど激しい怒りの声は上げない

であろう。

 それに、近年では、『小泉・竹中、ろくでもない!』という

シュプレヒコールまで聞かれたというではないか!?」と。

 

 しかし、これまた、平ちゃんも、負けてはいません。

彼は、眉間にシワを寄せて、こう訴えます。

「私や私の経済政策を怨む者がいるとしますなら、それは、

彼らが、自分に甘えているからです。

 簡単に言えば、彼らは、努力不足なのです。

 充分、自己努力をし、自らの才能を懸命に磨いて行けば、

決して、人生の負け組などにはなりません」と。

 しかし、大王が、こう反論します。

「しかし、現実は、自己努力や才能の開発などという美辞麗句では

解決できないような酷い経済システムを、オマエが、無理矢理

作り上げたのではなかったか!」と。

 

 この言葉に対して、平ちゃんが、いささか興奮しつつ、こう

述べます。

「しかし、私は、そのすべての施策を、自らの信念に基づいて

企画・立案し、実現して参りました」と。

 これに対する、大王の言葉です。

「自らの信念とな? それは、一体、如何なる信念なのじゃ?

むしろ、『アメリカ様』からの指令に基づくものではなかったのか!

 アメリカのロバート・ゼーリック(下の写真)からの『御礼状』まで

あったというではないか。

 ヘイゾーは、いつの間にか、自らの『初心』を忘れてしまったな」と。

 この言葉に対して、流石の平ちゃんも、二の句が継げませんでした。

 

    Photo_20200222144301

 

    Photo_20200222144401

 

 しかし、ここで余り深追いしても賢明ではないと考えた

大王は、少し話題を変えました。

 そこで、彼は、平ちゃんに、こう問い掛けます。

「オマエは、下村治(1910~89:下の写真)に憧れて、

経済学者になったというが、それは、まことか?」と。

「ハイ、その通りです」と、平ちゃんが、いつになく素直に

答えます。

 

     Photo_20200222145001                  

                         【つづく】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

2020年2月24日 (月)

地獄をさ迷う亡者たち(122)

(第三話)君よ、「初心」を、忘れしか?【1】

 

 大王が、平ちゃんに、忌憚なく、こう述べます。

「ヘイゾー、オマエの人生は、背徳と裏切りの生涯だったな」と。

 これに対して、平ちゃんが、それこそ平然と答えます。

「大王サマ、何を仰います。

私は、自分の生涯において、何一つ悪い事はしていません。

それに、誰一人として、裏切ったりしておりません」と。

 これまた、平ちゃんの厚顔無恥は、地獄でも、「全開」です。

 

 この言葉を聞いて、大王も、いささか呆れ顔です。

そして、彼は、こう語ります。

「オマエは、少しも変わらんのう~」と。

 これに対して、平ちゃんが言います。

「恐れ入ります」と。

 そうは言いつつも、彼は、心の中で、大王に対して、何と、

舌を出しておりました。まさに、”アカンベー”と。

 

   Photo_20200222132201

                       (これは、イメージです。)

 

 この表の顔と裏の心が、全く一致していないのが、平ちゃんの、

日頃からの特徴でした。

 勿論、娑婆世界では、これで、じゅうぶん通用しました。

しかし、ここは、あくまで「地獄」です。

そうは、問屋が卸しません。

 大王が、高らかに笑いながら、こう語ります。

「ワシに向かってアカンベーをするとは、オマエも、なかなか

度胸があるな。

 ここで、アカンベーをしたのは、オマエが初めてだ」と。

 

 平ちゃんは内心、”シマッタ!”と思いました。

でも、時、すでに遅しです。

 娑婆では、それこそ、何もかも、煙にまいて誤魔化せたのですが、

ここでは、心の中が、すべて見透かされてしまいます。

 ここは、平ちゃんにとって、全くの未体験ゾーンでした。

 

 それに、平ちゃんに、一端の想像力が有れば、どうにか対応でき

ましょうが、何せ、娑婆にいた頃、金勘定しか趣味のなかった平ちゃん

ですから、どう対応していいのか、皆目、見当がつきません。

 正直、彼は次第に、冷や汗がしたたるような思いでした。

 

 この状況を見かねた大王が、少し話題を変えて、彼に、こう

尋ねます。

「ヘイゾー、オマエが、『経済学者』を志すキッカケとなった言葉は、

『経世済民』だったと生前、語っているが、それは、まことか?」と。

「ハイ、大王サマの仰る通りです」と、今度は、流石の平ちゃんも、

いくぶん緊張気味に答えます。

 そこで、大王が問います。

「そもそも、『経世済民』とは、一体、どういう意味なのじゃ?」

と。

 

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    (田中正造による直訴:この精神こそ、『経世済民』の

               一つのお手本かと思います。)

 

 そこで、平ちゃんが、生前の頃のように、少し鼻の穴を

膨らまし気味に、さも得意げに、こう答えます。

「それは、『世の中をよく治めて、人々を苦しみから救うこと』

という意味です」と。

 それを聞いた大王が、いぶかしそうに語ります。    【つづく】

 

 

 

2020年2月22日 (土)

地獄をさ迷う亡者たち(121)

(第二話)閻魔大王と平ちゃんとの出会い

 

 平ちゃんは、多少緊張気味に、閻魔大王の前に現れました。

すると、彼を見た閻魔大王が、思わず言います。

「ムム、オマエは、人間界の人間ではないな。魔界の者だな」と。

そして、大王は、こう続けました。

 

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「ワシは、この匂いを、久し振りに嗅いだぞ。およそ1万3千年ぶり

ぐらいかな。

 当時、地球に大異変があって、レムリア(かつてのゴンドワナ大陸)、

ムー(下の絵)、それにアトランティス(下の絵)などの大陸が海中に

沈んだ頃だ。

 レムリアとムーは、大地震と火山の大爆発で滅び、続くアトランティス

は、地殻変動による大津波で、海中の藻屑となった。

 

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                                                       (アトランティス)

 

 だが実は、人間の傲慢と堕落が、そのような天変地異の引き金を

引いたのじゃ。

 その頃、地球の富を食い尽くした魔界の者どもが、地球から逃げ

だそうとした。

 しかし、天界の者たちによって捕らえられた。

そして、死後の裁きを受けるために、ワシのもとへ連れて来られた

のじゃ」と。

 

 そこで、平ちゃんが言います。

「大王サマ、私は、そんな超古代のことなど、全く知りません。

それに第一、その者たちと私とは、何の関係もないように思うの

ですが」と。

 この言葉を聞いた大王が、悠然と語ります。

「ヘイゾーとやら、決して、そうではないぞ。人間を含めた生き物

の魂というのは、永遠不滅なのじゃ。

 モノによっては、何十回、何百回と生まれ変わって、宇宙(=普遍)

の真理を学ぶのじゃ。

 つまり、オマエは、その1万3千年前の魔界の者たちの

”生まれ変わり”かもしれんな。

 宇宙から見れば、1万3千年など、一瞬のようなものじゃ。

まさに、魂は、時空を超えるのじゃよ」と。

 

 平ちゃんは生前、カネのことにしか興味がなく、このような

哲学的、かつ霊的な話は、一度も聞いたことがありませんでした。

 それで、突然、アタマの中が真っ白になりました。

まさに、チンプンカンプンです。

(でも、書いている本人も正直、チンプンカンプンですので、

決して、平ちゃんだけを笑えません。

 しかし生前、そのアタマの良さが、全くの見かけ倒しだった

平ちゃんは、残念ながら、想像力〔同時に創造力〕が全然ありません

でしたので、この大王の至ってシンプルな講釈〔?〕でも、

かなり難解だったようです。)

 そこで、平ちゃんが、多少皮肉交じりに、大王に、こう

問い掛けます。

「それでは、大王サマご自身も、時空を超えておられるのですか?」

と。

 

 この問いに対して、大王が、即答します。

「勿論じゃよ。ワシの魂は、まさに自由自在じゃ。天上界も、

人間界(=娑婆)も、地獄界も、餓鬼・畜生界も、それに魔界さえも、

どこにでも行けるぞ。

 オマエらの言う、『テレポーテーション(瞬間移動)』という

ヤツじゃ。それゆえ、オマエのことが理解できるのじゃ」と。

 

 そして、大王は、こう付言しました。

「ヘイゾー、オマエらは、目だけで、モノを見ようとするが、真実は、

目に見えない所にあるのだぞ(*アレ、これ、『星の王子さま』

(下の絵)のパクリじゃない?)」と。

 平ちゃんも、”どこかで聞いたような言葉だな”、と思いました。

そう思った平ちゃんは、閻魔大王に、何かしらの親しみを覚えました。

 

        Photo_20200218150301

 

 そこで、彼は、”無間地獄といったって、大したことは

なさそうだな。

 これだったら、生前のように、訳なく切り抜けられ

そうだ”と、内心、ほくそ笑みました。

 

 そこへ、彼の性格に関する報告書が届きました。

それには、こうありました。

「詭弁の天才、名うてのパクリ屋、傲慢、無節操、

和歌山の星(但し、『凶星』)、冷血、エセ経済学者、

名だたる策謀家、Dr.『搾取』、非情、稀代のペテン師、

『永遠のカリスマ』ならぬ、『永遠のカメレオン』、

十八番は、『インサイダー取引の手引き』、厚顔無恥、

世渡り上手で、裏切り上手、先天的『自己中』、小心者、

現代の錬金術師、日本経済の破壊者、筋金入りの悪党、

拝金主義者、寄生虫(別名、日本経済界の『宿り木』)」と。

 

 そこで、大王が言います。

「それでは、ヘイゾーの審問を始めるとしよう」と。     【つづく】

 

 

 

 

2020年2月21日 (金)

地獄をさ迷う亡者たち(120)

(第一話)無間地獄行きの真打ち、平(へい)ちゃん

     登場【3】

 

 ところで、先程、悪魔は、異常に臭い匂いを放つ、と書きました。

無論、実際に、物質的に臭い匂いの場合もありますが、基本的には、

先述しましたように、”霊的な匂い”が存在するのだと思います。

 それゆえ、霊感や霊力の強い人は、そのような悪魔的な存在を、

容易に感得できるのだと思うのです。

 

 では、地獄界、それも無間地獄の青鬼と赤鬼は、なぜ、平ちゃんを、

猛烈に臭いと感じたのでしょうか?

 それは、決して、平ちゃんが、屁~ちゃんだからではありません。

むしろ、その理由は、平ちゃんが、自分たちの住む世界とは全く異なる、

別の場所に住む「住民」だと感じたからなのです。

 

 端的に言えば、平ちゃんは、地獄(とりわけ、無間地獄よりも、もっと

下方に位置する、より重くて暗い魔界の人間(現在は、亡者)なのです。

 換言すれば、七人の亡者の中では、平ちゃんが、最も「悪魔」に近い

存在なのだと感じます。(下は、そのイメージです。)

 

   Photo_20200216161401

 

 それゆえ、無間地獄の青鬼と赤鬼でさえ、平ちゃんに、何か

”異質なもの”を、感じたのです。

 一見、全く同じように見える地獄と魔界でも、決して同じもの

ではありません。

 実は、両者には、次のような違いがあります。

 

 ある霊力の強い人に言わせると、「地獄は、魂のレベルに応じて、

罪を償えば、また生まれ変われるチャンスがあります。

 これに対して、魔界は、永久に搾取され、奪われ、苦しみ続ける

世界で、地獄よりも苦しく、かつ恐ろしい世界」なのです。

(スピリッチュアルドクターの『ブログ』参照)。

 

 悪魔とは、この魔界に住み、時に魔界を遠く離れて住んでも、常に

魔界と感応・共鳴しながら、人間界で、様々な悪事をなす存在だと

言えます。

 彼らは、日本や世界の政界、経済界、宗教界、法曹界、教育界など、

様々な社会領域に巣くっています。

 そして、その上層部にいて、その実権を握っているのです。

加えて、彼らは、横断的に協力・連帯し合っています。

 

 彼らは、世界の様々な分野で、長い年月をかけて、自らの強大な富と

権力を保持してきました。

 殆どのグローバル企業が、その本体だと言えましょう。

 また、宗教の面では、そのような悪魔的な存在を礼拝し、礼賛し、

かつ信仰する人々が最近、多く見られます。

 先述しました、「悪魔教」(下の写真)の存在です。

 

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                     (ブログ「地球情報局」より、拝借)

 

 平ちゃんは、そんな魔界の人間たちの中で、政治・経済的に

上位中堅的なポスト(地位)を与えられました。

 しかし、厳密に言えば、その内実は、上からの指示を忠実にこなす

だけの一つの歯車、かつ一つの「駒」にしか過ぎなかったのです。

 そこに、平ちゃんの限界があり、かつ哀しみがありました。

 その平ちゃんに、閻魔庁からの出頭命令が下りました。

彼は、今まで感じたことのない緊張感の中で、とぼとぼと閻魔庁へと

足を運んだのです。                       【つづく】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年2月20日 (木)

地獄をさ迷う亡者たち(119)

(第一話)無間地獄行きの真打ち、平(へい)ちゃん

     登場【2】

 

 すると、青鬼が指さす方向に、しょぼくれた亡者が一人、

おずおずと近づいてきました。

 その姿を見た青鬼が、問います。

「おお、オマエ、新参者だな。ところで、名前は、何という?」と。

 その新参者が答えます。「竹中平蔵です」と。

 これに対して、青鬼が、ぶっきらぼうに言います。

「何、タケナカ屁~ゾウとな?」と。 

 すると、平ちゃん、いささかムキになって答えます。

「い~え、屁~ゾウじゃありません。平蔵です」と。

 

    Photo_20200216131101

 

 青鬼は、シャレを言ったつもりだったのですが、

思わぬ反撃を食らったものですから、少し不機嫌に応えます。

「どちらも同じようなもんだ。それに第一、オマエは、

ナンカ、やけに臭い!

 地獄の匂いに慣れたオレらでも、オマエを、ひどく臭く感じる。

オマエは、娑婆で、相当悪い事をしてきたな!」と、その超臭い

匂いを、初めてかいだ青鬼は、まるで、一端の霊能者のような

口ぶりです。

 

 この、いささか興奮気味の青鬼に対して、平ちゃんも負けじと、

生前のように、額の側面に青筋を二本立てて、応戦します。

「滅相もありません。私は、やましいことなんか、何一つやって

おりません」と。

 しかし、本質的に小心者の、われらが平ちゃん、青鬼のド迫力に、

少し怯んだのか、小声で、こう続けました、「タダ・・・」と。

 

 このひと言を聞き漏らさなかった青鬼は、畳みかけるように詰問

します。「タダ、何だ?!」と。

 迫力負けした、小心な平ちゃんは、うつむき加減に、こうつぶやき

ました。

「ボクは、タダ、アメリカ様のお言い付けを、忠実に守ってきただけ

なんです。

 だって、そうしないと、ボクも殺されると思ったから」と、今にも

泣き出しそうな声になりました。

 

「それに、・・・」と、平ちゃんが続けようとします。

 そこで、青鬼が、問います。「それに、・・・何だ?!」と。

 これに対して、平ちゃんが、少し顔を上げながら答えます。

「それに、アメリカ様の忠実な犬になった方が、命の保証だけでなく、

巨万の富も、不動の地位も、それに地上で味わえるすべての快楽も、

みんな、自分のモノにすることができるのですから」と。

 

     Photo_20200216133001

 

    Photo_20200216133201

 

 青鬼が、少し顔を逸らした瞬間、平ちゃんは、目を見開きながら、

こう続けました。

「確かに、ボクは、カネも地位も、名声も欲しかったけれど、

決して、それだけじゃなかったんだ。

 むしろ、自分や、自分の先祖を虐げ、蔑み、差別した日本人を、

どうしても許せなかったんだ。

 それで、ボクは、全生涯をかけて、日本と日本人に復讐した

のさ」と。                          【つづく】

   

 

 

 

2020年2月19日 (水)

地獄をさ迷う亡者たち(118)

     第八章  平ちゃんの巻

 

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                  (日刊ゲンダイより拝借)

 

(第一話)無間地獄行きの真打ち、平(へい)ちゃん

     登場

(第二話)閻魔大王と平ちゃんとの出会い

(第三話)君よ、「初心」を、忘れしか?

(第四話)両親は、大金持ちと成りし君を、喜ぶのか?

(第五話)パクリと搾取だけが、君の人生か?

(第六話)「真実」に殉じた者の無念

(第七話)君よ、どれほど国を売れば、気が済むのか!

 

(第一話)無間地獄行きの真打ち、平(へい)ちゃん

     登場【1】

 

 日本と欧米の違いには、様々なものがあります。

例えば、伝統、文化、政治・経済・社会のシステム、教育制度、

食習慣や契約方法、それに、日々の生活の在り方まで、実に多種

多様です。

 そんな中、「悪魔」に対する考え方にも、明らかな違いがあります。

日本は古来、“汚れ”と“禊ぎ”の文化です。

 それに、悪鬼や悪霊という観念はありましても、「悪魔」という

発想は本来、無いか、有っても、極めて希薄だと思います。

 

 無論、文明開化後の近代化や欧米化によって、「悪魔」の観念も、

かなり一般化してきたと考えるべきかもしれません。

 しかし、その認識の度合いは、欧米ほど深いものではないと思う

のです。

 これに対して、欧米では、「悪魔」は、厳然として“実在”して

います。

 例えば、カトリックでは、エクソシスト(悪魔払い師:下の写真)が

有名ですし、巷間、「悪魔教」なるものの信者数が最近、かなり増えて

いるようです。

 

    Photo_20200216103101

 

    Photo_20200216103201

 

 では、悪魔と、普通の人間と、一体どこが、どう違うので

しょうか?

 また、悪魔は、どのようにして見分けることができるの

でしょうか?

 先ず、見分け方ですが、これは、至ってシンプルです。

悪魔は、ペテンの天才ですから、人間を、簡単に騙すことが

できます。

 それに、彼は、たいへん能弁ですから、一般のわれわれを、

その詭弁や強弁で、容易に煙に巻くことができます。

 また、時には、われわれに脅しをかけることもあります。

 

 しかし、悪魔が、どうしても隠せないものがあります。

皆さんは、一体、何だと思われますか?

 それは、悪魔特有の“匂い”なのです。

 その匂いは、男性の体臭とか加齢臭とかの域を遙かに超えて、

その匂いを嗅いだ人が悶絶するほどの異臭、かつ悪臭なのです。

 でも、それは、肉体的な匂いというよりも、むしろ霊的な匂い

なのです。

 それゆえ、霊力の極めて強い人は、容易に悪魔の存在を感知

できるのです。

 また、悪魔の見かけは、普通の人間と全く違わないようです。

中には、悪鬼化した人もいましょうが、それを識別できるのは、

やはり高い霊力を備えた人だけではないでしょうか。

 

  さて、ここ、地獄(とりわけ、最も暗く、かつじめじめした無間地獄)

を、我が物顔で闊歩する青鬼と赤鬼が、何か異変に気づきました。

 それは、無間地獄とは異なる、それ以上に臭い匂いが漂ってきた

からです。

 思わず、青鬼が問います。「何だ、一体、この激しく臭い匂いは?」

と。

 これに対して、赤鬼が答えます。

「いや、オレにも分からん。だが、今度、新参者が一人、ここに

入ったらしいぞ」と。                    【つづく】

 

 

2020年2月18日 (火)

地獄をさ迷う亡者たち(117)

(第六話)小泉政権で失われた、政治の”真面目さ”【3】

 

 そこで、大王が、純ちゃんに語ります。

 

「ジュン、オヌシには結局、『国民のために』とか、『国民と共に』

などという発想は、無かったのではないか?!」と。

 この言葉に対して、純ちゃんが、腹蔵なく答えます。

「確かに、ありませんでした。

そういう発想だけでなく、そんな言葉さえ、生涯におきまして、

唯の一度も、思い浮かべたことはありません。

 唯、ありましたのは、『郵政民営化を、是非とも実現したい』という

思いだけでした。

 でも、それも結局は、『アメリカ様のために』なのです」と。

純ちゃんも、正直といえば正直です。

 

 そこで、大王が、審問を続けます。

「この、『生活者としての視点』がなかっただけに、オヌシは、財務省の

言いなりになって、国民の医療費、健康保険料、それに雇用保険料を

値上げし、失業者への給付金を引き下げたのだな。

 無論、地方への交付税交付金の削減も、同様の非情さから出たもの

だった言えよう。

 結局、オヌシは、単に、財務省(旧大蔵省)の手先に過ぎなかった」

と。

 

       21_20200209121801

                          (病院内での一風景)

 

 しかし、ここで、純ちゃんが、反論します。

「とは申せ、当時の財政事情は、非常に厳しいものがありました。

そのため、やむなく緊縮財政の道を選ばざるを得なかったのです」

と。

 この言葉に対して、大王が、こう論じます。

「だが、ジュン、当時の企業の倒産、失業、それに自殺者の急増は、

日本社会の根幹を揺るがす重大な社会問題となっていたのではないか。

 このような諸問題の深刻化に対して、ジュン、オヌシらは、一体

何をしたと言うのじゃ。

 何ら、有効な対策をとらなかったではないか!」と。

 この大王の言葉に対して、純ちゃんは唯、黙って聞くしかありません

でした。

 

 そこで、大王の言葉が続きます。

「そんな無策の最中、オヌシらは、りそな銀行救済のために、何と、

1兆9600億円もの公的資金を投入した。

 それも、決して、りそなの為ではない。むしろ、自分たちの為にじゃ。

 そして、その破格の公費投入の結果が、体のいい”乗っ取り”だった。

オヌシらは、いつの間にか、りそな銀行を、自民党の『金庫』にして

しまった。ジュン、オヌシも、なかなかのワルよのう~。

 そのヘラヘラとした二枚舌、三枚舌で、よくぞ国民を愚弄した

ものじゃ」と。

 

          22

         (りそな銀行・本店:大阪市中央区)

 

 この大王の言葉を聞きながら、純ちゃんは、”自分のせい

だけではなく、あのタケナカのせいだ”と思いつつも、

何ら抗弁できませんでした。

 

 今日、失われた政治の”真面目さ”は、言うまでもなく、

一朝一夕で回復できるものではありません。

 しかし、そんな中、山本太郎氏の孤軍奮闘による大活躍も

見られます。彼の支援者も、日々増大しています。

 日本も、まだまだ捨てたものではありません。

 

 そこで、大王が、おもむろに、ジュンちゃんに、こう審判を

下します。

「コイズミ・ジュンイチロー、オヌシが生前、日本国民に与えた

損害は、実に多大なものがある。

 よって、無間地獄での900億年の刑期を命ずる。

この間、よくよく生前の所業を反省するがよい。

 最早、オヌシの好きなオペラやX・ジャパンを聴くことはできぬ

だろうが、すでに、シゲルやノブスケ、それに、ヤスヒロやタロー、

シンゾーもいるので、話し相手には困らぬであろう。

 皆と、仲良く暮らすがよい。

 それでは、コイズミ・ジュンイチローの審問を、これにて終了する」

と。

 いつの間にか、閻魔庁の外では、朝日が昇り始めておりました。

                                【第七章 了】

 

 

 

 

 

 

 

2020年2月17日 (月)

地獄をさ迷う亡者たち(116)

(第六話)小泉政権で失われた、政治の”真面目さ”【2】

 

 しかし、純ちゃんは今まで、このような、耳に痛い言葉を、

聞いたことがありませんでした。

 それゆえ、彼の目はまた、点のようになっていました。

このような言葉は、生前にこそ、聞くべきだったのです。

 でも、純ちゃんには、そのような自己認識もなければ、友人

からの忠告さえもありませんでした。

 その友人の一人が、あの森喜朗元総理なのですから、グッド・

アドバイスを得るというのも、土台無理な話だったのかもしれません。

 

 しかし、実際の問題は、もっと奥深い所にありました。

 そこで、大王が、改めて言います。

「ジュン、オヌシの政権は、確かに、あのタケナカ・ヘイゾーの責任も

あろうが、まさに、”二枚舌、三枚舌”の政権じゃったのう」と。

 

 ここで、少し閻魔庁から離れますが、何故、大王は、そのようなことを

言ったのでしょうか?

 それは、一つに、小泉政権内の政策というものが、あくまで、

国内的な必要性から生じたものではなく、むしろ外的なもの

(端的に言えば、『アメリカ様』からの指令に基づくもの)によって、

左右されていたからではないでしょうか。

 つまり、小泉政権の内政も外交も、さらには軍事面でも、

『アメリカ様』に都合のいい形で、最初から、”結論ありき”

だったのです。

 換言すれば、最初から、完全に、アメリカの「世界戦略」に

組み込まれていたのです。

 

   16

 

   Photo_20200209091001

 

 それゆえ、国内では、常に場当たり主義で、”二枚舌”にも、

”三枚舌”にもなったと考えられます。

 また、純ちゃんにとって政治とは、国民生活を左右する、

厳かな社会行為などではなく、むしろ、「丁」か「半」かで、

面白、可笑しくやっていけばよい、単なる“ゲーム”に過ぎなかった

のではないでしょうか。

 流石、純ちゃん、子供の頃、又次郎じいちゃんから、「花札」を

教わっただけのことはあります。

 

   15

 

   17

    (左が、衆議院議員時代の小泉又次郎氏)

 

 何せ、彼の政治は、賭場の胴元が、『アメリカ様』

なのですから、彼の賭け事は、常に勝つに決まっています。

すべてが、最初から、”八百長”だったのです。

 換言すれば、常に、”猿回し(=アメリカ様』の猿”だった彼は、

彼に正論を説く愛国の識者の卓説を傾聴する理解力もなければ、

他者にたいする謙遜さもありませんでした。

 

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       (アクション・モンキー・プロダクションの

                    写真より、拝借)

 

 むしろ、彼に出来たことと言えば、詭弁を弄するタケナカの

煙に巻かれて、その口車に乗る(あるいは、乗った振りをする)

だけだったのではないでしょうか。

 (*ここでまた、場面は、閻魔庁に戻ります。)   【つづく】

 

〔追記:拙ブログの(93)中に、「田中正五」と書いておりましたが、

正しくは、「田中健五」でした。

 まことに遅ればせながら、謹んで訂正いたします。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年2月15日 (土)

地獄をさ迷う亡者たち(115)

(第六話)小泉政権で失われた、政治の”真面目さ”【1】

 

 大王が、純ちゃんに訊ねます。

 

「ジュン、オヌシの政権期間内において、『失われたもの』があると

するなら、それは、一体、何だったと思うか?」と。

 そこで、純ちゃんが、正直に答えます。

「『失われたもの』ですか? なかなか難しい問題ですね。

正直なところ、私には、思いつきません。

 実を言いますと、『失われたもの』など無い、と思っています。

 

 むしろ、当時の停滞した政治に活力を与え、面白くできたという

自負があるくらいです。

 それに第一、『失われたもの』などについて考えたことなど、

今まで、一度もありませんでした」と。

 まるで、生前のような、ずいぶんと気風のいい、物言いです。

 

 そこで、大王が、静かな口ぶりで、こう語ります。

「ジュン、ワシには、オヌシの時代に、『失われたもの』が一つ、

あったと思うぞ。

「大王サマ、それは、一体何ですか?」と、純ちゃんが、たいへん

興味深げに尋ねます。

 そこで、大王が、毅然として答えます。

「それは、本来あるべき、政治の”真面目さ”だよ。

 

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 それが失われたまま、今日まで、続いておる。

むしろ、その状況は益々、酷くなる一方じゃ。

 今日では、その不真面目さは、まさに燎原の炎のような

有り様じゃ。

 しかし、その火付け役は、ジュン、オヌシだぞ。

そんな事を、オヌシは、今まで認識したことなどあるまい」と。

 そこで、純ちゃんが、有り体に言います。

「いやー、正直、今まで、そんな事を考えたことすら、

ありませんでした」と。

 

 そこで、大王が、こう続けます。

「かつて、衆議院予算委員会で、国債発行額を30兆円以内に

抑えるという公約に違反したことを糾明された際に、オヌシは、

こう言ったな。

「もっと大きなことを考えないといけない。この程度の約束を

守れなかったのは、大したことではない』と。

 

 また、共産党との党首討論で、志位委員長に、イラク戦争支持の

根拠について追及された時、オヌシは、それについて、何一つ、

答えられなかった(下は、その時の写真)。

 

    20

 

 そればかりか、イラク支援について、自衛隊を派遣する

地域は、『非戦闘地域に限る』と、オヌシは、明言していた。

 だが、それでは、『非戦闘地域がどこなのか、一箇所でも、

言ってほしい』と、当時の民主党の菅直人に問われると、

オヌシは、『どこが戦闘地域で、どこが非戦闘地域か、今、

私に聞かれたって分かるわけがない』と答えたな。

 

 よくぞ、言ったものよのう~。

ジュン、オヌシにあったのは、口先の面白さだけじゃ。

しかし、それは、本当のユーモアでもなければ、まことの

ウィットでもない。

 ただ、無責任な周囲の空気に悪のりしただけじゃ。

 

 むしろ、そのようなオヌシの振る舞いによって、政治自体が

茶化され、限りなく貶められた。

 そして、本来、政治にあるべき真摯さ、言うなれば、”言葉の

重みや、それに伴う政治家の責任”といったものが、著しく毀損

された。

 それを傷つけたオヌシの責任は、決して軽いものではないぞ」

と。                            【つづく】

            

 

 

 

 

2020年2月14日 (金)

地獄をさ迷う亡者たち(114)

(第五話)非情な暴政で幕を開けた21世紀【4】

 

 大王の言葉です。

 

「あの『9.11』の直後、ブッシュは、『テロとの戦い』を宣言

して、アフガニスタンやイラクを、一方的に攻撃した。

 それも、国連での決議など、お構いなしにじゃ」と。

   

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 そこで、純ちゃんが、こう抗弁します。

「『9.11』で、アメリカがイスラム過激派から攻撃を受けたの

ですから、彼らを庇い、かくまう国々を攻撃しても、何ら

おかしくはないと思うのですが」と。

 

 そこで、大王が言います。

「ジュンは、その思いで、誰よりも早く、ブッシュの決断と行動

に賛意を表し、アメリカの軍事行動に追随したわけだな」と。

 これに対して、純ちゃんが、即座に反論します。

「決して、闇雲に追随したわけではありません。

むしろ、日米同盟に則り、日本国の当然の義務を果たしたまで

です」と。

 

 そこで、大王が語ります。

「しかし、イラクへの空爆で、短期間のうちに、10万人以上の

イラク国民が死に、5~6百万人の難民が生じた。

ジュンは、そのことに、何の痛みも感じないか?」と。

 

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 そこで、純ちゃんが、咄嗟に答えます。

「無論、痛みを感じないわけがありません。

 しかし、大義の実現のためには、如何なる犠牲も覚悟

しなければなりません」と。

 これに対して、大王が言います。

「それは、一体、誰にとっての大義じゃ?

単に、英米を利するためだけの大義ではないか!」と

 

 純ちゃんが、そこで、こう反論します。

「いえ、決して、そんなことはありません。

テロとの戦いは、世界平和を築く上で、どうしても避けては

通れない道です。

 日本は、それを、アメリカと共に、果たそうとしているのです」

と。

 これに対する大王の言葉です。

「さて、それを、言葉通りには、受け取れんな。

それに第一、それを実現しようとするオヌシとブッシュの内政と

外交は、ほぼ同じような性格を持っておったな」と。

 

 この言葉に対して、純ちゃんが尋ねます。

「『同じような性格』と言いますと?」と。

 そこで、大王が、さらりと言います。

「オヌシらの内政と外交を、ひと言で表現するなら、暴政

じゃよ。

 つまり、ブッシュは、2001年10月7日に、アフガニスタン侵攻

を開始し、イラクが大量破壊兵器を隠し持っているという

言い掛かりをつけて、2003年3月19日に、イラクへ侵攻した。

 この二つとも、国連を全く無視して、アメリカの覇権のみを

追求する『単独行動主義』そのものだった。

 それを、オヌシは、見境もなく、全面的に容認したのじゃ。

 

 しかし、イラク侵攻の目的が何だったかと言えば、それは結局、

『石油』じゃよ。

 加えて、2001年に、アメリカでは、政府に批判的な国民を容易に

逮捕・拘禁できるパトリオット法(愛国者法)が制定された。

 この法律によって、多くの良心的な国民が弾圧された。

事実、これらの政治行動は、『真実』から、国民の目を背けさせた。

 それらは、明らかな『暴政』だったと言えよう。

 

 また、オヌシの場合、対外的に、このアメリカの理不尽さに

追随したばかりか、内政面では、『聖域なき構造改革』と

『規制緩和』を無理矢理、強行した。

 さらに、オヌシが推し進めた『官邸主導』政治も、今日の

アベ独裁政治に道を開く『暴政』そのものだったと言えよう。

 

 つまり、21世紀は、アメリカ主体の非情な暴政で幕を開けたと

言える。

 その露払いをしたのが、ジュン、オヌシなのだ。

これが、日本国民の不幸でなくて、一体何と言えるだろうか!」

と。

 この大王の言葉を耳にしながら、純ちゃんは、改めて、自らの

五年五ヶ月間の政治を、一つひとつ思い返しておりました。   【つづく】

 

 

 

2020年2月13日 (木)

地獄をさ迷う亡者たち(113)

(第五話)非情な暴政で幕を開けた21世紀【3】

 

 大王が言います。

 

「あの種の犯行は、歴代のアメリカ政府のお家芸ではないか!

それで、どれ程の国家が今まで、災いを被ってきたことか。

 アメリカこそ、世界最大のならず者国家じゃよ。

より厳密に言えば、アメリカ政府を背後で操る国際金融資本の

仕業と言うべきかな。

 また、あの『9・11』も、そう考える方が、色々と辻褄が

合うのじゃ」と。

 

    9113

 

    9114

 

 純ちゃんにとって、この大王の言葉は、全く信じられない

ものでした。でも、無知ほど、怖いものはありません。

 純ちゃんの、あの細い目が、いつの間にか、点になって

おりました。

 

 そこで、大王が、純ちゃんに尋ねます。

「ところで、ジュンは、かつてNHKの解説委員主幹だった

長谷川浩(55)という者の名前を覚えているか?」と。

 純ちゃんが、答えます。

「長谷川? 長谷川一夫じゃないですよね。長谷川浩?

いえ、知りません」と。

 そこで、大王が言います。

「長谷川は、例の世界貿易センタービル攻撃の犠牲者の中に、

ユダヤ系アメリカ人が、一人もいなかったという『事実』を、

果敢にもテレビを通じて公言した人物じゃよ。

 実は、それだけではなく、長谷川は、このテロの首謀者が、

アラブのテロリストだと言うブッシュの声明を鵜呑みにする

ことについて、視聴者に注意を促していたのじゃ。

 まさに、長谷川こそは、NHK最後のサムライじゃ。

そればかりか、真の愛国者と言うべき人物じゃった」と。

 

「その長谷川氏が、どうかしたのですか?」と、純ちゃんが

問います。そこで、大王が、有り体に答えます。

「以上の事を公にした5日後に、長谷川は、NHK内で、

変死していたのじゃ。

 その後、自殺と報じられたが、多分、何者かによって、

高層階の自室から突き落とされたのじゃ。

 ジュン、オヌシは、何か、身に覚えはないか?」と。

 

   Nhk1

                            (NHKビル)

 

 そこで、純ちゃんは、即座に答えます。

「私は、全く知りません。何せ、『長谷川浩』という名前

さえ、初耳なのですから」と。

 それは、まるで、刑場に引かれる前のイエスを、三度

否定した愛弟子ペテロも、びっくりするような慌て振りです。

「しかし、なぁ・・・」と、大王が言います。

「しかし、何でしょうか?」と、いつになく(?)理性を喪失

した純ちゃんが問います。

 

 そこで、大王が、悠然と、こう告げます。

「ワシが思うに、あの2001年10月15日の長谷川の変死事件以後、

NHKは、政府を怖れ、政府の下僕に成り下がったのじゃ」と。

 そして、大王は、純ちゃんを、じっと見据えて、こう問い掛け

ました。

「ジュン、オヌシには、この日の長谷川の無念さが、想像出来るか?」

と。

 

 純ちゃんは、この余りにも唐突な問い掛けに、何の返事も出来ず、

ただ天空の一点を凝視するだけでした。

 そこで、大王の言葉が、続きます。              【つづく】

 

 

2020年2月12日 (水)

地獄をさ迷う亡者たち(112)

(第五話)非情な暴政で幕を開けた21世紀【2】

 

 大王の言葉です。

 

「ところで、息子というものは、もし父親を尊敬しているなら、

”自分も、父親のようになりたい”と願うものじゃ。

 父・純也を尊敬していたオヌシの場合が、まさにそうだろう。

だが、これは、ブッシュ・ジュニアの場合も、全く同様では

あるまいか。その気持ちを、無碍に否定はできぬ。

 

    Photo_20200207141101

                                           (ブッシュ父子)

 

 だが、そうしたことが、真に自国民のためになったか

どうかは、また別問題じゃ。

 むしろ、その父親への忠誠心が、自国民を不幸に陥れる

ことも、充分あり得る。

 そのことに、深く配慮すべきではないか」と。

 

 純ちゃんは、心なしか共感しながら、この大王の言葉を、

黙って聞いていました。

 そこで、大王が、次のように言葉を続けます。

「言うまでもなく、20世紀は、戦争と暴力の世紀だった。

 それゆえ、21世紀こそは、平和な時代であって欲しいと、

数多くの者たちが、心から願ったと思う」と。

 

 この言葉に対して、純ちゃんが言います。

「まことに、大王サマの仰る通りです」と。

 そこで、大王が続けます。

「しかし、残念なことに、あの同時多発テロと言われる

『9・11』が起こった」と。

 この言葉を受けて、純ちゃんが語ります。

「例のオサマ・ビン・ラディン(下の写真)とアイマン・

ザワヒリ率いるアルカイダの仕業だった事件ですね」と。

 

    Photo_20200207142301

 

 そこで、大王が、疑問を呈します。

「さて、あの事件は、巷間言われているように、アルカイダの

仕業だったのかな?」と。

「と、言いますと?」と、今度は、純ちゃんが、いぶかしそうに

問い掛けます。

「アレは、当時のアメリカ政府による自作・自演の蛮行だったの

じゃ」と、大王が、あっさりと確言します。

 

   9111

 

   9112

 

 この大王の言葉に対して、純ちゃんが、執拗に食い下がって、

こう言います。

「いーえ、決して、そんなことはありません。

あくまで、イスラム過激派による犯行です!」と。

 この言葉に対して、大王が、こう語ります。      【つづく】

 

 

 

 

 

2020年2月11日 (火)

地獄をさ迷う亡者たち(111)

(第五話)非情な暴政で幕を開けた21世紀【1】

 

 今日の審問は、純ちゃんの青年時代の話から始まりました。

大王が、おもむろに尋ねます。

「ジュン、オヌシは、若い頃、東大を目指していたようだな」と。 

 純ちゃんが、正直に答えます。「ハイ、そうです」と。

  そこで、大王が言います。「しかし、二浪しても通らなかった」と。

「まことに、仰る通りです」と、純ちゃんが、多少照れながら言います。

 

「そこで、慶應大学(経済学部)へ入学したわけだな、実質、親のコネ

で」と、大王が、言います。

「これまた、大王サマの仰せの通りです」と、純ちゃんも、いくぶん

苦笑しながら答えます。

 

     Photo_20200207124601

                                     (慶應大学)

 

 そこで、大王の言葉が続きます。

「二浪したオヌシは、その慶應で、栗本慎一郎(下の写真)と

出会っているな。

「ハイ、その通りです」と、純ちゃん。

 

         Photo_20200207125101

 

 そこで、大王が、こう語ります。

「その栗本が、オヌシについて、実に興味深いことを語っておる」と。

 純ちゃんには、ちょっとイヤな予感がありました。

しかし、彼は、冷静に聞くことにしました。

 

 そこで、大王が語ります。

「実は、あの者は、オヌシについて、こう述べているのじゃ。

『彼は、みんなから浮いているんではなくて、沈んでいるんです。

友人から無視されるような存在でした。

 精神的な病気でおかしくなって、おそらく、高校時代も同じでしょう。

 その社会性の欠如こそ、そこから来る孤独感が、彼の奇矯な

政治行動の原点だと思います』」と。

 

 この言葉を聞きながら、純ちゃんは、顔の側面に、冷や汗が

流れるのを感じました。そして、彼は内心、こう思いました。

”ずいぶんと、勝手なことを言いやがる”と。

 そこで、大王が言います。

「この”浮いているのではなくて、沈んでいる”という表現が、

なかなか秀逸じゃ。

 ところで、これは、成蹊大学時代のアベ・シンゾーにも言える

のではないか」と。

「そうですか?」と、純ちゃんが、いくぶん不服そうに言います。

 

 そこで、大王が、自ら思うところを、こう述べます。

「つまり、青年時代に、殆ど目立たなかった若者が、時の流れに

乗って、後年、”大化け”するものじゃ。

 そして、国民に多大の迷惑をかける。

 これは、どんな時代でも、そしてどんな国においても、しばしば

見られることじゃ。

 オヌシとコンビを組んだ、あのアメリカのブッシュ・ジュニアも、

全く似たようなものじゃ。

 

    Photo_20200207130901

 

 あの者は、ハーバード大学に入学したとはいえ、全く学業に

関心を示さず、友人たちのサポートなしには、満足に単位一つ

取れなかった。

 まことに、『類は友を呼ぶ』とは、よく言ったものじゃ。

しかし、その後、この似た者同士が、何と、自国の行く末を、

大きく左右するとは、娑婆世界も、ずいぶんと不条理なもの

よのう~」と。

 

 今日の大王は、いくぶん哲学者のような風情です。

純ちゃんも、いつもの元気さを忘れ、しばし、目を点にして、

聞いていました。

 ひと息入れた大王は、次のようなことを、付言しました。

                              【つづく】

 

 

 

 

           

 

2020年2月10日 (月)

地獄をさ迷う亡者たち(110)

(第四話)「規制緩和」という名の巨大なペテン【3】

 

 そこで、純ちゃんが、感心した面持ちで、こう語ります。

「まさか、ここで、大王サマから、『北斗の拳』のケンシロウの言葉

を聞けるとは、思いもよりませんでした。

いやー、感動しました!

 アソー・タロー君なんか、泣いて喜ぶことでしょう」と。

 

        Photo_20200131184701

                  (『北斗の拳』のケンシロウ)

 

 そこで、大王が言います。

「そんなことで感動されても困るが、『非正規雇用』は、

誰が考えても、国民を不幸に陥れる経済システムじゃ。

 この状態を、そのまま放置していると、早晩、日本は、

滅びるぞ。

 戦後、日本人が求めたものは、こんな不幸な経済システムでは

なかったはずじゃ。

 聞くところによると、民間ばかりか、役所までが率先して、

非正規雇用を増やしているというではないか。

 そして、そのキッカケとなったのは、オヌシらが打ち出した

『集中改革プラン』だったな」と。

 

 そこで、純ちゃんが言います。

「確かに、大王サマの仰る通りです。

しかし、私共も、良かれと思って施行したのです」と。

 これに対して、大王が、言葉を続けます。

「2005年当時、このプランを推進したのが、総務省だったな。

 そして、当時の総務大臣が、あのタケナカ・ヘイゾーじゃ。

 

        Photo_20200209191701

                                                         (総務省)

 

    13

 

 ずいぶんと周到な準備をしたものじゃ。

これによって、全国各地の自治体では、正規公務員の

採用枠を減らしていく一方で、非正規公務員の数を激増させて

いくことになったのだな(明石昇次郎氏の『ルポ』参照)」と。

 

 そこで、純ちゃんが、口を差し挟みます。

「しかし、この政策は、国や地方自治体の経費を削減する上では、

非常に効果があったと思うのです」と。

 これに対して、大王が言います。

「それは、表面的な経理上だけのことじゃ。

むしろ、国家や国民の基本的な在り方を考えれば、この悪法は、

国家を弱体化させ、国民を不幸にしただけだったぞ。

 

     Photo_20200131195501

                    (「レイバーネット日本」より拝借)   

 

 反面、この利益に与ったのは、大企業と大規模派遣

会社、それに株主や、外国人投資家たちだけじゃ。

 そればかりか、雇用面でのセキュリティ(安心感)を

脅かされた国民は、当然、カネを使わなくなり、

デフレが、より深刻化した。

 まさに、娑婆で言うところの、デフレの『負のスパイラル

というものだ」と。

 

 そこで、純ちゃんが言います。

「ただ、我々には、デフレの責任までは無いと思うのですが」と。

これに対する、大王の言葉です。

「無論、ワシも、そこまでは言っておらん。

 だが、かつて、多くの日本企業は、従業員を大切にし、彼らも、

会社に対して、相応のロイヤリティー(忠誠心)があった。

 しかし、オヌシらの一連のエセ改革とやらで、企業は、短期的な

利益を重視するアメリカ式(厳密には、ユダヤ式)の経営に変え

させられた。

 

 そこでは、株主や投資家の利益が第一で、労働者の立場は、

疎んじられた。つまり、彼らは、単なる、『コスト』扱いじゃ。

 そればかりか、オヌシらの策動で、日本の国富が、アメリカに

吸い上げられる仕組みができ、国民は、益々貧しくなった。

 かつては、企業の利益は、それなりに労働者にも分配されて

いた。

 しかし、今やそれは、株主への配当と、経営者の高額報酬に

回されている。

 

    Photo_20200131202501 

 

 日本の企業の多くを食い尽くした外資ファンドや国際金融資本家

たちは、企業や従業員がどうなろうと、知ったこっちゃない。

全く、オヌシと同様じゃ。

 言うなれば、オヌシらが実行した『規制緩和』なる労働市場の

構造改革と、そのバックボーンとなった『新自由主義』なるものが、

日本の社会構造を、完膚なきまでに壊してしまったのじゃ。

『平成』とは、まさに、そういう時代だった。

 

 それゆえ、平成の巨大なペテンとも言える一連の経済改革の

第一の責任者は、ジュン、オヌシだぞ!」と。

 これらの言葉は、純ちゃんにとって、初めて聞く内容でした。

彼の心の中では、5年5ヶ月間の彼の政権担当の日々が、まるで

走馬燈のように思い出されていました。

 閻魔庁の辺りは、すでにとっぷりと日が暮れておりました。

                               【つづく】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年2月 8日 (土)

地獄をさ迷う亡者たち(109)

(第四話)「規制緩和」という名の巨大なペテン【2】

 

 大王の言葉です。

 

「『もう生きていけない』と悲鳴を上げる貧困家庭の増大と、

彼らの犠牲の上で暴利を貪る企業や株主、それに投資家たち。ー

 両者間の格差を広げ、日本国民を惨憺たる窮状に追い込んだのは、

ジュン、オヌシらの誤った経済政策のせいじゃ。

 

 とりわけ、『労働者派遣法』を改正(実質、改悪)し、派遣社員の

派遣期間を3年から無期限にしたのは、オヌシらではなかったか。

 この法改正によって、非正規雇用が著しく増加し、かつ固定化した。

それによって、国民の生きる希望さえも奪ったのじゃ。

 ジュン、オヌシは今まで、そのようなことを、一度でも考えたことは

あるか?!」と。

 

     Photo_20200131134701

 

   Photo_20200131134702

 

 この大王の問い掛けに対して、純ちゃんが、有り体に答えます。

「いえ、今まで、そのようなことに思いを馳せたことは、一度も

ありませんでした。

 しかし、正直、そんな事は、私の知ったことじゃありません!」

と。

 この言葉に対して、大王が言います。

「オヌシは、それでも人間か!」と。

 純ちゃんには、返事の仕様がありませんでした。

 

 そこで、大王が、言葉を続けます。

「考えて見れば、”人でなし”、つまり、『人非人』ゆえに、ワシの

前に立っているのじゃったな」と。

 これに対して、純ちゃんが、頭(こうべ)を垂れて、こう答えます。

「確かに、大王サマの仰る通りです」と。

そこで、大王が、こう切り出します。

「平成の時代を生きた多くの日本人にとって、オヌシが、タケナカと

組んで進めた『構造改革』と『規制緩和』は、まさに、”悪魔の双子”

だったな」と。

 

 これを聞いた純ちゃんが、こう言います。

「私自身、そんなふうに考えたことは、一度もありませんでした。

これは、タケナカ君も、全く同じだと思います。

 それに、そのような表現は、当時は無かったように思うのですが」

と。

 

 これに対して、大王が、至って冷静に答えます。

「”悪魔の双子”とは、ものの喩えじゃよ。ジュンは、想像力がないのう。

 事実、この二つの誤った経済政策のせいで、日本国民の4割以上が、

『非正規雇用』という、実に不安定極まりない立場に追い込まれたのじゃ。    

 

 これは、まことに由々しき出来事だぞ。かつて存在した、

日本の『一億総中流社会』という状況が、木っ端微塵に

吹き飛んでしまったのじゃ。

 オヌシとタケナカは、まさに、日本社会を、根こそぎ破壊

した”経済テロリスト”だったな。

 

          14

 

 しかし、一部の心ある識者を除いて、誰も、そのことを糾弾

しようとはしない。

 日本とは、実に不思議な国じゃのう~。

 劇画の主人公の言葉ではないが、日本は、『もう死んでいる』

な」と。                                        【つづく】

 

 

 

 

 

2020年2月 7日 (金)

地獄をさ迷う亡者たち(108)

(第四話)「規制緩和」という名の巨大なペテン【1】

 

 今日の審問は、純ちゃんの性格談義から始まりました。

大王が、半ば感心したように言います。

「ジュン、オヌシは、ずいぶんと潔癖な男だったようだな」と。

 この言葉に対して、純ちゃんが言います。

「あー、そうですか? 自分では、それ程、意識していないのですが」と。

 

 そこで、大王が言います。

「オヌシは生前、『付け届け』とみなされる行為を、極端に嫌ったそうだな。

 それゆえ、人からの贈り物は、ほとんど受け取らなかったと聞く。

バレンタインのチョコレートさえも、受け取ったことはないようだな。

 オヌシは、政治家にしては、実に珍しいタイプじゃ」と。

 

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       Photo_20200206220401

            

「あー、そのことですか」と、純ちゃんが、冷静に答えます。

そして、彼は、こう続けました。

「昔から、私は、物には、余り執着しなかったんです。

 政治家の家に生まれたとはいえ、我が家は、それ程、裕福

ではありませんでした。

 むしろ、貧乏な方でしたから、元来、物が無くても平気

だったんです。

 それに、私の幼少年時代の戦中・戦後は、他の家と同様、

ほとんど物の無い時代でしたから。・・・」と。

 

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          (左は、少年期の純一郎氏と父・純也氏)

 

 そこで、大王が語ります。

「その無欲な心は、なかなか見上げたものじゃ。

だが、オヌシは、たいへんなナルシストでもあったようだな」と。

「確かに、その通りです」と、純ちゃんが、素直に答えます。

 そこで、大王の言葉が続きます。

「多分、ジュンは今でも、総理の頃のように、『誰からも慕われ、

愛されている』と思っているかもしれんな」と。

 

  この言葉を聞いた純ちゃん、心持ち顔を赤らめながら、次のように

語ります。

「いやー、そんなことはありません。

 当時の私の行動を苦々しく思っていた人も、きっと多かったと

思います」と。

 そこで、大王が語ります。「確かに、その通りじゃ。

 特に、地方に住む者たちの、オヌシに対する憎しみは、たいへん

激しいものがあるぞ」と。

 

「本当ですか?」と、純ちゃんが尋ねます。そこで、大王が言います。

「例えば、地方の大手ゼネコンの経営者などは、『小泉と竹中ほど

悪どい政治家はいない』と語っているほどじゃ」と。

 

    Photo_20200130180501

 

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                                             (地方の建設現場)

 

それは、知りませんでした」と、純ちゃんが、正直に語ります。

 そこで、大王は、こう続けます。          【つづく】

 

 

 

  

 

2020年2月 6日 (木)

今日の特別篇(1)

=一家に一冊、名著『山本太郎がほえる』を、

              どうぞ!=

 

   Photo_20200206023701 

 

  ○ 人間を分けるもの、それは、無欲か、それとも、強欲か?

  ○   人間を分けるもの、それは、本物か、それとも、偽物か?

  ○  人間を分けるもの、それは、独立自尊か、それとも、ヒモ付きか?

  ○  人間を分けるもの、それは、正直か、それとも、嘘つきか?

  ○  人間を分けるもの、それは、狭き門より入り、

           生命(いのち)に至る道を歩むのか

  それとも、広き門より入り、滅びに至る道を選ぶのか?

 

 現代日本で、無欲、本物、独立自尊、正直、に生き、かつ

狭き門より入り、生命(いのち)に至る道を歩む政治家

それが、山本太郎氏です。

 

 この山本氏の政治・経済思想と政治行動、それに、一人の人間と

しての生き方や人生観、人間観、世界観などを、余すところなく活写、

詳述したのが、上記の、髙橋清隆氏著『山本太郎がほえる』です。

 

 本書は、今、日本国民が最も注目すべき人物、山本太郎氏のことを、

実に的確、忠実、かつ公平、公正に描き切った名著です。

 私は正直、山本氏の行動力だけでなく、彼を心底、信頼し、

ひたすら追いかけ続ける高橋氏の果敢な行動力に、心より感服し、

かつ脱帽します。そこに、私は、真のジャーナリスト魂を見ます。

 

 本著は、自費出版でもあり、アマゾンでの申し込みに限られる

とのこと。ー(因みに、価格の上限:1760円・税込み)

 しかし今日、われわれが、是非とも読むべき本というのは、

まさに、こんな著書のことを言うのだと思うのです。

 

《選別なき対話》、《ひたむき太郎》、《痛快太郎節炸裂》、

《積極財政で日本を救え》、《がちんこ勝負》、

《言わずにいられない》、《みんなに忖度》、

《空気は読まない》、《ゴングは鳴った》。

 どの章から読んでも、実に生き生きと、かつ温かく山本太郎氏の

生の姿が描かれています。

 

 上記の著書の表紙にも、山本氏自身が「全国津々浦々、

一番シツコク取材をした著者の本がこちらになります」

述べられています。両者の厚い信頼関係が窺えます。

 社会的閉塞感の強い今日の日本、このような”元気の出る本”

熟読して、新型肺炎ウィルスなどを寄せ付けない、精神的な免疫力を

付けましょう!

 まこと、冗談抜きに、”一家に一冊、名著『山本太郎が

ほえる』を、どうぞ!”                    【了】

 

 

     

        

2020年2月 5日 (水)

地獄をさ迷う亡者たち(107)

第三話)全くの出鱈目だった「構造改革」【3】

 

 大王が、言います。

 

「事実、そういう面もあっただろうが、本来、大蔵族議員だった

オヌシにとって、最も関心があったのは、決して、そんなことでは

あるまい。

 むしろ、郵貯や簡保のカネを自由にして、結局、それを、アメリカ

の国際金融資本に貢ぐことではなかったのか!」と。

 

 すると、純ちゃんが、いささか気色ばんで答えます。

「とんでもありません。みすみす日本国民が困ったり、日本国が不利に

なることなどはいたしません」と。

 この言葉に対して、大王が反論します。

「さて、それは、どうかな?

 実際にオヌシの手足として働いたタケナカのしたことは、まさに、

日本の国富を、アメリカ金融資本に投げ売りし、かつ国内の一部の

事業家のためだけに、不当な利益を供することではなかったか!

 事実、あの者は、『巨大なインサイダー取引の妙手』と考えられておる。

そのことに、かつての上司としてのオヌシに責任がないわけはなかろう」と。

 

   Photo_20200130100001

 

 そこで、純ちゃんが、逃げ口上を言い出します。

「経済や金融の細かいことは、私には、全然分かりません。

それで、すべては、当時のタケナカ君に、”丸投げ”して

いました」と。

 

 これに対する大王の言葉です。

「ジュン、また、他者への責任転嫁か?

  オヌシは、生前と、全く変わらんのう~。

だが、最も大切なことは、物事の本質を見極めることだ。

 その視点に立てば、オヌシが主張した構造改革は、単なる虚構

(フィクション)だった。

 そればかりか、全く的外れの空理・空論だったことが分かる。

 ごく単純に言えば、全くの出鱈目だったのじゃ。

 

 実際は、『構造化改革なくして、景気回復なし』ではなく、

むしろ、『景気回復なくして、構造改革なし』だったのだ。

 また、オヌシは、郵政民営化を、構造改革の本丸と位置づけたが、

真に解決すべき『本丸』とは、『天下りの全廃である』と説く、

心ある識者もいる。

 

    Photo_20200204202001

        (その代表とも言うべき、現代日本の

             真の警鐘者・植草一秀氏)

 

 オヌシは、そのような優秀な学者の名論・卓説に、何ら耳を

傾けなかった。完全に無視したようだな。

 つまり、ずいぶん前から、アメリカの国際金融資本家たち

によって、脱線必至の『レール』が敷かれていたわけじゃ。

 

 オヌシは、自らの考えの、その否定的な側面を、充分理解

することもなく、ただ闇雲に、『構造改革』という言葉のみに酔って

詭弁を弄しただけだったのだ。

 迷惑を被ったのは、国民じゃ。その弊害は、今日までも

続いている。いや、今ばかりか、今後も、ずっと続くことだろう。

 ジュン、オヌシの犯した過ちは、決して軽いものではないぞ!」

と。

 

 純ちゃんは、今まで、そんなことを考えたことは、一度もあり

ませんでした。

 「構造改革」すべきだったのは、むしろ、純ちゃんの頭の中だった

のかもしれません。

 しかし、それは、「貝を以て海を測る」ようなことで、全く望み得ない

ことかと思われました。

 閻魔庁の辺りは、すでに夜のとばりが降りていました。   【つづく】

 

 

 

 

 

2020年2月 4日 (火)

地獄をさ迷う亡者たち(106)

 

(第三話)全くの出鱈目だった「構造改革」【2】

 

 そこで、大王が尋ねます。

 

「と言うと、何か高邁な考えに基づくものだったのか?」と。

 これに対する純ちゃんの言葉です。

「『高邁』と言うほどのものではないかもしれません。

しかしながら、私は、今のままの状態では良くない、と

考えました。

 それで、郵政三事業(郵便・郵便貯金・簡易生命保険)の

分割民営化を、『構造改革の本丸』と位置づけた次第です」と。

 

 これに対して、大王が言います。

「そのために、2004年9月に発足させた第二次改造内閣では、

あのタケナカ・ヘイゾー(下の写真)を、郵政民営化担当大臣

に任命したわけだな」と。

 そこで、純ちゃんが答えます。「仰る通りです」と。

 

    Photo_20200129093501

 

 しかし、ここで、大王が、疑問を呈します。

「だが、あの法案は、衆議院では、どうにか通過したものの、

参議院では、否決されたと思うが」と。

 そこで、純ちゃんが、自慢げに、こう申します。

「それで、私は、無理筋でこそありましたが、突如、衆議院を

解散して、『郵政解散』に打って出たのです。

 

        Photo_20200129132101

 

  当然、この行為は、『憲政の常道に反する』という声も

ありました。

 すでに議員でこそありませんでしたが、ナカソネ元総理など

は、その急先鋒でした。

 しかし、当時、そんな『声』に耳を傾けてはいられませんでした。

 そこで、私は、反対派を、『抵抗勢力』とするイメージ戦略に

出たのです。

 その結果、その戦略は、まんまと成功しました。

 そこで、大王が言います。

「あの時のオヌシは、実に狡猾だったな」と。

 

 これに対して、純ちゃんが、こう語ります。

「確かに、狡猾でした。

 しかし、そうでもしなければ、あの当時の局面を打開できません

でした。

 私は、当時のマスコミをフルに活用して、特に、都市部の大衆を

味方に付けました。

 まさに、我々の狙い通りでした。それは、『小泉劇場』の始まり

でした。

 無論、アメリカ様も、全面的にバックアップしてくれました」と。

 

    Photo_20200130090101

 

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 これに対して、大王が言います。

「オヌシ自身、そこでは度々、人々を感動させ、自らも感動した

ことだろう。

 だが、あの郵政民営化は、日本国民にとって、本当にいいもの

だったのか?!」と。

 

 この問いに対して、純ちゃんが、答えます。

「確かに、すべてが良かったとは思いません。

とりわけ、地方などでは、今までよりも、かなり不便になったという

声が聞かれました。

 しかし、昔に比べて、郵便局が、だいぶ親しみ易くなったのでは

ないでしょうか」と。

 これに対する大王の言葉です。               【つづく】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年2月 3日 (月)

地獄をさ迷う亡者たち(105)

(第三話)全くの出鱈目だった「構造改革」【1】

 

 午後の陽射しの下、大王が、静かに語り始めます。

「ジュン、政権担当期に、オヌシほど、『改革』、『改革』と

叫び続けた総理大臣も珍しいな」と。

 これに対して、純ちゃんが答えます。

「あの当時は、『構造改革』の必要性がございました。

事実、私は、それを、『聖域なき構造改革』と表現しました。

 そして、『構造改革なくして、景気回復なし!』を、その

スローガンとしたのです」と。

 

 そこで、大王が問います。

「ジュン、それは、日本独自の必要性から出たものなのか、

それとも、オヌシらの言うアメリカ様からの要求に応えたもの

なのか?」と。

 純ちゃんは一瞬、たじろぎました。

しかし、彼は意を決して、正直に答えます。

「実は、アメリカ様からの要求に依るものです」と。

 

 これに対して、大王が言います。

「つまりは、日本独自の必要性から発したものではなかった、

ということだな」と。

 そこで、大王が、いささか呆れ気味に、こう述べます。

「オヌシら日本の政治家は、いつから、そんな腑抜けに

なったのじゃ?」

 

 そこで、純ちゃんが、自らの思いを、次のように語ります。

「大王サマ、私共、日本の政治家は、『アメリカ様』という

お釈迦様の掌(たなごころ)の上で踊らされている孫悟空の

ようなものなのです。

 

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 彼らに刃向かえば、頭の輪っかの『緊箍児(きんこじ)』が

締め付けられてしまいます」と。

 そこで、大王が言います。

「ずいぶんと分かりやすい喩えじゃのう。

しかし、天上界の釈尊も、あの世界の鼻つまみ、アメリカなどと

一緒にされては、きっと、ご迷惑なことだろう」と。

 

 しかし、純ちゃんは、至って真剣な面持ちでした。

そこで、大王が、純ちゃんに、冷静に語ります。

「ところで、オヌシが主張した構造改革の本質とは、結局、

経世会(旧田中派)と、清和会(旧福田派)との、いわゆる

『代理角福戦争』だったと言う識者もいる。

 

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                       (時事通信社の写真より、拝借)

 

 その者の言によると、経世会の牙城は、郵政省と全国の

土建業界だ。

 これに対して、オヌシら清和会の牙城は、財務省、銀行、

警察庁、それに検察庁だった。

 例えば、オヌシらの制度改革の一つ、郵政民営化を通して、

オヌシは、経世会に殴り込みをかけたわけだ」と。

 

 これに対して、純ちゃんが、真っ向から反論します。

「大王サマのお言葉ですが、私の企図した郵政改革(=郵政

民営化)は、そのような低次元の問題ではありませんでした」と。

                                       【つづく】

 

 

 

 

2020年2月 1日 (土)

地獄をさ迷う亡者たち(104)

(第二話)自民党をぶっ壊さずに、国民生活をぶっ壊した、

     稀代の悪辣政治家【2】

 

 大王の言葉です。

 

それゆえ、オヌシの選挙運動や政権を支えたのは、言うまでもなく、

多くの支援者や地元の稲川会だけではなかったぞ。

 むしろ、アメリカ様そのものだったのじゃ。

これでは、オヌシの政治が、日本国民の方を向くわけはないな。

 常に、オヌシの政治は、『アメリカ様の、アメリカ様による、

アメリカ様のための政治』だったわけじゃ。

 

 もっと端的に言えば、或る著名な学者(=植草一秀氏)の言にも

ある通り、『ハゲタカの、ハゲタカによる、ハゲタカのための政治』

だったな。

 これほど分かりやすい政治は、他にはないかもしれんな。

今のアベ政治も、これと全く同様じゃ」と。

 

 純ちゃんのいつもの雄弁さは、すっかり影をひそめ、そのまま

黙って、大王の言葉を聞いていました。

 そこで、大王が、純ちゃんに問います。

「ジュンは生前、『自民党を、ぶっ壊す!』と息巻いておったが、

実際に、自民党を壊せたかな?」と。

 

     Photo_20200128104001

         (純ちゃんと田中真紀子氏の蜜月の頃)

 

 この問いに対して、純ちゃんが、正直に答えます。

「いや、それは、出来ませんでした。正直申しまして、

経世会(竹下派)を弱体化させただけでした」と。

 これに対して、大王が言います。

「ジュン、オヌシは、なかなか正直だな。

だが、それだけではあるまい」と。

 そこで、純ちゃんが、怪訝そうに尋ねます。

「大王サマ、それは一体、どういう意味ですか?」と。

 

 これに対して、大王が、こう語ります。

「例えば、オヌシが主張した『改革なくして、成長なし』は、

全くの虚妄だったな。

 それに、”経済”というものは、まさに生き物じゃ。

それを、オヌシらは、全く理解せず、ただ教条的に持論を振り回す

だけだった。

 事実、オヌシらの、その経済に対する無知・無策が、政権当初の

株価を暴落させ、社会を混乱に陥れた。

 

 全国各地で失業や倒産が相次ぎ、生活苦や借金苦によって自殺者も

増大した。

 しかし、オヌシの政権内部に、そういった悲劇を、”我が事”として

認識する者は、一人もいなかった。オヌシ自身も、まさにそうだった。

 さらには、オヌシの政権での、公約無視の、実に場当たり的、かつ

無責任な経済政策で、多くの国民が塗炭の苦しみを味わった。

 

    Photo_20200128131601

             (公園での生活を余儀なくされる人々)

 

 オヌシは、『今の痛みに耐え、より良い明日を目指す』とは

言ったものの、オヌシら政治家や官僚たちは、何一つ、自ら痛みを

味わうことはなかった。

 むしろ、特定の銀行や企業のみを犠牲にし、弱き国民に、耐え難い

苦しみを強いるような酷薄な政治を断行した。

 オヌシの政権の、一体どこに、真に政治らしい政治、経済らしい

経済があったのじゃ?!」と。

 

 ここまで言われますと、流石の純ちゃんも、もう黙ってはいられません。

そこで、彼は、こう反論します。

「大王サマのお言葉ですが、当時は、不良債権の問題が、実に深刻な

状態でした。

 それに、財政危機は、どうしても解決しなければならない大問題だった

のです。

 そのため、私は、その解決の緒を見出そうと、躍起となっておりました。

また、そのための努力も、充分やったつもりです」と。

 

 この言葉を冷静に聞きながら、大王は、こう述べます。

「しかし、オヌシの考えた解決方法が、根本的に間違っていたのでは

ないか。それゆえ、決して成功したなどとは言えぬぞ。

 むしろ、その結果、オヌシは、『自民党をぶっ壊す!』などと豪語

しながら、その実、『国民生活をぶっ壊した』のじゃ!」と。

 純ちゃんは、ひたすら天を見上げ、この大王の言葉を聞いており

ました。閻魔庁の周りは、いつの間にか、だいぶ暗くなっていました。

                                    【つづく】

 

 

 

 

 

 

 

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