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2014年10月14日 (火)

『内気な天使たち』(27)

  荒馬踊りの練習

 

  今日(十一月二十一日)は、マラソン大会も無事終了し、一段落ついた日

となった。 

 昨夜以来の雨で、黄葉した葉が落ち、それぞれ重なりながら雨露に濡れ

ていた。しっとりとした一日である。

 だが、本校での生活は活気に満ちたものだった。

 

  今日は、集会と作業である。先ず、屋上に集合し、準備体操をする。そし

て、十分間の駆け足。今朝は、愛ちゃんの顔が見えない。具合が悪くて、

保健室で休んでいるとのこと。そう言えば、今朝出会った時、いつになく

元気がなかった。



  一通り走り、整理運動をして、体育館に集合する。今日の集会は、荒馬

踊りの練習である。映写機がセットされ、和太鼓が三つ並んでいた。

           
             Photo_2


  三学年が揃ったところで、みんなで「まっかな秋」を歌うことになった。

江藤女教諭が前に出られ、「では、みんなで歌いましょうね」と、優しく声

を掛けられる。 

  その瞬間、機材のセットを済ませた土屋先生が、冗談で「あ!、まっか

なお尻か」と仰る。江藤先生がずっこけながら、「あー、溜め息が出そう

と返される。  そのやり取りが、何となく微笑ましい。



            Photo_3



  歌が済んだ後、井田先生の指導で、青森県の民舞『荒馬』の説明がな

される。 

 この発表は、お隣りの都立T高校から依頼されたとのことだ。今日は、

そのための練習である。 

  先ず、ビデオを視て、その後、パート練習である。和太鼓を叩くのは、

天才的なドラマー、中山勇太と、二年生の山本道子ちゃん、それに、

三年生の伊藤英樹である。 

  江藤先生と土屋先生が、太鼓の指導をなさる。ドン、ドン、ドン、ドドツク、

ドン、ドン。軽快かつ豪壮な音が、体育館内にこだます。     

  今日は、馬が跳ねて踊る前の、イントロの練習である。生徒の半分が

選ばれ、大きな紐を持ち、「ラッセー、ラッセー、ラッセーセー」と跳ねる

練習をする。 (*下の写真は、イメージ)


           Photo_4


  右足を前に出して跳ねるシンプルな動きなのだが、できる子、じっとし

ている子など、様々である。ゆりやすみこは、棒立ちの状態だ。 

  私は、青森県のねぶたやねぷたを思い出した。それに、太鼓の音は、

やはりいつ聞いてもいい。私は、この音が大好きだ。 

  すでに夏祭りは過ぎたけれど、“祭りの楽しさって、こんなものかな”と

思いつつ、みんなと一緒に跳ねていた。 

  こんな思いがけない楽しさに浸れるのも、本校やみんなのお蔭である。

  

 

 

   突然の雨





  今日(十一月二十六日)は、朝から曇り空、時折、小雨がパラついて

いた。今朝は、事務室で本山先生とお話をする機会があった。

  先生のお孫さん(初孫)の話を、興味深く聴いた。立花さんが、中国の

健康茶を入れて下さった。熱いけれど、なかなか美味しい。

 

  スクールバスでの一番乗りは、マナブだった。彼は、言葉は殆ど出ない

けれど、深々とお辞儀をしてくれた。次に、愛ちゃんであるが、彼女は、

何を思ったか、突然、本田先生の鼻を、指で押し上げ始めた。 

  本田先生、曰く。「オイ、何これ? 三歩下がって、師の影を踏まず、

と言うぞ」と仰る。

 愛ちゃんは、唯、キャッ、キャッと笑ってばかりである。T養護は、

まさにハプニングの連続である。



  今日のマラソン練習の相手は、翔太だった。小山先生の「ヨーイ、

ドン!」の合図と共に、全員が一斉にスタートする。 

  最初の頃は、翔太も、少しは走ってくれた。だが、一周目も後半になると、 

「アー、クルス(苦しい)」と言って、私の手を握ったり、肩に手をかけたりし

て、歩き始める。その姿は、まさに二人三脚である。 

  私がどれ程「オイチ、ニー、サン、シー」と言って走ろうと促しても、彼は、

「アー、クルス、アー、クルス」と言ったりして、全く歩く体勢である。そのう

ち、「スース(ジュース)、ビール、ピーチ、カッテコイ(買って来い)」と言い

ながら、歩き始める。

 

  二周目を廻り始めた頃、雨がパラパラと降り始めた。それを四分の三、

走ったところで、雨が本降りとなった。翔太や私たちだけでなく、みんな

がびしょ濡れである。日野先生が、「翔太、頑張れ!  これが最後だか

らね」と仰る。

  そうこうするうちに、小山先生が逆回りに走ってこられ、「このまま、

ゴールして下さい」と、連絡して下さった。

             Photo_5

   三周の予定を二周で切り上げると、タイムは、22分14秒だった。決し

て悪い数字ではない、と思った。 

  唯、今日の突然の雨、このまま走り続けるのは酷である。先に着いた

仲間たちは、大きな欅の木の下で、休息をとっていた。私たちもゴール

した後、その木陰に身を潜めた。




           Photo_6



  私は、手持ちのタオルで翔太の濡れた髪を拭いた。翔太は、されるま

まにしてくれた。その後は、晴男、ジュン君、軽部君と、目についた生徒

の濡れた頭を拭いて上げた。 

  今日のように、びっしょりと濡れたのは、私にとって初めてのことだった。

生徒たちが風邪を引かなければよいが、と思った。 

  学校に戻る頃には、だいぶ小降りになり、殆ど雨も上がっていた。いつ

ものマラソン練習であっても、屋外でのことなので、様々な天気に見舞わ

れる。 

  でも、こういった突然の雨といった体験も、意義深いものである。

それに、雨の中、生徒たちに決して無理をさせない本校の教育方針に、

何か“温かいもの”を感じた。                   【つづく】



 

 

 

 

 

 

 

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