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2013年7月13日 (土)

植草一秀氏こそは、現代日本人を導く偉大なる預言者(完)

  改変される憲法



  今後、われらが大切な『日本国憲法』は、一体、どのような運命をたどる

のだろうか?

  本章(第6章)の冒頭、植草氏は、自らの危機意識を、正直に吐露する。

既述ではあるが、同氏は、次のように述べる。

 

  「2013年7月の参院選後、衆議院が解散されなければ、2016年夏まで

の丸3年間、国政選挙のない空白の3年間が生まれます。この3年間に

日本は別の国にされてしまうかもしれません。そんな怖さがあります」と。

 

  文中の「別の国」という言葉が、われわれの胸底に響く。それは、今日

のファシズム国家アメリカを模倣し、戦前の「大日本帝国」なるものを志向、

かつ“復活”させたような国家である。

 

  とりわけ“憲法改正”を党是とする自民党において、その悲願を達成

する総理は、”当然、自分だ”という使命感(?)が、安倍氏の胸中に沸々

と湧き上がっているのかも知れない。 

  確かに、TPP「憲法改正」こそは、日本国民を、奈落へと落とす二大

問題であろう。



  植草氏は、上記を次のように続ける。
 

  「2013年の参院選の争点は、本来は、原発・普天間・TPP・消費税大

増税、そして憲法であるべきだと思います。私はこれを『3+1+1』と

表現しています。・・・・ 

  その中でも突出して重い2つの問題が、国の実体を左右するTPP

そして国の根幹を左右する憲法だと私は考えています」と。

 

  まことに正論だ。これに共感する方々は、きっと多いことだろう。 

  正直、心ある日本国民が危惧していることは、今回の参院選後、自・公

両党が、”ねじれ”を解消し、圧倒的な優勢の下、一気に“憲法改正”

突き進むことではあるまいか。実際、私が最も恐れていることは、その

事である。

 

  本章の冒頭の植草氏の危機意識も、そのような思いが背景になってい

るように思われる。事実、同氏は、次のように語る。 

  「既得権益勢力の戦術が功を奏したのか、あるいは一部で不正選挙

がおこなわれたのか、真相は不明ですが、2012年12月の総選挙の結果

として、主権者側に立つ政治勢力は激減し、米官業トライアングル勢力

が衆院をほぼ制圧してしまいました。

 

  これと同じ状況が参院でも実現すると、米官業勢力は空白の3年間を

フルに活用して、この国のかたちを、根底から書き換えてしまう可能性

があります。 

  そして、そのもっとも根幹になる取り組みが憲法改正になるはずです」と。



  正直、穿った見方をすれば、この数年間の政治の動き、例えば、菅氏

たちのクーデターによる政権奪取、小沢氏との党首選における不正選挙、

アメリカとイスラエルの謀議と実行による「東日本大震災」、野田氏による

唐突な解散・総選挙、不正選挙に基づく自・公両党の圧勝、日本破壊の

ための「アベノミクス(実際は、アベノリスク)」などは、すべて、この憲法

改正(実質、改悪)のために、じっくりと練られたプランとその遂行(パフォ

ーマンス)だったように思われる。 

  つまり、私には”最初に、憲法改正(ひいては、日中戦争)有りき”だと

思えるのだ。


 
  だが、植草氏によれば、憲法とは、このように作為的に、あるいは安直

に改変出来るものではない。それは「立憲主義」という大原則があるた

めだ。同氏は言う。 

  「そもそも、憲法とは、国民の自由と権利を守るため、国家権力の暴走

を防ぐために、国家の統治を憲法の制約下に置くという性格を帯びてい

るという考え方があります。これを『立憲主義』と言います。 

 

  国民が権力を縛るために存在するのが憲法であるとの考え方であり、

この立場からすると、権力が安易に憲法を改変してしまうことがないよう

に、憲法改正のハードルは高くしておくべきだとの主張が正しいことにな

るのです」と。

 

  しかし「自民党憲法改正草案」なるものは、この“立憲主義”を完全に

否定している。植草氏は記す。 

  「私はこの憲法改正草案の主要論点を『1+3』で整理しています。

『1』は根本原理の問題、すなわち立憲主義の否定です。 『3』は人権

抑制・国権強化・戦争体制確立です。

 

  自民党草案の根本原理の問題点は、『主権者が憲法によって国家権

力を抑制する』との立憲主義の大原則が棄て去られていると判断できる

ことです。 

  すでに説明したように、国民の自由と権利を守るために、国家権力を

憲法の制約下に置いて国家権力を縛るのが憲法の役割だとするのが

『立憲主義』の考え方です。

 

  ところが、自民党憲法改正草案では、これが逆立して居るのです。

国家権力が国民を支配する基本法として憲法が定められているように

思えてならないのです」と。

 

   基本的人権の抑制

 

  確かに、その通りだと思う。『日本国憲法』の三大基本原則は、「国民

主権」「基本的人権の尊重」「戦争の放棄」であるが、自民党の憲法改正

草案では、そのすべてが蔑ろにされている。この事実は、しっかりと認識

しておくべきだと思うのだ。

 

  自民党憲法草案の問題について、植草氏はまた、次のように述べる。 

  「自民党草案の具体的問題、その1は人権抑圧、人権制限の性格が

打ち出されていることです。 

  その象徴として、3つの事柄を指摘することができます。第1は、現行

憲法97条の記述が削除されたこと、第2は、表現の自由に著しい制限

が設けられること、そして第3には、『公共の福祉』が『公益および公の

秩序』に置き換えられ、基本的人権への圧迫が著しく強められると推察

されること、です」と。

 

  この第97条の条文は、次のようなものである。 

  「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわた

る自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練

に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利

として信託されたものである」と。

  自民党案では、最高法規の章を章ごと削除しているとのことだ。植草氏

は言う。 

  「97条の条文を消滅させたのは、基本的人権を、将来にわたり侵すこ

とのできない永久の権利として位置づける日本国憲法の精神を大幅に

後退させたものであると言えるのではないでしょうか」と。

 

  同氏は続ける。 

  「自民党草案が施行されれば憲法規定に基づいて、言論を統制する

法律が制定され、政治活動が厳しく弾圧される可能性が高まると考え

られます。まさに、戦前への回帰以外の何物でもありません」と。 

  それは、治安維持法下の日本の状態になる。この状態が、戦争へと

繋がった。 

 このような歴史は、繰り返されてはならない。その意味で、国民を不幸

にする自民党憲法草案は、全面的に否定されなければならないと思う

のだ。
 

 

   国権の強化




  次に、「国権の強化」の問題について、植草氏は、次のように語る。
 

  「これまで述べてきたように、そもそも憲法は、人権を守るために、

国家及び国家権力の暴走を防ぐという大切な役割を担うものです。 

  ところが自民党改正草案では、この位置関係が逆転します。国家

・国家権力が国民に制約を課す側面が強く打ち出されています」と。

 

  文中の「位置関係の逆転」という言葉に注目したい。そこには、まさに、

自民党草案のアナクロニズム(時代錯誤)さえ感取できよう。そのことは、

次の条文についても言える。

 

  現行憲法の第18条に「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない」という

条文がある。これに対して、自民党草案では、次のようになっている。 

  「何人も、その意に反すると否とにかかわらず、社会的又は経済的

関係において身体を拘束されない。」 

  何も、問題は無いように見える、だが、これに対して、植草氏は、次の

ように鋭く分析する。

 

  「『法の下の平等』に関する自民党草案の第14条では、『政治的、経済

的又は社会的関係において、差別されない』という言葉が用いられてい

るのですが、18条には『政治的』という言葉がありません。つまり『政治

的』理由では身体が拘束されることがあるとも受け取れます。 

  また、『奴隷的拘束を受けない』の表現から『奴隷的』の部分が削除さ

れたため、将来の徴兵制採用が視野に入っているとの疑いが生まれて

います」と。

 

  正直、自民党が「国防軍」という言葉を公にした時点で、すでに“徴兵

制”を企図していたと感じる。 

  そこでは、経済的に困窮した若者や失業者たちが、兵士としてリクル

ートされるのかも知れない。しかし、そのような日本は、本来の在るべき

“平和国家日本”と、全く対峙するものだ。 

  だが、前線に行くことのない政治家、官僚、企業家などは、まるで他人

事のように、戦争を喜ぶような愚行を、また繰り返すのだろうか。決して、

そんなことがあってはならない。




  国防軍の創設

 

  ところで、自民党草案の「第九条」は、次のようなものである。 

  第九条    日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に

        希求し、国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇

        及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用い

        ない。 

         2      前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。

 

  上の条文で重要なのは、現『日本国憲法』をパクったような美辞麗句の

第1項ではなく、むしろ第2項で、「自衛のための戦争」を肯定している点

である。つまり、この第1項における“戦争放棄”は、名ばかりの、空虚なも

のである。

 

   植草氏は、次の重要な点にも注目している。彼は言う。 

  「自民党草案が表記する自衛権の中に、集団自衛権の概念が含まれ

ると説明されています。この結果、自民党草案の下では、日本は米国が

主導する戦争に加担することが定められることになります。また、18条の

規定を活用して徴兵制が検討されるのではないかとの懸念があります」

と。

 

  このような事態を、一般の日本国民が、本当に望んでいるのだろうか?

そんなことは有り得ないと思う。だが、今後、自・公両党の暴走を放置す

れば、「憲法改正(=改悪)」を経て、これが現実のものとなるのである。

 

  それゆえ、われわれは、植草氏の次の言葉に耳を傾けよう。 

  「7月の参院選の結果、改憲勢力が参院でも3分の2の議席を確保す

ると、まず、96条が改変され、その次に、衆参過半数の発議でいまの

自民党草案に近い改正案が各条文ごとに上程される可能性がありま

す。

 

  そして、国民投票によって、投票総数の賛成があれば、憲法は根本か

ら書き換えられてしまうことになります。 

  これは、もはや空想の話ではなくなっています。私たち主権者は、この

現実の意味を完全に理解しておく必要があります。 

  その動きにブレーキをかける必要があるのだと判断するならば、その

ための行動を全力で取らなければなりません」と。 

  この警告を、是非、熟読玩味していただきたい。まさに風雲急を告

げる日本なのだ。 

 

   創作される戦争 

 

   戦争を必要とする米国 

 

 アメリカは、戦争無しには存在できない国家だ。“世界の鬼っ子”と呼ん

でもいいだろう。 

  とりわけ、国際金融資本家や強欲資本主義者、それに軍産複合体は、

まるで戦争を麻薬(あるいはモルヒネ)であるかのように常用している。 

  日本国憲法を改悪し、「国防軍」を設置すれば、日本もアメリカ同様、

”戦争中毒”に堕すのである。そんな愚行を、心ある日本国民が許すわ

がないではないか!

 

  その点、真に正義と平和を愛する植草氏の次の言葉は、一読に値し

よう。 

  「日本国憲法は、世界に類を見ない、戦争と軍隊保有を放棄する条文 

を持つ稀有の存在です。  

  日本国憲法こそ、世界遺産の名にふさわしい価値を持つものであると 

言ってもよいかもしれません。」

 

  戦争を前提とするアメリカと、その国家精神において、あくまで「和」

貴ぶ日本は、本質的に相容れないものがある。 

  日本が、独自の自主性を貫いてこそ、世界の平和に貢献できるので

はあるまいか。これに反して、まるで、アメリカの「傭兵」でもあるかのよ

に、アメリカに追従しても、世界の反感や嘲笑を買うだけである。



  ところで、「米国による北朝鮮攻撃の可能性」さえ明言する植草氏に

よれば、北朝鮮のリスクが高まる中で、日米同盟の強化が、かえって

日本を戦場とするリスクを高めてしまうというジレンマが存在するのだ。 

  ある意味、これは、覚悟しなければならないだろう。

 

  名う手の「謀略国家」アメリカに操られる安倍政権は、真に日本国民

の立場には立っていない。まさに「米・官・業・政・電」という、日本国民

の「敵」とも言える人々の〝創作物”に過ぎない。 だが、その悪辣さや

健かさは、決して軽視できないだろう。

 

  植草氏は、本著『アベノリスク』の中で、背後で糸を引く米国、「憲法

改正(=改悪)」とTPPにひた走る安倍政権の危険性や邪悪さ、それに

対する国民の覚醒の必要性などを、遺憾なく表現している。 

 皆さんに、今こそ読んでほしい名著である。

 

 植草氏の文末の言葉を次に記して、拙稿を擱筆したい。 

  「私たちの日本をどのような国にするか。本来、その決定権を持つのは、 

言うまでもなく主権者である私たちです。 

  そのことを十分に踏まえて、目の前に差し迫る巨大なリスクを直視して、 

じっくりと考えていただきたいと思います。 

  この国を良い国にするか、地獄のような国にしてしまうか。 

その方向を決めるのは私たち主権者なのです。」    【了】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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