フォト
2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
無料ブログはココログ

« 植草一秀氏こそは、現代日本人を導く偉大なる預言者(3 ) | トップページ | 植草一秀氏こそは、現代日本人を導く偉大なる預言者(完) »

2013年7月12日 (金)

植草一秀氏こそは、現代日本人を導く偉大なる預言者(4 )

  活断層の上の原発再稼働



 「活断層の上の原発再稼働」・・・。 

これは、今日、日本政府が推進する原発政策である。 

  私には、まさに”狂気”としか思えない。だが、こう感じる人は、

実際、多いのではあるまいか。 

  ”福島原発の解決の目途も立っていないのに、何が原発再稼働か!”

というのが、正直な思いであろう。 

  しかし、「アメリカ」の言い成りである日本政府は、外国への原発売り

込みを含め、「原発再稼働」を国策として推進・強化しているのが現状だ。

 

   再稼働を推進する巨大な力 

 

  本著の中で、植草氏は、こう確言する。 

  「過酷事故の原因が明らかにされていない状態で、絶対安全の体制が

構築されるわけがないのです。 

  私たちは、この問題にどう対応すべきなのでしょうか。これは、日本の

統治のあり方、政治的な決定のあり方の問題とも深くかかわってきます」と。

 

  しかし、現実には、「原発再稼働反対」が国民の過半数を占めながら、

先の衆院選では、この大事なテーマが、低次元の選択にすり替えられて

しまった。 

  このような状況に対して、植草氏は、次のように切に訴える。 

「日本国憲法を踏まえるかぎり、私たちの命、かけがえのない国土にかか

わる重大な問題である原発について判断し、決定するのは、私たち主権

者であることを、2013年7月の参院選前に、もう一度確認しておく必要が

あります。

 

  周知のとおり、この問題について安倍さんは、すでに原発を再稼働する

方針を明言しました。2013年2月28日の通常国会における施政方針演説

で原発再稼働を明言したのです」と。

 

  確かに、ここで「国民主権」の基本原則を、改めて再認識すべき

ではあるまいか。 

 国民が無関心でいたり、他人任せでいると、日本政府は「アメリカ」同様、

独善的な詐欺師集団であるから、すべてを、自分本位に推進しよう。

それは、決して許してはならないと思うのだ。 

 実際、地震国日本の現状を、われわれは、もっと深く、かつより真剣に 

認識しなければならない。

  これに関して、植草氏は、次のように記す。 

「日本は、世界最大の地震国のひとつといって差し支えありません。 

原発の真下に活断層が走っていなくても、日本そのものが、まさに活断層

の上に位置しているわけです。 

  神戸大学の石橋克彦さんは、地震国日本の原発の危険性をかねてよ

り警告し続けてきました。

 

  さらに石橋さんは、歴史を検証したうえで地震活動に周期性があること

を明らかにしています。その地震活動期にいま日本が入っているのです。

実際に巨大な地震が相次いで発生し、火山の爆発も生じています。 

  その日本で、原発を再稼働させていくというのは、常識の判断ではあり

得ません。

 

 国民の多数が賛成する方針ではないはずです。にもかかわらず、原発

推進の動きがやまないのは、それを牽引する巨大な力が働いているから

です。 

  主権者は私たち国民ですが、主権者でない大きな力が働いて、原発稼

働が推進されているのです。黒幕は言うまでもなく米国です」と。

 

  この峻厳なる現実は、どんなに強調されても、強調し過ぎるということは

ない。 

 それに、広島・長崎の原爆、あるいは、それらに先行する名古屋市周辺

域での「人工地震」以来、アメリカにとって、日本人は、単なる「モルモッ

ト」に過ぎないのではあるまいか。

 

 

   重大情報隠蔽の真実




  東日本大震災が起こって2年4ヵ月が経った今日でも、福島原発の放射

能事故の原因や、その全容は、依然不明のままである。 

  むしろ、その内容については、特に重大な情報が隠蔽されている。

植草氏は、本著の中で、2つの重要な事実を、次のように述べている。

少し長い引用になるが、どうか、ご了承いただきたい。

 

  「ひとつは地震発生翌日、すなわち2011年3月12日のNHK正午の

ニュースでの出来事です。当時、ニュースを伝えるアナウンサーは、

次のようにニュース原稿を読みました。 

 

  『・・・・そして、原子力発電所に関する情報です。原子力安全保安院な

どによりますと、福島第一原子力発電所1号機では、原子炉を冷やす

水の高さが下がり、午前11時20分現在で、核燃料棒を束ねた燃料集合

体が水面の上、最大で90センチほど露出する危険な状態になったという

ことです。

 

  このため消火用に貯めていた水など、およそ2万7000リットルを仮設

のポンプを使うなどして原子炉の中に流しこみ、水の高さをあげるため

の作業を行っているということです。この情報を繰り返します』

 

  この朗読のあと、約7秒の沈黙がありました。すると、アナウンサーの

横から「ちょっとね、いまの原稿使っちゃいけないんだって」という声が入

りました。
 
  その後でアナウンサーが読み上げたのは、次の原稿でした。
 

  『改めて原発に関する情報です。福島県にある福島第一原子力発電

所の1号機では、原子炉が入った格納容器の圧力が高まっているため、

東京電力が容器内の空気を外部に放出する作業を始めましたが、格納

容器のすぐ近くにある弁を開く現場の放射線が強いことから、作業をいっ

たん中断し、今後の対応を検討しています』

  アナウンサーは、『この情報を繰り返します』といったにもかかわらず、

その情報を繰り返し読み上げなかったのです。 

  その理由を、横にいたディレクターがはっきり伝えてくれました。 

『ちょっとね、いまの原稿使っちゃいけないんだって』」

  この最後の言葉は、よく話題になるが、多分、後世まで残るのではない

だろうか。 

 いや、むしろ残さなければならないと思うのだ。それに、植草氏も言わ

れる通り、まさに「天網恢恢疎にして漏らさず」なのである。

 

 同氏はまた、次のように続ける。

  「もうひとつの重大な事実があります。これはNHKのキャスターを務め

ていた堀潤さんが、震災から2年後の2013年3月11日のツイッターで明

らかにしました。

 

  堀さんはツイッターに次の記述を載せました。 

  『震災から2年。原発事故発生のあの日私たちNHKはSPEEDIの存在

を知りながら”精度の信頼性に欠ける”とした文部科学省の方針に沿って、

自らデータを報道することを取りやめた。 

  国民の生命、財産を守る公共放送の役割を果さなかった。私たちの

不作為を徹底的に反省し謝罪しなければならない』 

  堀さんは、きわめて重大な事実を暴露しました。内部告発と言ってもよ

いでしょう。 

 堀さんは、NHKの職員でありながら、正義感を持って情報を発信し続け

ました。

  そのためにキャスターの職を解かれ、米国留学というかたちで島流し

の扱いを受けます。 

  それでもひるむことなく脱原発の考えに基づいて活動を続けたために、

結局、NHKを退職することになったのでした」と。

 

  周知の如く、堀氏が自らの職責を賭して告発したのは、当時の菅政権

”放射能大量被曝の事実”を、隠蔽したことだった。

  植草氏は断ずる。「国民に開示すべき情報を政府が人為的に隠蔽し、

その結果多数の住民が放射能大量被曝の犠牲者になったということで

あるなら、政府の刑事責任を追及する必要も生じてきます」と。

 

  当時の菅政権は、まさに正当に裁かれるべき犯罪者集団である。

無実の人が、冤罪によって「有罪」となり、このような国家的規模の犯罪

者たちが、公にヘラヘラと出しゃばっている日本は、まさに、官民あげて

“犯罪国家”と言えよう。 

  検察、警察、裁判所の腐敗・堕落を見れば、そんなこと、一目瞭然で

はないか。





  国民を切り捨てた冷酷な政府




  植草氏の言によれば、日本の法律は、一般国民の被曝上限値を、

年間1ミリシーベルトと定めている。 

  ところが原発事故後には、この上限値を一気に20ミリシーベルトに引き

上げた。 

  しかも、その数値を成人住民だけでなく、放射能に対する耐性が弱い

子どもに対してまで適用し、現在もこの状態が続いている。

 

  植草氏は、内心、正当な怒りを感じつつ、次のように記す。 

  「年間20ミリシーベルトの被曝量というのは、1年に400回も胸のレント

ゲン写真を撮影するのに該当する数値です。

  日本のどこに、いや、世界のどこに自分の子どもに年間400回の胸の

レントゲン撮影を認める親がいるでしょうか。

 

  法律で、年間1ミリシーベルトを上限とすると定めておきながら、事故

後にそれを一気に20倍に引き上げて、子どもにまでそれを適用する

いうのは犯罪行為であると言わざるをえません」と。

 

  まことに、その通りだ。この正論は、全国民に熟読玩味してほしいと思う。 

 なぜなら、このような事実の裏側に「国民主権」に対する明らかな侵食

が見られるからだ。われわれは、決して「冷酷な政府」の言い成りになる

必要はないと思うのだ。



  植草氏の次の言葉にも注目したい。彼は言う。
 

  「原発の構造は、現代の戦争の構造と共通していると思います。 

戦争を指揮する者、戦争によって利益を得る者は、戦争の前線に立つ

ことは絶対にありません。 

  戦争の前線で命を落とすのは、名もなき兵士と罪のない市民に限られ

ているのです」と。

 

  植草氏は、常に「罪のない市民」の立場に立っている。それゆえ、彼は、

この20年余り、歴代政権の経済的愚策を諌め、かつ批判してきたのだ。 

  原発も「消費税増税」も、また迫りくる“戦争の準備”も、根っ子の深い所

では、まったく同じなのである。 

  その点では、「アメリカ」従属の安倍政権は、”宗主国“同様、「悪徳原

理主義」とでも言えよう。今回の「原発再稼働」は、まさに、その確たる

証左とも言えるものだ。 

 

   シロアリ官僚に食い尽される 

 

  今日の日本を見ていると、私は、旧ソ連の没落期を思い出す。まさに、

官僚だけが焼け太り、悪しき官僚主義の絶頂。―

 国民、あるいは市民の、政府や政治に対する信頼は地に堕ちていた。

当時のソ連の官僚も、今日の日本の官僚同様、まさに、唯我独尊の

”シロアリ官僚”だった。



  植草氏は、冷静に述べる。
 

  「財政収支のバランスをとり、政府の借金が際限なく膨らむ事態を避け

なければならないのは当たり前のことです。ただ、その前にやらなければ

ならないことがあります。

 

  私は、過去20年にわたってこのことを言い続けてきました。それは、

官僚の特権的な利権を根絶することです。 

  具体的には『天下り』と『わたり』を根絶することです」と。

 

  つまり、同氏によれば、「日本の行財政改革の最大のテーマは、官僚

利権、天下りとわたりの根絶」ということになる。 

  日本の官僚の問題について、これ以上に端的な言葉はないであろう。

 

  大企業の、多くの経営者や投資家もそうであろうが、官僚も結局、“守銭

奴”である。 

  私は、政治とは、畢竟、「“金の亡者”たちとの戦い」だと考えている。 

官僚は、どんなにわが身を取り繕おうと、結局、金の亡者なのではある

まいか。 

 無論、学者の中にも、斑目(まだらめ)春樹氏のように、”すべてが、

カネ、カネ、カネ”の金の亡者が多くいるのが現状だ。 

 

  財政危機の構造

 

  植草氏の言によれば、日本社会の中核には「官僚機構の肥大化」と

「官僚機構と大資本との癒着」とう2つの問題が広がっている。

  同氏は言う。

 

  「2012年12月の総選挙の結果、民主党政権が消えて、元の木阿弥政

権と言うべき安倍政権が誕生しました。 

  そしてすぐに巨大利権満載の補正予算が編成され、いま、財務省を

中心とする霞が関官庁は沸き立っています。 

  この情勢が続くなら、もはやシロアリ退治の目標は永遠に実現するこ

とはないでしょう。 

 日本は霞が関のシロアリ、外国資本のハゲタカ、強欲資本主義のハイ

エナに食いあらされてしまうことになります。・・・・

 

  小さな政府という言葉が意味する内容はひと通りではありません。 

大きく分けると3つの側面があります。 

  第1は、政府支出の無駄を排除するかどうかという側面。第2は、結果

における平等を重視するかどうか。第3は、景気対策をするかしないか、

です。

 

  結論から言うと、私は政府支出の無駄の側面では小さな政府、結果に

おける平等と景気対策の側面では、ある程度大きな政府が望ましいと

考えます。・・・・

 

  競争を促し、効率を良くすることを否定する必要はありませんが、政府

のより重要な役割として、人々の生活最低保障ラインを確実にすること

を最優先すべきでしょう。・・・・

 

  官僚利権を温存してシロアリ王国を築く一方で、力の弱い個人は市場

原理で淘汰されて当然だとの方針を断じて認めるわけにはいきません」と。 

  以上に、植草氏の庶民の生活重視の”血の通った”経済理念が垣間見

られる。



 
  天下りとわたりの現実

 

  改めて再認識すべき「天下り」と「わたり」の実態について、同氏は、

明快に説明する。 

  「シロアリが大利権を吸い尽くす、天下りの構造には3つの類型があり

ます。『官から官』、『官から民』、そして『検・警・裁から民』、の3類型

です」と。

 

  また、植草氏は、次の点を明確に指摘する。 

  「『政治とカネ』の問題が騒がれてきましたが、その本丸は企業献金で

す。 

  企業は見返りがないのに政治にお金を出せません。株主から背任行

為だと咎められてしまうからです。逆に言うと、企業は何らかの見返りを

求めて政治献金します。 

 根本のところに賄賂の構造があるのが企業献金です。・・・・

 

  犯罪があったのに無罪放免にする、犯罪がないのに逮捕・拘留する。

これらが実質的に警察と検察のひとつで決められてしまっています。 

  これこそが、巨大天下り利権の源泉、原動力になります。これが天下り

問題のひとつの核心と言ってもよいかも知れません」と。 

  非常に説得力のある、実に判り易い説明だ。

 

  それでは、この種の官僚の問題、まさに「シロアリ」問題を解決する方途

について、植草氏は、次のように語る。 

  「第1に、国家公務員採用における、大卒採用の一本化です。大卒採用

を一本化して、入省してからの勤務実態に応じて人事を行えばよいのです。 

  第2に、官僚の天下りを制度、規則として全面禁止することです。 

  第3に、公務員の役職の名称を変えることです。『官』という言葉がよく

ありません。 

 官僚は公務『員』ですから、すべての名称を『官』から『員』」変えるでき

です」と。



  以上は、植草氏が常々、語っておられることだが、実に痛快なアイデア

ではないか! 

 まさに、これらを実現できてこそ、真の「民主国家」であると言えよう。 

まさに、「官主国家」日本を、一日も早く卒業しなければならないのだ。

 

  著者は、本章(第5章)の最後に、塩野七生さんの言葉を引用しながら、

こう結んでいる。 

  「危機を打破するためには、私たち主権者が自分の頭でものを考え、

すべてのものを一度疑ってみる必要があると思います。塩野七生さんが

著書の中で、『ルネサンスとは、ひと言で言えば、すべてを疑うこと』と書

かれています。 

  すべてを疑い、自分の目で見て、自分の頭で考えることが何より大事だ

思います」と。

 

 すべてを信じ易い日本人には、“疑うこと”は、あるいは不得手なのかも

知れない。だが、”疑う”ということは、“自ら考える”ということでもあると

思う。 

  私は若い頃、ある著名な文化人類学者から、「人間は、生きている間に、

自分の脳の9分の1しか使わないんだよ」と聞いたことがある。 

「 随分と勿体ないことをしているね」という彼の言だった。

 

  われわれは、自らの脳を、もっともっと使って(=自分で考えて)、人や

社会のために役立てるべきだと思うのだ。

 ちょうど、植草氏が日々、そうしておれるように。・・・ 【つづく】

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

« 植草一秀氏こそは、現代日本人を導く偉大なる預言者(3 ) | トップページ | 植草一秀氏こそは、現代日本人を導く偉大なる預言者(完) »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

Links