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2013年1月 5日 (土)

デンマルク国の話(完)

  今、ここにお話しいたしましたデンマークの話は、私どもに何を教えま

すか?            Photo                             Photo_2
                (*上の写真は、ブログ「どこかの国のライブカメラ」

          より拝借)
 

  第一に、戦敗、必ずしも不幸にあらざることを教えます。国は戦争に

負けても亡びません。実に、戦争に勝って亡びた国は、歴史上、決して

少なくないのであります。国の興亡は、戦争の勝敗によりません。その

民の平素の修養によります。

 

  善き宗教、善き道徳、善き精神ありて、国は戦争に負けても衰えません。 

否(いな)、その正反対が事実であります。牢固たる精神ありて、戦敗は善

き刺激となりて不幸の民を興します。デンマークは、実にその善き実例で

あります。

 

  第二は、天然の無限の生産力を示します。富は、大陸にもあります。

島嶼にもあります。沃野にもあります。砂漠にもあります。

               Photo_3

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  大陸の主、かならずしも富者ではありません。小島の所有者、かならず

しも貧者ではありません。よくこれを開発すれば、小島も能く大陸に勝るの

産を産するのであります。ゆえに、国の小なるは、決して歎くに足りません。

 

  これに対して、国の大なるは、決して誇るに足りません。富は、有利化さ

れたるエネルギー(力)であります。 

  しかして、エネルギーは、太陽の光線にもあります。海の波濤(なみ)にも

あります。吹く風にもあります。噴出する火山にもあります。

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  もし、これを利用するを得ますれば、これらはみな、ことごとく富源であり

す。必ずしも、英国のごとく、世界の陸面六分の一の持ち主となる必要

ありません。 

 デンマークで足ります。然り、それよりも小なる国で足ります。外に拡が

らんとするよりは、内を開発すべきであります。



  第三に、信仰の実力を示します。国の実力は、軍隊ではありません。

軍艦ではありません。はたまた金ではありません。銀でもありません。

信仰であります。 

  このことに関しましては、マハン大佐*は、いまだ真理を語りません。

アダム・スミス、J・S・ミルも、いまだ真理を語りません。このことに関して

真理を語ったものは、やはり旧(ふる)い『聖書』であります。

  (*マハン大佐―Alfred  Mahan (1830~1914 ) アメリカの海軍将校、

        海軍史家。大海軍主義を唱えたことをもって著名。)

 

   もし芥種(からしだね)のごとき信仰あらば、この山に移りて、ここより 

しこに移れと命(い)うとも、かならず移らん、また汝らに能(あた)わざる 

ことなかるべし 

  と、イエスは、言いたまいしました(マタイ伝一七章二○節)。 また

 

  おおよそ、神によりて生まれたる者は世に勝つ、われらをして世に勝たし 

むるものは、われらの信なり 

  と聖ヨハネは言いました(ヨハネ第一書五章四節)。

 

  世に勝つ力、地を征服する力は、やはり信仰であります。 

ユグノー党の信仰は、その一人をもって鋤(*下の写真)と樅樹(もみのき)

とをもって、デンマーク国を救いました。

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  よしんば、ダルガス一人に信仰がありましても、デンマーク全体に信仰が

ありませんでしたならば、彼の事業も無効に終わったのであります。

 

  この人あり、この民あり、フランスより輸入されたる自由信仰あり、デンマ

ーク自生の自由信仰ありて、この偉業が成ったのであります。 

  宗教、信仰、経済に関係なしと唱える者は、誰でありますか。宗教は詩人

と愚人とに佳(よ)くして、実際家と智者に要なしなどと唱える人は、歴史も

哲学も経済も知らない人であります。



  国に、もしかかる「愚かなる智者」のみありて、ダルガスのごとき「智(さと)

き愚人」がおりませんならば、不幸一歩を誤りて戦敗の悲運に遭いますなら

ば、その国はその時、たちまちにして亡びてしまうのであります。

  国家の危険にして信仰を嘲り、これを無用視するがごときことはありま

せん。

 私が今日ここにお話しいたしましたデンマークとダルガスとに関する事柄

は、大いに軽佻浮薄の経世家を警(いまし)むべきであります。  【了】

  (後記: いつも、ご愛読くださいまして、本当に有難うございます。

            ところで、年明け早々、まことに恐れ入りますが、今月一杯、

     休筆したいと存じます。

      私事ですが、昨年、熊本県内のご有志から、講演のご依頼を

     受けました。

              ところが、私にとりまして、五年ぶりの講演のこと、少し集中的

           に準備しなければ、と強く感じております。

      とりわけ、できれば、自分なりに納得のゆく講演をいたしたい

     と願っています。

             そのため、皆さまには、誠に申し訳なく存じますが、 しばらく

     休筆させていただきます。 

       どうか、平にご海容くださいませ。

     また、二月には、謹んでブログを再開いたします。

                皆さま、どうか、お元気で! )

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