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2013年1月

2013年1月10日 (木)

皆さん、お元気ですか?

               本ブログ、ただ今、休筆中 ―

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2013年1月 5日 (土)

デンマルク国の話(完)

  今、ここにお話しいたしましたデンマークの話は、私どもに何を教えま

すか?            Photo                             Photo_2
                (*上の写真は、ブログ「どこかの国のライブカメラ」

          より拝借)
 

  第一に、戦敗、必ずしも不幸にあらざることを教えます。国は戦争に

負けても亡びません。実に、戦争に勝って亡びた国は、歴史上、決して

少なくないのであります。国の興亡は、戦争の勝敗によりません。その

民の平素の修養によります。

 

  善き宗教、善き道徳、善き精神ありて、国は戦争に負けても衰えません。 

否(いな)、その正反対が事実であります。牢固たる精神ありて、戦敗は善

き刺激となりて不幸の民を興します。デンマークは、実にその善き実例で

あります。

 

  第二は、天然の無限の生産力を示します。富は、大陸にもあります。

島嶼にもあります。沃野にもあります。砂漠にもあります。

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  大陸の主、かならずしも富者ではありません。小島の所有者、かならず

しも貧者ではありません。よくこれを開発すれば、小島も能く大陸に勝るの

産を産するのであります。ゆえに、国の小なるは、決して歎くに足りません。

 

  これに対して、国の大なるは、決して誇るに足りません。富は、有利化さ

れたるエネルギー(力)であります。 

  しかして、エネルギーは、太陽の光線にもあります。海の波濤(なみ)にも

あります。吹く風にもあります。噴出する火山にもあります。

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  もし、これを利用するを得ますれば、これらはみな、ことごとく富源であり

す。必ずしも、英国のごとく、世界の陸面六分の一の持ち主となる必要

ありません。 

 デンマークで足ります。然り、それよりも小なる国で足ります。外に拡が

らんとするよりは、内を開発すべきであります。



  第三に、信仰の実力を示します。国の実力は、軍隊ではありません。

軍艦ではありません。はたまた金ではありません。銀でもありません。

信仰であります。 

  このことに関しましては、マハン大佐*は、いまだ真理を語りません。

アダム・スミス、J・S・ミルも、いまだ真理を語りません。このことに関して

真理を語ったものは、やはり旧(ふる)い『聖書』であります。

  (*マハン大佐―Alfred  Mahan (1830~1914 ) アメリカの海軍将校、

        海軍史家。大海軍主義を唱えたことをもって著名。)

 

   もし芥種(からしだね)のごとき信仰あらば、この山に移りて、ここより 

しこに移れと命(い)うとも、かならず移らん、また汝らに能(あた)わざる 

ことなかるべし 

  と、イエスは、言いたまいしました(マタイ伝一七章二○節)。 また

 

  おおよそ、神によりて生まれたる者は世に勝つ、われらをして世に勝たし 

むるものは、われらの信なり 

  と聖ヨハネは言いました(ヨハネ第一書五章四節)。

 

  世に勝つ力、地を征服する力は、やはり信仰であります。 

ユグノー党の信仰は、その一人をもって鋤(*下の写真)と樅樹(もみのき)

とをもって、デンマーク国を救いました。

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  よしんば、ダルガス一人に信仰がありましても、デンマーク全体に信仰が

ありませんでしたならば、彼の事業も無効に終わったのであります。

 

  この人あり、この民あり、フランスより輸入されたる自由信仰あり、デンマ

ーク自生の自由信仰ありて、この偉業が成ったのであります。 

  宗教、信仰、経済に関係なしと唱える者は、誰でありますか。宗教は詩人

と愚人とに佳(よ)くして、実際家と智者に要なしなどと唱える人は、歴史も

哲学も経済も知らない人であります。



  国に、もしかかる「愚かなる智者」のみありて、ダルガスのごとき「智(さと)

き愚人」がおりませんならば、不幸一歩を誤りて戦敗の悲運に遭いますなら

ば、その国はその時、たちまちにして亡びてしまうのであります。

  国家の危険にして信仰を嘲り、これを無用視するがごときことはありま

せん。

 私が今日ここにお話しいたしましたデンマークとダルガスとに関する事柄

は、大いに軽佻浮薄の経世家を警(いまし)むべきであります。  【了】

  (後記: いつも、ご愛読くださいまして、本当に有難うございます。

            ところで、年明け早々、まことに恐れ入りますが、今月一杯、

     休筆したいと存じます。

      私事ですが、昨年、熊本県内のご有志から、講演のご依頼を

     受けました。

              ところが、私にとりまして、五年ぶりの講演のこと、少し集中的

           に準備しなければ、と強く感じております。

      とりわけ、できれば、自分なりに納得のゆく講演をいたしたい

     と願っています。

             そのため、皆さまには、誠に申し訳なく存じますが、 しばらく

     休筆させていただきます。 

       どうか、平にご海容くださいませ。

     また、二月には、謹んでブログを再開いたします。

                皆さま、どうか、お元気で! )

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2013年1月 4日 (金)

デンマルク国の話(4)

 

    明けまして、おめでとうございます


      さまお元気でしょうか?

   本年も、どうか、よろしくお願いいたします。

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     【話の続きです】 

 若きダルガスは言いました。  

  大樅(おおもみ)がある程度以上に成長しないのは、小樅を、いつまでも

大樅のそばに生(はや)しておくからである。 

  もし、ある時期に達して小樅を斫(き)り払ってしまうならば、大樅は独り

土地を占領して、その成長を続けるであろう、と。

 

  しかして、若きダルガスの言を、実際に試してみましたところが、実にそ

の通りでありました。小樅は、ある程度まで、大樅の成長を促すの能力

(ちから)を持っております。 

  しかし、その程度に達すれば、かえってこれを妨げるものである、との

奇態なる植物学上の事実が、ダルガス父子によって発見せられたので

あります。

 

  しかも、この発見は、デンマーク国の開発にとりて、実に絶大なる発見

でありました。

 これによって、ユトランドの荒地挽回の難問題は解決されたのであります。

これによりて、各地に、鬱蒼たる樅の林を見るに至りました。

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  一八六○年においては、ユトランドの山林は、わずかに十五万七千エ

ーカーに過ぎませんでしたが、四十七年後の一九○七年に至りましては、

四十七万六千エーカーの多きに達しました。

 

  しかし、これなお、全州面積の七分二厘に過ぎません。さらに、ダルガス

の方法に循(したが)い植林を継続いたしますならば、数十年の後には、

他の地に、数百エーカーの緑林を見るに至るのでありましょう。実に多望

と言うべきであります。



  しかし、植林の効果は、単に木材の収穫に止まりません。第一に、その

善き感化を蒙りたるものは、ユトランドの気候でありました。樹木の無き

土地は、熱し易くして冷め易くあります。 

  ゆえに、ダルガスの植林以前においては、ユトランドの夏は非常に暑くて、

夜は、時に霜を見ました。

 

  四六時中(=一日中)、熱帯の暑気と初冬の霜を見ることがありますれば、

植生は、たまったものでありません。 

  その時にあたって、ユトランドの農夫が収穫成功の希望をもって植ゆる

を得し植物は馬鈴薯(*下の写真の上)、黒麦(*下の写真の下)、その

他少数のものに過ぎませんでした。

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  しかし、植林成功後のかの地の農業は一変しました。夏期の降霜はまっ

たく止みました。今や小麦(*下の写真の上)なり、砂糖大根(*下の写真

の下)なり、北欧産の穀類または野菜にして、成熟せざるものなきに至りま

した。                  

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  ユトランドは大樅の林の繁茂のゆえをもって良き田園と化しました。木材

を与えられし上に善き気候を与えられました。 植えるべきは、まことに樹で

あります。

  しかし、植林の善き感化は、それに止まりませんでした。樹木の繁茂は、

海岸より吹き送られる砂塵(すなぼこり)の荒廃を止めました。

  北海沿岸特有の砂丘(すなやま)は、海岸近くで食い止められました。

樅は、根を地に張りて、襲いくる砂塵に対して言いました。

     ここまでは来(きた)ることを得(う)べし

 

    しかし、ここを越ゆべからず、と。(ヨブ記三八章十一節)。


  北海に浜(ひん)する国にとりては、敵国の艦隊よりも恐るべき砂丘は、

戦闘艦ならずして、緑の樅の林をもって、ここにみごとに撃退されたので

あります。

  霜は消え砂は去り、その上に第三に洪水の害は除かれたのであります。

これ、いずこの国においても、植林の結果として、じきに現われるものであ

ります。

  もちろん、海抜六百尺をもって最高点となすユトランドにおいては、わが

邦(=日本)におけるごとき、洪水の害を見ることはありません。

  しかし、その比較的に少なきこの害すら、ダルガスの事業によって除か

れたのであります。



  かくのごとくにして、ユトランドの全州は一変しました。廃れし市邑

(しゆう)は、ふたたび起こりました。新たに町村が設けられました。

  地価は非常に騰貴しました。あるところにおいては、四十年前の百五

十倍に達しました。道路と鉄道は、縦横(たてよこ)に築かれました。

  わが四国全島に、さらに一千マイルを加えたるユトランドは復活しまし

た。戦争によって失いしシュレスヴィヒとホルシュタインとは、今日すでに

償われて、なお余りあるとのことであります。

   しかし、木材よりも、野菜よりも、穀類よりも、畜類よりも、さらに貴きも

のは、国民の精神であります。デンマーク人の精神は、ダルガス植林

成功の結果として、ここに一変したのであります。

  失望せる彼らは、ここに希望を恢復しました。彼らは、国を削られて、

さらに新たに良き国を得たのであります。

  しかも、他人の国を奪ったのではありません。己れの国を改造したので

あります。

  自由宗教より来る熱誠と忍耐と、これに加うるに大樅、小樅の不思議な

能力(ちから)とによりて、彼らの荒れたる国を挽回したのであります。

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  ダルガスの他の事業については、私は、今ここに語る時を持ちません。

彼は、いかにして砂地を田園に化せしか、いかにして沼地の水を排(はら)

いしか、いかにして蹺地(いしじ)を拓いて果園を作りしか、これ植林に劣ら

ぬ面白き物語であります。  これらの問題に興味を有せられる諸君は、

じかに私についてお尋ねを願います。  【つづく】

 

 

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