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2012年12月28日 (金)

デンマルク国の話(1)

     信仰と樹木とをもって国を救いし話


  昿野(あれの)と温潤(うるおい)なき地とは楽しみ、

   砂漠は歓びて番江(サフラン)のごとくに咲(はなさ)かん

   盛んに咲(はなさ)きて歓ばん、

   喜びかつ歌わん、

   レバノンの栄えはこれに与えられん、

   カルメルとシャロンの美(うるわ)しきとはこれに授けられん、

   彼らはエホバの栄(さかえ)を見ん、

   我らの神の美(うる)わしきを視(み)ん。

 ( イザヤ書三五章一~二節)



 
今日は、少し、この世のことについてお話しいたそうと欲(おも)います。
 

   デンマークは、欧州北部の一小邦であります。その面積は、朝鮮と台

湾を除いた日本帝国の十分の一でありまして、わが北海道の半分に当り、

九州の一島に当らない国であります。

                        Photo_2

   その人口は、二百五十万でありまして、日本の二十分の一であります。

実に取るに足りないような小国でありますが、しかし、この国について多く

の面白い話があります。

 

  今、単に経済上より観察を下しまして、この小国の決して侮るべからざ

ることが分かります。 

  この国の面積と人口とは、とてもわが日本国に及びませんが、しかし富

の程度にいたりましては、はるかに日本以上であります(*下の写真は、

 人魚姫の像とコペンハーゲン市)

                 Photo_3

           
Photo_4




  その一例を挙げますれば、日本国の二十分の一を有するデンマーク国
は、

日本の
二分の一の外国貿易を持つのであります。 

  すなわち、デンマーク人一人の外国貿易の高は、日本人一人の十倍に

当るのであります。もって、その富の程度が分かります。

 

  ある人の言いまするに、デンマーク人は、たぶん世界の中で最も富んだ

民であるだろうとのことであります。

   すなわち、デンマーク人一人の有する富は、ドイツ人または英国人また

は米国人一人の有する富よりも多いのであります。実に、驚くべきことで

はありませんか。



   しからば、デンマーク人は、どうしてこの富を得たかと問いまするに、

それは、彼らが国外に多くの領地を持っているからではありません。 

   彼らは、もちろん広きグリーンランド(*下の写真)を持ちます。しかし、

北太平洋の氷の中にあるこの領土の経済上ほとんど何の価値もない

ことは、何人(なんびと)も知っています。

             Photo_5
                      Photo_7

  彼らはまた、その面積においてはデンマーク本土に二倍するアイスラ

ンド*を持ちます。しかし、その名を聞いて、その国の富饒(ふにょう)の

土地でないことはすぐに分かります。

(*アイスランド―その後、一九一八年、デンマークの主権下に自治

 国家になり、四四年、共和国として完全に独立した。*下の写真)

                    Photo_8
           Photo_9


  他にわずかに鳥毛(とりのけ)を産するファロー島があります。また、

やや富饒なる西インド中のサンクロア、サントーマス、サンユーアンの

三島があります。

  これ確かに富の源でありますが、しかし経済上収支相償うこと少なき

がゆえに、かつては、これを米国に売却せんとの計画もあったくらいで

ります。

  ゆえに、デンマークの富源と言いまして、別に本国以外にあるのでは

ありません。人口一人に対し、世界第一の富を彼らに供せしその富源は、

わが九州大のデンマーク本国においてあるのであります。
 


  しかるに、このデンマーク本国が決して富饒の地と称すべきではない

のであります。

 国に一鉱山あるでなく、大港湾の万国の船舶を惹(ひ)くものがあるの

ではありません。

  デンマークの富は、主としてその土地にあるのであります。その牧場と

その家畜と、その樅(もみ)と白樺との森林と、その沿海の漁業とにある

のであります。

  ことに、その誇りとするところは、その乳産であります。そのバターとチー

ズとであります。デンマークは、実に牛乳をもって立つ国であるということ

ができます。



  トーヴァルセン*を出して世界の彫刻術に一新紀元を劃(かく)し、アン

デルセン(*ハンス・クリスチャン:1805~75:童話「人魚姫」「マッチ売りの

少女」「裸の王様」「みにくいアヒルの子」など多数の名作を創作:下の写真

を出して近世お伽話の元祖たらしめ、キェルケゴールを出して無教会主義

のキリスト教を世界に唱えしめしデンマークは、実に柔和な雌牛の産をもっ

て立つ小にして静かなる国であります。

【つづく】            Photo_10

  (*トーヴァルセン―Berter Thovaldsen(1768~1844) コペンハーゲン

      生まれの彫刻家。神話や古典に財をとり、ローマとコペンハーゲンで

      製作活動を続け、新古典派の代表といわれた。)

(*キェルケゴール―Soren  Kierkegaard  (1813~55) デンマークの

   宗教的思想家。すべての人間的真理、思想は主観的、かつ相対的な

      ものであって、絶対的真理あるいは客観的世界は、ただ質的躍動で

       ある信仰によってのみ達せられる、この信仰はまったく新しいもので

       あって、教会に求めることはできない、とした。

       後の実存哲学、弁証法神学に大きな影響を及ぼした。*下の肖像画)
 

                  Photo

 

 

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