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2012年10月11日 (木)

『消費税増税「乱」は終わらない』を読んで(2)

  対話の第一日目は、「増税のシナリオはどのように準備され実行され

たか」について、主に植草氏による報告(あるいは話)がなされている。

 

  植草氏にとって、終生変わらぬ信念がある。それは”政治において、

最後に判断を下すのは、あくまで国民である”というものである。 

  同氏は言う。 

  「国民にとって一番大事な政策問題について、国会が暴走しても、最後

に判断を示すのは、主権者である国民という基本を絶対に忘れては

ならないと思います」と。Photo

  ここには、国民に対す

る植草氏の”絶対的信

頼”がある。 

  それゆえ、どれほど

時間が掛かろうとも

(無論、早いに越したこ

とはないが)、国民が

に覚醒することを、同氏

は心から願うのである。 

  概して、自らを「エリー

ト」と自負する人々は、

心底で、一般国民や

大衆を軽蔑している。 

 しかし、植草氏は、その豊かな才能の点で、まさに超エリートであるにも

拘わらず、このような視点は、まったく無い。そこが、まさに同氏が限りな

く非凡な点でもある。 

 やはり、これは、同氏が受けた家庭教育や生来の「人間性」に基づくもの

言えよう。 

 

  植草氏の事実認識は、常に冷静、かつ公正だ。彼は言う。
 

  「一般には、民主党政権に期待はしたが国民は裏切られたと言われま

すが、これは事実誤認です。

  そうではなく、二○○九年九月に政権交代は実現したが、この『革命』

政権は二○一○年六月に倒され、守旧政権が樹立されたというのが正

しい。

  菅直人政権、野田佳彦政権は旧政復古政権であり、この二つの政権に

よる施政が国民の期待に反していることは必然なのだと思っています」と。 
           

             
 

Photo_8

                              Photo_11


 この認識は、極めて重要だと思う。

ものごとの真実を衝くとは、まさに、この植草氏の指摘のことを言おう。 

  われわれが深く認識すべきは、2010年6月に、国内で、不当な”クーデタ

ー”が起こったことである。その影の首謀者は、無論、ユダヤ・アメリカである。 

  植草氏も、確信を持って、こう明言する。 

つまり、「アメリカが鳩山政権を潰し、これに代えて菅政権を樹立させたのが 

『知られざる真実』なのだと思います」と。 

それは同時に、国民が真に”知るべき真実”だとも思うのだ。

  無論、他にも「知られざる真実(=知るべき真実)」が存在する。
 

その一つが、名ばかりの「一体改革」であり、消費税増税の本当の理由で

る。

 

  その点について、植草氏の言葉に耳を傾けよう。同氏は語る。 

 「この増税の本当の狙いを一言で表現するなら、『シロアリ増税』ということ

になると思います。 

  どういうことかと言うと、増税の目的は官僚利権を維持するための財源

確保策である。 

  官僚機構にとって何よりも大事な官僚利権を維持するには財源が必要

です。 

このまま財政事情の悪化が深刻化すると、いよいよ官僚利権を切らねば

ならなくなる。そうなる前に、予防的に大増税で財源を確保しておこう。 

  これがいま消費増税を強引に進めている本当の理由だと思うのです」と。

                          Photo_4

  何と言うことだろう! 

だが、これこそが、まさに”知られざる真実(=知るべき真実)”なのだ。

  実際、財務省(*上の写真)は、国内の
中小零細企業(*下の写真)

自営業に対しては、実に冷たい。 

 事実、「消費税増税」は、たいへん冷酷な形で、彼らの事業や生活を直

ることになる。 

      Photo_5

  この点について、対談者の斎藤氏は、次のように語る。 

  「消費税もそうなんですが、中小零細企業の場合、実際は価格に転嫁で

きない、自腹を切るといった大問題があるわけです。 

  これ以上に税率を引き上げられたら、中小零細の企業や自営業は、

みんな潰れます。 

  フリージャーナリストという名の自営業者である自分自身の死活問題で

もありますが、そういうわけで僕は機会のあるごとに、日本経済の全体が

大変なことになりますよって言っている。 

  すると必ず返ってくるのは、自営業は全員脱税してるんだろ、さっさと死

ねっていう反応。これが圧倒的に多いんですよ。お上の思う壺です。

  ほんとに財務省って長いことかけてそういう分断をしてきたんだなと思い

ます」と。

 

  確かに、財務官僚(官僚全体にも言えようが)は、自分たちの権益を守

るために悪知恵を働かせるのは、実に巧みである。 

  この種の才能は、非常に進化・発達(?)している、と言える。 

事実、財務省にとっては、”「損か得か」が(行動の)基準”のようだ。

 

  その点、植草氏の指摘は鋭い。彼は、こう解説する。 

「日本のためとか、国民のためということではまったくありません。 

増税とは彼らにとって、自分たちの収入を意味します。権力の源泉、利権

の源泉なのです。 

  収入の増加は予算配分権の増加を意味します。天下り利権を拡張でき

る財源を意味します。 

  その意味で、彼らは増税を重視するわけです」と。

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  まさに、”本末転倒”、「国民の生活無視」の実態が、そこには横たわって

いる

  また、財務官僚について言えることに、「経済学を無視した財政再建手

順」というものがある。

  その点に関して、植草氏の次の指摘は、非常に有益だ。同氏は言う。
 

  「財政再建を実現するには、構造赤字と循環赤字を明確に区別して、

適切な手順で対応することが絶対に必要なのです。 

  具体的には、まず景気回復を実現させたうえで、無駄な支出カットや

増税などで構造赤字を削減する。その手順を確実に守ることが鉄則な

のです」と。

 

  しかし、現実には、この「手順」が、まったく無視される。そして、政府の

財政・金融政策は、失敗の連続となる。 

  その主要な理由を、植草氏は、次のように説明する。 

 「その大きな理由としてあげられることは、大蔵省=財務省の実権を

東大法学部(*下の写真)出身者が握っているということだと思います。 

  法学部出身者は国家公務員試験の行政職か法律職での採用枠で

採用されて公務員になります。 

  彼らは経済学の専門家ではなく、机の上で財政赤字を減らした予算書

を作ると、そのまま財政赤字は減るものだと勘違いする人々なのです。 

  経済は生きものですが、法学部的思考では、このような融通無碍な

現実を理解しがたいのだと思います。 

  特に東大法学部出身者の多くは天動説的行動様式を取ります。財政

赤字が減る予算を書いて現実に赤字が増えたとき、彼らは予算を書いた

自分が間違ったのではなく、財政赤字を増やした現実が間違ったのだと

考えがちなのです」と。

     Photo_6

  まさに、「不適材不適所」の悪しき現実が、そこには存在する。

それに、「複式簿記」さえ知らない人が、国家財政の根本に関わっている

など、まさに悲劇を通り越して、喜劇に近い。

  概して、経済学や財政学は、政治学や法学、それに社会学と同様、

「社会科学」として扱われ、一様に”文系”として取り扱われる。

  だが、経済学や財政学は、その高度さや厳密性において、実質的に

「理系」の学問ではないか、というのが私の考えである。

  高橋洋一氏のように、単なる〝数学オタク”が、財務官僚になられても

困るが、本質的に文系の法学部(時には、阿呆学部)出身者が、高度な

「財政・金融」問題を扱うなど、土台、無理な話なのではあるまいか。

  正直、日本の財務省など、元来、”モノの理を弁えない”阿呆の集合体

と考えるべきだと思うのだ。



  この財務省の政策の誤りについて、植草氏は、常に“変わらぬ自論”を

展開する。彼は言う。

  「病気で手術するときに、輸血も麻酔も点滴もなしにメスを入れるのなら、

これ手術というより殺人です。

  手術をするにはまず健康診断をし、輸血、点滴、麻酔をして、なおかつ

慎重にメスを入れるべきです」と。 

これ以上の正論は無いであろう。

  だが不幸にも、植草氏の言う「殺人」こそが、まさに、この度の「消費税

増税」なのである。  【つづく】

 

 

 

 

 

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