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2012年10月 9日 (火)

『消費税増税「乱」は終わらない』を読んで(1)

 みなさん、お早うございます。

 今日より、4回の連載で、植草一秀氏と斎藤貴男氏の共著『消費税

増税「乱」は終わらない』 について論じたいと思います。本文は、以下

の通りです。


 植草一秀氏と斎藤貴男氏の共著『消費税増税「乱」は終わらない』

(*下の写真)を、謹んで拝読した。

    Photo

  Photo_2

 

 

                                    Photo_5

   読後、とても清々しい

気分になった。本著は、

”実に有益で、素晴らし

『教科書』(つまり、

必読書)だ”というの

が、私の正直な実感だ。

  本著の他に「教科書」

とも言うべき、日本国民

の必読書があるとする

なら、それは一つに、

孫崎享氏の『戦後史の

正体』(創元社)であり、

もう一つが、森ゆうこ参

議院議員による『検察の

罠』(日本文芸社)であろう。

 

  とりわけ、本著に関して

は、すでに高橋清隆氏に

よる、実に優れた「書評」

が存在する。 

 高橋氏は、 本書の要点を、

たいへん手際よく捉え、まとめ上げている。

  その切れ味の良さは、まるで研ぎ澄まされた名刀のようだ。

  高橋氏はまた、真に勇気ある、まことのジャーナリストでもある。
 

それは、最近の松下忠洋氏の「自殺」(?)事件に関する果敢な取材活動で

証されている。

 

 同氏は、植草氏のことを、「えん罪事件に巻き込まれながら、それを乗り

越えて言論活動を続ける天才エコノミスト」と表現する。 

  私は、この「天才エコノミスト」という表現を、決して大袈裟だとは思わない。 

まったく同感だ。


  正直、私が今まで書いたものは、「書評」に価するものではない。
 

「書評」なら、もっとコンパクトで、書の論旨をより的確、かつ明確に把捉し

たものでなければならない。  高橋清隆氏のそれこそ、まさに「書評」に価す

るものだ。 

 その点、私が書くものは、かなり冗長で、むしろ、「読後雑感」や「解説」

とでも呼ぶべきものである。

 唯、この「読後雑感」こそ、私の文章スタイルなので、どうか、その点

ご容赦いただきたい。


  ところで、植草氏は、われわれが銘記すべき点を、本書の冒頭に記して

おられる。 

 つまり”「乱」はこれからはじまる”と。 

まことに、その通りだと思う。 

  まさに、すべては、これからだと思うのだ。 

本書は、三回にわたる、両者の真摯で、熱のこもった対談をベースに綴ら

れている。

 

  植草氏は、二年先輩にあたる、同じ東京都出身の斎藤氏(*下の写真)

ことを、次のように記している。  

S

  「斎藤さんの魅力は、その精神の強靭さと弱いものに対する愛情だ。

ソフトで温厚で、人を包み込む温かさをたたえているが、不正な力、弱い

ものを踏みつけようとする権力に対しては、渾身の力で立ち向かう。 

  そのうえ、議論をする際に手抜かりがない。徹底的に綿密に、事実を正

確に掴んだうえでものを言う。これに正面から立ち向かえる人はいないの

ではないかと思う」と。

 

  何と温かく、的確な眼差しだろう。だが、これと全く同じことが、植草氏

にも言えると思う。

  両者は、同じような価値観を持ち、心優しい人間性を保持している。 

それゆえ、両氏の「対談」を読んでいると、実に心地よい思いがするのだ。

 

  事実、両者は、社会的弱者に対する慈愛と共感、世の不正を看過でき

ない「正義感」、ものごとに対する卓越した洞察力や分析力など、非常に

共通した特性をお持ちである。 

  その自然のハーモニー(調和)が、読む者に心地よい印象と共感を与える。 

この三回の対談を通して、両者は、互いに学び合い、高め合ったことだろう。 

私の読後の清々しさも、そのような点から来ているように思うのだ。



  高橋氏も指摘していることだが、植草氏は、野田政権の消費増税提案

に反対する理由として、①民主主義のデュープロセスに反している。

②社会保障制度改革が具体化されておらず、単なる増税になっている。

③経済情勢への配慮が欠落しており、日本経済を破壊してしまう怖れが

高い、④日本財政は危機に直面していない、⑤格差が重大な社会問題と

なっているなかで、消費増税は逆進性をさらに進める、ことなどを提示し

てきた。



  しかし、植草氏によれば、斎藤氏の話を聞いて、より重大な問題の存在

に気付いたという。

 つまり、それは、消費税の仕組みそのものが構造的欠陥を抱えている

ということだ。 
                

  他方、斎藤氏は、”怒り            Photo


狂うには狂うだけの理屈

がある”と言う。

   同氏によれば、連中

(*消費増税法案を可決

させた民・自・公の議員

たち)は、権力や巨大資

本に近くない人間一人

ひとりの暮らしを舐めき

っている。

  小の虫を殺して大の

虫を生かす、などという

大層な話でもない。

  ただひたすらに

くだらない手合いどもに

これ以上、世の中を好き勝手に動かされてたまるものか、となる。

  この義憤は、斎藤氏の出自、育った環境、取材活動を通じて得た体験、

そして同氏の価値観や社会観などによって形成されている。


  斎藤氏は、「シベリア抑留」を経験なさったお父様が
帰国後、小さな

鉄屑業を営まれていた姿に、心からの尊敬心と同情、それに共感を

抱いておられたことだろう。

 上記の言葉は、その結果としての、斎藤氏の正直な心の叫びだと思う。

  その斎藤氏が記す。

  「・・・そして植草さんとともに誓いたい。

―消費税増税を潰す。

   何度でも繰り返す。私には伊達や酔狂だけでこうまで宣言する度胸など

ない。後先を考えずに怒り狂うには狂うだけの理屈があ

のだ。

  積年の思いを、少しでも多くの人々に共有してもらうことができたなら、

これに勝る喜びはありません」と。

  本書の具体的内容については、次に譲りたい。 【つづく】

 

 

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