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2012年3月12日 (月)

谷口巳三郎氏のこと(4)

 昨日の3月11日は、東日本大震災から、ちょうど1年でした。実は、

宮城県内に住む家内の親戚も家屋が流され、今も、仮設住宅に住

んでいます。自分たちに出来る限りの支援をせずにはいられません。

 昨年の大震災で亡くなられた方々、また被災された多くの方々に、

心よりお悔やみ、並びにお見舞いを申し上げます。

 

 ところで、拙稿は、谷口巳三郎氏の行動と業績について書いています。

ただ、一昨日、話題にしました内村鑑三の『デンマルク国の話』の中に、

内村の金言とも言うべき言葉がありましたので、本日の冒頭に書かせ

て戴きます。 内村はこう書いています

 「今、ここにお話しいたしましたデンマークの話は、私どもに何を

教えますか。

 第一に、戦敗かならずしも不幸にあらざることを教えます。

国は戦争に負けても亡びません。実に、戦争に勝って亡びた国は、

歴史上けっして少なくないのであります。

 国の興亡は、戦争の勝敗によりません、その民の平素の修養に

よります。

 善き宗教、善き道徳、善き精神ありて、国は戦争に負けても衰え

ません。否(いな)、その正反対が事実であります。

 牢固たる精神ありて、戦敗はかえって善き刺激となりて不幸の民

を興します。デンマークは、実にその善き実例であります。

 第二は、天然の無限的生産力を示します。富は大陸にもあります。

島嶼(とうしょ)にもあります。沃野にもあります。砂漠にもあります。

大陸の主(ぬし)かならずしも富者ではありません。小島の所有者

かならずしも貧者ではありません。善くこれを開発すれば、小島も

能(よ)く大陸に勝さるの産を産するのであります。

 ゆえに国の小なるは、けっして歎くには足りません。これに対して、

国の大なるは、けっして誇るに足りません。

 富は有利化されたるエネルギー(力)であります。しかして、エネ

ルギーは、太陽の光線にもあります。海の波濤(なみ)にもあります。

吹く風にもあります。噴火する火山にもあります。

 もし、これを利用するを得ますれば、これらはみなことごとく富源で

あります。

 必ずしも、英国のごとく世界の陸面六分の一の持ち主となるの

必要はありません。

 デンマークで足ります。然り、それよりも小なる国で足ります。

外に拡がらんとするよりは、内を開発すべきであります。

 第三に信仰の実力を示します。国の実力は軍隊ではありません。

軍艦ではありません。はたまた金ではありません。銀ではありません。

 信仰であります。

 そのことに関しましては、マハン大佐(*アメリカの海軍将校、海軍

史家。「大海軍主義」を唱えた。)も、いまだ真理を語りません。

 アダム・スミス、J・S・ミルも、いまだ真理を語りません。このことに

関して真理を語ったものは、やはり旧い『聖書』であります」と。

 

 宗教、道徳、精神の大切さ、国家の内部開発の重要性、さらには、

万物に宿るエネルギー源など、今、聴いても、実に的を射た名論です。

 これが、1897年(明治30年)での講演で語られた内容とは思えない

”新しさ”があります。正直、内村の”天才”を示す名演説とも言えます。

 

 谷口氏自身、内村や、彼の著作の中に描かれた「ダルガス親子」の

思想や行動に多大の影響を受けたことでしょう。

 その意味で、このデンマークでの2年間は、谷口氏の生涯を大きく作

用する、実に貴重な歳月だったと思うのです。

 その様々な試行錯誤や思想遍歴から得られた結論が、「タイへ渡る」

ことでした。

 これに就きましては、また明日。―    【つづく】

 

 

 

 

 

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