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2012年3月16日 (金)

谷口巳三郎氏のこと(完)

 昨日、提示しました「谷口プロジェクト」の二、三の内容につきま

して、沖村氏は、次のように解説しています。

 例えば、3の「パヤオ農高生の受け入れ」については、次の通り

です。

 「一九九九年からパヤオ農業高校の一年生二十名を全寮制で受

け入れている。

 しかし、タイ文部省からの財政的協力はない。それにもかからず、

ここでの谷口の教育法は、タイ国内の注目を集めつつある。

 広場での朝礼には、農場にいる者全員が集まる。国家斉唱の後、

「三つの誓い」を溌剌と大きな声で唱和する。

 一、私は、家族の希望の星

 二、私は、国の宝

 三、私は、人類の食糧を生産する戦士

 谷口巳三郎のボランティア哲学が凝縮された「誓い」である」と。

 

 実際、教育に関わってみて実感するのですが、高校一年生の青年

男女は、まるで”砂地に水か染み透る”ような時期だと思います。

その彼らに、心からの自信と希望を与えることは、たいへん重要です。

 その点、自らを「希望の星」「国の宝」「食糧を生産を戦士」と高く自

評価できる彼らは、今後、タイ国を支え、指導する大きな力となりま

ょう。まさに、「農こそ、国の根本」だと思うのです。 

 また、沖本氏は、4の「エイズ患者・家族支援」について、こう記します。

 「彼(=谷口氏)は、北部タイの貧しい村や山の中のエイズ患者を、

われ関せずと見捨てることが出来ない。

 臨終を迎えようとしているエイズ患者たちは、枕元に座ってくれている

谷口に合掌し、明るい顔で仏のみ元へ旅立って行く。

 孤独なエイズ患者の心の杖になろう―これは、谷口の菩薩心なので

ある。

 谷口は、毎週木曜日の朝、農場で作っている有機野菜や果物、

卵等をトラックに積んで、国立チュン病院に行く。検診のためにや

ってくる多数のエイズ患者に、それらを無料で配るためである」と。

  

 この谷口氏の姿に、私たちは、マザー・テレサの献身と愛を思い

出します。まさに、ここでの「菩薩心」は、キリスト教でいう「愛(カリ

タス)」通じ合うものがあります。この無心・無欲な献身的な行為は、

宗教の違いを超えるものです。

 先日、私が、日本人の使命を、「菩薩道の実践」と書き、谷口氏の

行為を、その「菩薩道の実践の一つ」だと規定しました時はまだ、こ

「菩薩心」という言葉は、正直、読んでいませんでした。

 谷口氏の行為に対する思いは、私も、沖村氏と全く同じだと感じます。

その沖村氏の著述の最初の所は、1998年(平成10年)の「名誉農学

博士号」の授与式での模様でした。

  

 それについて、沖村氏は、次のように記していました。

  「博士号授与式当日の夜、チェンマイ市内のホテル『ホリデー・

イン』で、盛大な祝賀会が開かれた。その席でも、谷口の体調は、

どん底であった。

 しかし、声にも、姿勢にも、その兆候は微塵も見られなかった。

祝辞、花束贈呈と進み、谷口が謝辞を述べることになった。

 「十五年前に、私は一人で二十キロのカバン一つを持って、バン

コクの空港に降り立ちました。暑い時でした。

 タイには、農村開発と青少年の問題で沢山の課題があります。

一人で考えて、いろんなことを試みました。しかし、これという

成果は上がりませんでした。何も出来ない内に、日本から持参した

退職金は全部使い果たしました。」

 谷口は、淡々と十五年間の苦労を語った。聴衆は、じっと谷口を

凝視する。

 

 「二週間前のことです。昼寝をしていたら、グリーンスネークが、

私の目の目にドタッと落ちてきました。昨年は、コプラが落ちてきま

した。

 人は、『それなら、日本に帰りたいでしょう』と、よく言います。私は、

『ノー』と答えます。病気になった時には、心細くなることもありますが、

私の答えは、『ノー』です。

 私は、七十五歳になりました。日本に帰ろうと思うこともあります。

しかし、今日、タイの国立大学から名誉博士号を戴きましたので、

これでいよいよ帰れなくなりました。」

 谷口のトーンが高くなった

 「地球上の人口は、依然として爆発的に増加しています。食糧を作

るのは誰ですか。それは、東南アジアの農民です。タイの青年諸君

です。今後も、命が続く限り、タイの人たちと手をつないで、タイのた

め、人類のために頑張ります。 

 

 この思いを胸に、谷口氏は、瞑目するまでの歳月を、タイ国の貧し

い人々や病者(特に、エイズ患者)や有為の若者たちのために、全身

全霊を注ぎました。

 この姿は、われわれのお手本(=模範)ともいえましょう。

同氏が、強調したことは「何でも、やってみないと分からない」という

ことでした。

 つまり、飽くなきチャレンジ精神こそ、谷口氏の真面目でした。

また、谷口氏は、タイの若者たちに向かって、常に、こう問い掛けていた

そうです。それは、「君の瞳は、輝いていますか?」というものです。

 さて、年齢的な差こそあれ、今、私たちの瞳は、輝いているでしょうか?

  【了】

 

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