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2011年12月 3日 (土)

日本の天職〔=天命〕について(2)

 ごく大まかに申しますなら、内村鑑三の日清戦争時の「義戦論」から日露戦争期の「非戦論」思想を継承したのは、石橋湛山(1884~1973)の「小日本主義」ではないでしょうか。

 そして、私は、この中間に、大正デモクラシー期の吉野作造(1878~1933)の民本主義や彼独自のアジア理解があるような気がします。因みに、この三者に共通するのは、真摯な宗教心と、公平・無私なる“祖国愛(=愛国心)”だと思うのです。

 また、日本と日本人について論じる場合、われわれ日本国民の精神の内奥に存する宗教心や宗教性を軽視するわけにはいきません。それらは、人間の道徳や徳性にも通じます。それらが今日、最も希薄になっているような気がするのです。

 これに対して、アメリカ(あるいは、ユダヤアメリカ帝国)の一大特徴としての拝金主義は、今日ばかりでなく、すでに百年以上も前の内村の時代にも顕著でした。

 事実、物質文明や科学技術がいかに発展しようとも、人間の飽くなき金銭欲や物質欲などは、そう変わるものではありません。むしろ、それらは、際限なく肥大化するとさえ言えます。

 例えば、今から、ほぼ100年前の1913年、アメリカでは、FRB(連邦準備制度理事会=連邦準備銀行)が設立されました。実は、この私立銀行が、アメリカを不当に支配して、今日に至っています。 

 つまり、アメリカは、この年に、”一度亡んでしまった”と思うのです。と申しますのは、アメリカは、ワシントンが政治の中心地で、ニューヨークが経済の中心地であると一般には考えられています。

 しかし、この年を機に、政治さえも、ニューヨークが中心となったからです。つまり、ワシントンのホワイトハウス(大統領府)は、名実ともに、ニューヨークの国際金融資本家の下部組織となってしまったのです。この上下関係(=支配・服従関係)は、今日も続いています。むしろ、益々、強化されてさえいます。彼らにとっては、金(=資本)の増加と利潤の飽くなき追求のみが、すべてなのです。

 これに反して、愛する日本国の在るべき姿や理想像を、生涯追い求めた内村、吉野、石橋たちにとって、精神と物質は、ほどよく調和していたように思います。

 むしろ、三者にとっては、精神の在り方や信仰こそが第一で、物質的な欲望の満足や地位や名誉の獲得といったものは、実に取るに足りないものだったと思うのです。

 例えば、内村の場合、いかに短文とはいえ、先述した実証的で論理明快な『日本の天職』を、一体、如何なる状況の下で物したかと言えば、それは、実に苛酷な環境下においてでした。

 つまり、本論文を著した前年(=1891年)の1月9日、彼は、世に名高い「不敬事件」に遭遇し、その咎で失職していました。

 それに、過労や心労で自ら病床に臥したばかりか、彼を献身的に看護していた愛妻・加寿子が、突然の死に見舞われたのです。まさに、人生のどん底でした。

 内村は、当時の自らを表して、「闇夜に無く赤子」と記しています。事実、彼は、孤立無援・四面楚歌の状態でした。

 そんな極めて困難な状況の中で、彼は、真正面から堂々と「日本の天職」、つまり日本の在るべき姿や、その進むべき道について論じました。むしろ、彼は、こんな苛酷な状況なればこそ、『日本の天職』を書かずにはいられなかったと思うのです。

 つまり、人間の本質や本領は、様々な逆境の中でこそ、真に発揮されます。真実、人は、闇の中に光を見、絶望や艱難の中でこそ、希望や喜びを見出せるものです。まさに、”苦難を超えて、歓喜に至れ!”なのです。内村を始め三者の生涯は、そのようなものだったと言えます。

 東日本大震災後、日本は、未曽有の国難の中に在ります。とりわけ、TPP問題は、喫緊の大問題です。

 しかし、あの終戦(=敗戦)を体験し、戦後の日本を雄々しく再建したわれらが先達の労苦や献身を思う時、この国難は、きっと克服できると思います。

 でも、そのためには、われわれの一人ひとりが日本国の天命や自らの使命について真剣に模索・検討し、かつ取り組むことが求められます。

 本ブログが、その一助になればと願い、この限りなく壮大なテーマに対して、様々な角度から切り込んで行きたいと思うのです。 【了】

(*後記:ご愛読、誠に有難うございます。尚、明日は休みます。 

      来週は、今、話題のTPP問題について論じる予定です。)

 

 

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