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2011年12月15日 (木)

オバマ政権の実像(3)

 20世紀は、まさに「戦争の世紀」だった。これに比べて、”21世紀は、平和な世紀であって欲しい”と、誰もが、心から願ったと思う。正直、私も、そう願った一人だった。

 だが、世界の人々の切なる希望に反して、21世紀の幕開けを象徴する出来事は、何と言っても、あの「9.11」だった。

 しかし、私は、このような形での21世紀の幕開けを、或る意味、予言する演説が、すでに或る政治指導者によって語られていたと思う。

  その指導者とは、ブッシュ(シニア)大統領、つまりパパ・ブッシュ(1924~)である。

 無論、彼は、事件そのものについては、何ひとつ言及していない。だが、彼は、1990年9月11日(つまり、例の「9.11」の、丁度11年前)、国連の本会議場で、余りにも唐突に、こう語った。

 「今、世界新秩序(New World Order)の必要性が生まれ、また世界は、それを望んでいます」と。

 ところで、ここで、ブッシュの言う「世界」とは、一体、何であろう? 少なくとも、本来、私たちが言う「世界」ではない。むしろ、ウォール街を中心とした超エリートたちの「世界」のことであろう。無論、彼らの中には、ヨーロッパの王族やローマ法王なども含まれていると思われる。

 この他、ある政治指導者が、次のように語っている。

 「多くの国に支持される世界新秩序の構築が急務だ」と。― 

 こう語る政治指導者とは、実は、オバマ大統領である。つまり、彼とブッシュ親子は、所属政党や政治信条が違うように見えて、その深い所では、まったく”同じ穴のムジナ”なのである。

 本稿では、ウェブスター・タープレイ氏の言説を重用している。彼こそは、アメリカ随一の歴史学者である。実は、同氏は、ブッシュ(シニア)とオバマについて、歴史・政治学者の目から観た『非公式自叙伝』を編纂している。

 彼は、パパ・ブッシュについて、フランクに語る。

「1990年9月に、国連で、ブッシュ(父)が演説した『世界新秩序』とは、皆さんには、ピンとこなかったかも知れません。

 『世界新秩序』は、英米による覇権の上品な言い方に過ぎません

つまり、英米による地球規模の独裁です。

 しかし、地球の管理を英米独裁政権でするのでは、世界中誰も賛同が得られませんが、呼び名を『世界新秩序(New World Order)』という“器”にすれば、インドやEUも「俺達にも何か出番があるかも」と思うでしょう。

 でも、そんな事は無いです。

 アメリカ・イギリスによる『世界新秩序』とは、『世界新秩序』=(7つの海を支配した)イギリス+(20世紀に、経済・軍事力による支配)アメリカのことです。

 要するに、古い形の英米による独裁が『世界新秩序』の本音です」と。

 いわゆる、アングロ・アメリカン・ミッションが、今後の世界を牛耳ろうとしているのである。

 それに対して、オバマ政権が、発足当初から加担・協力していることは、まさに自明のことだ。

 それゆえ、「世界新秩序」に関するパパ・ブッシュとオバマの言説がほぼ同一であることは、当然なのである。

 その点では、まさにアメリカの「民主党」も「共和党」も、本質的差異は無い。

両党共、実質的に、いわゆる”財閥党”なのである。

 

 丁度、日本国内で、かつての自民党と民主党(とりわけ、現政権は、まさに「第2自民党」である)が、何ら本質的な差異が無いことと符合しよう。

 実際、日本国民の現政権に対する反感や失望感、さらには”裏切られた”という思いは、殊の外、大きい。

 だが、これは、米国民(とりわけ若者世代)のオバマに対する絶望感に通じるものがある。まさに、今は、Yes,we can !  ではなく、もはや、No,we can't ! なのである。

 それに、アメリカの若い世代の批判は、すでにウォール街に向けられ、国内の“超格差社会”に対する批判精神は、目を見張るべきものがある。

  

 先述したタープレイ氏は、この間の歴史的変動について、次のように語る。

 「ケネディ大統領が暗殺され、ベトナム戦争を行っていた頃までのアメリカは、生産性に長け、世界経済の牽引役でした。

 つまり、大統領の暗殺や1960年代のベトナム戦争の時代を境に、アメリカの権力は、ウォール・ストリートのエリートたちのものとなり、政治に関するすべては、ウォール・ストリート次第となりました。

 その後、栄華を誇ったアメリカは、世界の牽引役から、世界の悪者(=破壊者)に成り下がっていくのです」と。

 事実、タープレイ氏が指摘するように、ケネディ暗殺以来、アメリカ政治は、ウォール街主体のものとなった。

 たとえ、オバマ大統領でさえ、この現実を覆すことは出来ないだろう。なぜなら、彼を世に出した実力者は、ヘンリー・キッシンジャーであり、彼の政治の「師匠」は、誰よりも、あのズビグニュー・ブレジンスキーだからである。

 実は、このような現実の中にこそ、オバマが超権力者(=国際金融資本家)たちの傀儡(あるいは、”操り人形”)にしか成れないという限界が潜んでいる。

 タープレイ氏は、彼の鋭い舌鋒を緩めない。彼は、続ける。

 「オバマの組閣した内閣を見て下さい。すべて、ウォール・ストリートの関係者です。

 このオバマ政権は、ウォール・ストリートの、ウォール・ストリート支配階級による、ウォール・ストリートのための政治です。

 閣内には、重工業、自動車、シリコンバレーなどの生産活動の関係者は無論のこと、石油、軍需産業からも参加者は無く、労働組合、福祉、女性、退役軍人、中小企業関係者など、金融界以外の大臣は、一人もいません。

 オバマのアドバイザーというアドバイザーのすべては、ウォール・ストリート関係者という徹底ぶりです。

 金融関係者のみがホワイトハウスに出入りができる、最も異常とも言える金融一辺倒の政権です」と。 

 まさに、「Obama Deception(オバマ 幻影)」なのである。私は、この題名を、「幻想としてのオバマ」とさえ意訳できるのではないかと思う。

 あくまで、それが“幻想”である限り、われわれは、たとえ異国人(=日本人)とはいえ、オバマ大統領に希望も期待も、さらには夢さえも抱けないと思うのだ。 【つづく】

 

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