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2011年12月

2011年12月30日 (金)

オバマ政権の実像(14)

 次に、「連邦準備銀行(FRB)」について論じたい。

この組織の本質について、歴史学者のタープレイ氏は、次のように

語る。

 「多くの市民は、連邦準備銀行が政府機関の一つと考えて

いるようですが、本当は、そうではありません。

 連邦準備銀行の職員は、選挙で信任されていない、秘密裡に

選ばれた銀行マンです。

 その多くは、特別に上院議会で厳しく質疑・任命を受けたわけ

ではないので、非常に怪しい人たちなのです。

 勿論、彼らは、連邦準備銀行は、政府組織だと言い張るでしょう。

しかし、それは、明らかに幻想であり、真実とは異なります。

連邦準備銀行は、単なる私的銀行に過ぎないのです。

 彼らは、まるでハイエナのように忠実ですが、残念ながら、

決して市民(=国民)のためではなく、むしろ、ウォール

ストリートのために命を燃やします。 

 事実、ほとんどの職員が、金融街出身なのです」と。

 

 また、アメリカ国内で著名なオピニオン・リーダーの一人でもある

ヒップポップアーティストのKRS-ONE氏の舌鋒は鋭い。

 彼は言う。

 「皆さんは、この不況の中、オバマさんに注目して、彼が、

何とかしてくれると思っているでしょう。

 それで、不況だけど頑張ろう! とか、一緒に頑張ろう!とか

言っている。

 でも、一生懸命に努力しても、オバマは、”経済”とは、

ほとんど関係が無いんだ。

 むしろ、連邦準備銀行のFRB議長が重要で、彼こそが、

政策を作る心臓部なんだよ。

 私的企業の連邦準備銀行、こいつらが、アメリカの本当の

政策を作るんだよ」と。

 

 さらに、本稿のベースである『OBAMA  DECEPTION(オバマの幻影)』

の製作者であるアレックス・ジョーンズ監督は言う。

 「ココ(連邦準備銀行)で働いているヤツラは、連邦政府所属と

語っているが、真実は、国際私的銀行団です。

 つまり、持ち株会社の国際版。―  連邦と言っても名ばかりの

隠れ蓑。―

 (近くの銀行・・・・*テキサス州・ダラス連邦準備銀行を指差して)

この銀行も、(私的)国際銀行団の一角です。

 実際、この事実は、国会答弁にも記録され、コイツラが、

経済恐慌を生み出した張本人だから、それを非難するために

集まったんだ」と。

 

 同銀行の前での「連邦準備銀行・廃止」のデモ隊の中に、著名な 

下院議員ロン・ポール氏の兄(ワイニー・ポール氏)がいた。 

彼が、群衆に語った内容は、実に興味深いものだった。

  彼は言う。

 1913年に議会を通過・成立した連邦準備法(アメリカ中央銀行

システムの設立法案)ですが、その時に、下院議員の出席者は、

たったの3人でした(*その時は、「クリスマス休暇」で、ほとんどの議員が、 

ワシントンを離れ、地元に帰っていた。その“間隙”をぬった蛮行 

だった)。

 当時は、法案を成立させるのに必要なのは、過半数でした。

どれだけバカげているか分かるでしょう。

 そういう状況で出来たのが、1913年の「連邦準備法」です。

「連邦準備法」が出来て20年後の1933年、ルーズベルト大統領

は、”アメリカの破産”を宣言しました。

 その時、連邦準備銀行は、アメリカ政府に借金の形(かた)を

要求しました。

 連邦準備銀行曰く。「アメリカよ、担保に何を差し出すんだね?」

と。

 さて、皆さん、1936年に、何が起こったか知っていますか?

1936年に、「社会保険制度」を確立しましたね。

 政府は、事もあろうに、貴方、私そして、子供、孫、未来に

わたる「社会保障」を、借金の形(かた)にしたんですよ!

 そして、今のような悲惨な状態にあるのです。

 連邦準備銀行が設立してから20年で、アメリカは破産し、 

事実上、(中央銀行が操る)緊急危機政府に政権を委ねざるを

得なくなりました。

 事実、アメリカは、大統領が指揮を執っているわけでは

ありません。

 財務長官が連邦準備銀行から出向し、この悪の組織が、

アメリカを追い込んでいくのです。

 以上のようなわけで、以来、私たち(=アメリカ国民)は、

”破産の国”で生活しているのです。

 ですから、7000億ドル(56兆円)もの緊急支援のお金が行方

不明となり、盗んでも、誰も捕まらないわけです。

 現在の話に戻ると、連邦準備銀行が、”経済の破綻”を指示

したのです。

 「破産させろ!」って、彼らが言うような事情で、「今の不況が

有るのです」≫と。 

 

  下院議員のロン・ポール氏は、現代アメリカで不可欠な政治的逸材

だが、そのお兄さんワイニー氏も、現代アメリカの良識とさえ呼ぶ

べき傑物だ。

 だが、今、非常な危機に在るアメリカの民主主義が、このような

心有る市民の一人ひとりによって支えられているのも事実である。

 【つづく】 

 

 (*追記:ご愛読、まことに有難うございます。

       明日より、1月3日まで、休みます。

       皆様、どうか、よい御年を!)

 

 

 

 

 

 

2011年12月29日 (木)

オバマ政権の実像(13)

 次に、アメリカ国内の経済問題とオバマ政権の関係について論じたい。

就任から3週間経ったオバマ政権は、実に質(たち)が悪い出鱈目な

発言をした。

 彼は、巨大銀行が緊急援助資金を浪費することを批判した。

しかし、彼が公に批判した、その緊急援助資金を立案したのは、

オバマが任命した大統領補佐官のラム・エマニュエル(元ウォール

ストリートの敏腕)だった。

 つまり、二人は、「タテマエ」と「ホンネ」の立場で、上手く

”役割演技”をしたのである。

 

 確かに、オバマは、巨大銀行の醜態を隠そうとせず、大統領令を

発動し、政府援助を受けた銀行取締役らの報酬の上限を法律で

縛った。

 しかし、この大統領令には、二点ほど、抜け道が用意されていた。

一、今後の銀行に対する緊急援助のみに適用(既に受けた

  援助は適用外)。

二、その報酬上限の設定も、自己申告によるもので、法的

  拘束力が無い。

  何と欺瞞的なザル法だろうか! 

 

   オバマは言う。

 「国民は、銀行の違法とも思える浪費に怒り、また怒りを感じて

当然だ! なぜなら、失策の上に、ボーナスまで税金で賄われて

いるのだから」と。

  しかし、当時のニュース・キャスターの言葉が残っている。

 「今回支援を受けたAIG、バンクオブアメリカ、シティグループ

ですが、今回の大統領令によるボーナス制限の適用外で、

今後、新規に政府から支援を受ける銀行のみ、(大統領令が)

適用されるようです」と。

 また、「しかも、それ(資金の用途について)は、自己申告制

で」と。

 まるで、”有って無きが如し”大統領令である。

しかし、これが、オバマ政権の実像だ。

 ブッシュの時代と、何ら変わらない。むしろ、善人ぶっている分、

オバマは、はるかに悪質である。

 

   また、次のようなこともあった。つまり、報道関係者が、たいへんな

事実を伝えたのだ。

 つまり、最初の銀行救済法案が通過してから1ケ月後、既に

5兆ドル(350兆円)を超える資金が、財務省から消え去っていること

を。―

 また、2008年12月の時点では、銀行救済と銘打った資金は、

8.5兆ドル(680兆円)を超え、それらが、見事に盗まれてしまったのだ。

 民主・共和両党の幹部は、この件に関して、堂々巡りを繰り返し、

資金の行方を真剣に討論する気は、さらさら無かった。

 信じられないことだが、これが、今日のアメリカ政治の現実だ。

 

   これに対して、一般市民は、「END of   FED!(連邦準備銀行を

廃止しろ!)」「END of   FED!」「END  of   FED!」と叫んだ。

 思慮深いアメリカの活動家は、38ヶ所の政府機関と(事実上)私企業

である連邦準備銀行の前に集合し、アメリカ経済を破壊した中央銀行

制度を非難した。

 そこで、彼らは、口々に叫んだ。

 「バーナンキ(FR議長)を逮捕しろ!」「ポールソン(前財務大臣)を

捕まえろ!」「救済金を盗んだすべての銀行マンを捕まえろ!」と。

 これらの呼び掛けに対して、周囲の人々が応える。

「そうだ!」「そうだ!」と。

 

 アメリカ国民の素晴らしさは、政府の要人や大資本家たちの欺瞞や

悪行に対して、決して怒りの精神を失わないことである。

 果たして、われわれ日本国民に、これほどの正義感と反抗の

パワーが有るだろうか?  【つづく】

 

 

 

2011年12月28日 (水)

オバマ政権の実像(12)

 このオバマの暴挙を、ロサンゼルスタイムの記者は、「秘密裡の

誘拐の継続」と書き立てた。

  未来政治学者のセレンテ氏は、正直に嘆いて言う。

 「有権者たちは気がついていない。オバマはグァンタナモ

強制収容所の閉鎖を指示したが、実際のところ、収容所に

収監された人々は、どことも知らない第三国に移動させられ、

その土地で拷問を受けているということを。―

 また、収容所内で拷問する人々が、その土地の法律を

しっかりと順守しているかどうかなど知る由もない」と。

 

  実は、オバマは、非合法の容疑者収監のみならず、秘密の収容所を

建設した。

 そして、最も問題があるのは、容疑者たちは裁判の機会も与えられず、

ただひたすら、彼らを無期限に(=死ぬまで)拘留することである。

 この件に関して、イギリスの高等裁判所は、米英の管理下で、執拗に

容疑者への拷問が行われ、しかも、それがブッシュ大統領のお墨付きで

ある、ということを公表しようとした。

 

 しかし、オバマは、この裁判所の動きに対して、”英国とのスパイ

および国防の情報交換を、今後拒否する”と脅しをかけたのだ。

 その上、彼は、”極秘での拉致”と”非合法な拷問”は、国を守る

上で必要な事だと、イギリスに伝えたのである。

 オバマは、ブッシュの悪行を支持するだけでなく、継承して

いるのである。

  

  先述したセレンテ氏は言う。

 「オバマは以前、愛国法の撤回に賛成していましたが、

彼の本当の立場は、決してそのようなものではなく、必要ならば、

拘留者を移動し、真実を得るためといった正義(?)のもとに、

拷問も辞さないといった、とんでもないものでした」と。  

 

 オバマの最大で、余りにも酷い嘘を、もう一つ挙げたい。

オバマは、大統領選の目玉の公約として、議案院外陳情者 

(いわゆる、ロビースト)と政治献金団体を政権内から排除する

ことを約束した。

 ところが、見事なことに、大統領就任後数時間で、180度の転換を

果たし、ホワイトハウスと新政権の大臣のポストは、ロビーストと

大口献金者で溢れ返った。

 例えば、オバマは、国防大臣の次のポストに、何と防衛関係トツプ

のロビーストRaytheon(武器製造の、アメリカ国内最大手)から、

ウィリアム・リン氏を任命した。

 加えて、駐日大使となったジョン・ルース氏は、オバマの古くからの

友人で、大統領選挙では、オバマ陣営の資金調達を担い、およそ

50万ドル(約5000万円)以上の資金を集めて、オバマ大統領誕生に

大いに貢献したと言われる。

 ルース氏は、政治・経済に明るいというより、むしろ法律の専門家

なので、TPPを目しての「布石」だったと思われる。

 

 また、財務大臣のティム・ガイトナーは、財務省の役人ポストを、

金融街のロビーストで埋めた。例えば、ゴールドマン・サックス出身

のマーク・パターソンを、財務大臣の補佐官に指名した。 

 さらに、オバマは、サウジアラビアの王室の代理人であるジョージ・

ミッシェルを、中東特別顧問に任じ、ウォール・ストリートで有名な

ロビースト、リオン・パネッタを、何とCIAの長官に任命した。 

 そればかりか、米国保険社会福祉長官に、これまた製薬会社の

大口献金者のトム・ダシェルを任命したのである。  

 

  このように、オバマのアメリカ国民への公約は、無残にも破られ、

ただ嘘つきのリストが、無限に増えていくだけだった 【つづく】

 

2011年12月27日 (火)

オバマ政権の実像(11)

  オバマ政権の「外交政策」について、付言したい。

 オバマは、アフガニスタン派兵の他に、伝統的な「外交政策」として、

東欧にミサイル防衛計画を、ロシアに向けて画策した。

 つまり、アメリカは今、ロシア国境にプレッシャーをかけ続けているのだ。

 

  次のものは、歴史学者のタープレイ氏の言だ。彼は、言う。

 「アメリカ政府は、IMF-NATOスパイとも言えるユーチェンコ

クライナに張り付け、グルジアにはサアカシュヴィリを、ポーランドには、

カチンスキー双子兄弟、そして、ラトビア、リトアニア、エストニアまでも

親米派の傀儡政権を仕組み、ロシア包囲網をめぐらしています。

 そして、ひと声掛ければ、直ぐにでも戦争を始め、最悪の場合、核兵器を

巻き込んだ第三次世界大戦にも拡大しかねません。

 かつて、ネオコンたちが描いたシナリオよりも大規模で、前政権が

成し得なかった事を、オバマの支援者であるブレジンスキー

ジョージ・ソロスは、いとも簡単にやってのけたのです」と。

 

  ところで、オバマは、大統領を宣誓するにあたり、ブッシュが提唱した

「愛国法」を撤廃すると約束した。

 しかし、実際には、正反対の”継続”を支持した。

 彼はまた、かつて(=上院議員時代)は、政府が電話を盗聴可能に

する法案に反対したが、現実に大統領の座に就くと、ブッシュ政策の

継承つまり「盗聴の容認」の立場をとった。

 

 タープレイ氏は言う。 

 上院時代のオバマは、政府が電話を盗聴する

法案は違法で、どんな手段を取っても阻止するといきがっていて、

『電話会社の権利を守る』と豪語していました。

 でも、結局は、賛成票を入れたのですけどね(笑)」と。

 

 セレンテ氏も、悲しそうに語る。

 「多くの市民は知らないでしょうね。オバマが、愛国法電話盗聴

対して支持する票を入れたことなど。」

   

  また、経済学者のハンフリー氏は、言う。

  「オバマは、以下の事を約束しました。

 例えば、『中東に和平をもたらす』 『財政を、市民に公明正大

 に行い、予算で赤字を増やさないようにバランスに注意する』

 『政治資金を提供している、議案院外陳情者(いわゆるロビースト)

 を排除し、不正の無い政権をつくる』 『環境重視の政策をとる』

 などです。

  しかし、どれをとっても、就任から1ヶ月経ったオバマは、

 嘘つきで、正直、失望と裏切り行為の連続です」と。

 つまり、これらの約束は、ことごとく破られたのである。 

  

 アメリカだけでなく世界中の”希望の星あったオバマ大統領は、

”本物”で”やり手”だと期待された。

 だが、グァンタナモほか秘密刑務所の閉鎖を、就任1週間目に、

大統領令に署名したオバマだったが、実際、オバマの署名した

法律を見たメディア関係者は愕然とした。

 なぜなら、それは、グァンタナモ強制収容所の閉鎖の確約ではなく、

閉鎖を、この一年間で考慮するというもの であったからだ。

 また、一番の問題点は、今まで通り、令状なしに逮捕(=愛国法)

続けるというものだった。 

 何という欺瞞であろうか。

 

 だが、これこそ、オバマ政権の実像の一断面なのである。 【つづく】

 

 

2011年12月26日 (月)

オバマ政権の実情(10)

  先述したジョージ・ハンフリー氏は語る。

 「選挙民にとってオバマは身近で、口調も優しく、頭も切れ、平和主義っぽく聞こえ、 

カリスマに満ちた、信頼を得やすい存在でした。

 でも、果実の樹というのは、どのような身が成るのかが問題で、見掛けは関係ないです。

    オバマの演説を、よく分析してみて下さい。 

 聞こえのよい約束。ロックンロールのように元気のよいスローガン。

 でも、そんな事は、どうでもいいことです。重要なことは、これから 

彼が何を実行するかです。 こそがすべてです」と。

 まさに、頂門の一針とも言える寸言ではなかろうか。

 

 また、歴史学者のタープレイ氏は、言う。 

 「オバマを支持した人々の心情の一つには、ブッシュ、チェイニー、

ネオコンらの共和党が促進した警察国家体制と経済に対する失策

への裁きとも言える思いから、票を投じたのでしょう。

 もう一つには、ブッシュがアメリカを世界恐慌に追いやっていくのに

対する反対票でしょう。

 確かに、ブッシュは、フーバー大統領に匹敵するほどの経済悪者でした。

 市民の最大の悲劇は、強調しますけど、オバマの登場は、

影の政府が30年かけて用意した力作で、残酷な天使で、一見、

救いの神に見えますが、市民の最後の望みを絶つ存在です。

 詐欺師。そう、単なる嘘つきです。

 オバマは、市民と約束した事は、ことごとく破っていくでしょう。

 本当に、見るに耐えないです。

賢い市民が、メディアの幻想によって、何度も何度も騙されているのがー」と。

 タープレイ氏の言葉は、続く。

 「市民奴隷化政策の始まりは、9・11事件に遡ります。

9・11事件の惨状を目の当たりにすることにより、通常の精神状態を 

逸脱した市民は、すべてを政府の意向に従う免罪符を与え、気がついた

時には、ブッシュは大嘘つきで、経済状態は、どうしようもないほど悪化し

ていました。

 そんな状況下、ブッシュの悪政、市民が搾取されていることを訴え、

みごと当選、オバマ政権が発足しました。

 世界は、狂人大統領から権力を市民へと奪い返した事にほっとしていました。

しかし、実際には、悪夢が続くのです。

 オバマは、すでに悪名高い嘘つきです。彼は、イラクからの撤退を

約束しましたね?

 その後、16ヶ月後に撤退とか変更しましたよね。

(ある女性官僚による)内部情報では、オバマは、絶対撤退しないよ

聞きましたけど、やはり、その通り、オバマは、イラクからの軍の撤退

には、今でも着手していません。

 (大統領選挙中)オバマは、何十回にもわたって、イラクからの撤退を

就任以後6ヶ月以内に完了すると明言してきました。

 しかし、実際、大統領になると、公約は違ってきました。一部の軍隊を

16ヶ月以内にアメリカに戻すかもと、また発言の2週間後には、再度

発言を修正し、23ヶ月後に撤退する案を提出するかもと、たいへんな

変わりようです」と。

 確かに、軍の問題は、早急な計画変更は無理であろう。

唯、このオバマの変心や「公約違反」には、政治家以前に、

一人の人間としての誠意が、まったく感じられない。

 この点では、セレンテ氏も、オバマに対して手厳しい。彼は、言う。

 「思い出して下さい。オバマ曰く。「もし、私を大統領にしていただければ、

就任初日に、イラクから撤退する」と。

 彼は言いました。「イラクには、軍を使って解決するような問題は、

初めから無かった」と。

 「ですから、すぐイラクから早期撤退させる」と。

 そして、その公約は、16ヶ月後にと変化し、その上、アフガニスタンに、

3万人以上の派兵を増加しました。

 3万人以上の海兵隊部隊をアフガニスタンに派兵ということは、

現に駐留している部隊を2倍にすることになります」と。

 

 ハンフリー氏やタープレイ氏、さらにはセレンテ氏などの、心有る

アメリカの有識者たちが共通して抱いている「オバマ」観は、

同氏が、信頼に足る大統領ではないこと、また、彼の政治行動は、

すべて”影の権力者”たちによって支配・操作されていること、

さらには、その支配・操作する対象(あるいは”作品”)として、

オバマ氏は最高傑作であることが明らかにされている。

 では、その他、オバマ氏、並びにオバマ政権には、一体、どんな側面が

あるのだろうか?  【つづく】

 

 

2011年12月22日 (木)

オバマ政権の実像(9)

 経済学者で、著名な作家でもあるジョージ・ハンフリー氏は、「ビルダーバーグ」について、次のように語る。

 「影の支配者たちは、エリート集団を形成し、世界統治を目指しました。そのエリートというのも、単なる億万長者では、ビルダーバーグなどの集団には参加できません。

 実は、数兆円単位を簡単に動かせる人のみが選ばれるのです。これは、単なる格差社会のゆがみではなく、極々少数精鋭の悪徳金融エリートによる地球規模の圧制と一般市民の生活の破壊です」と。

 ハンフリー氏は、続ける。

 「実際、オバマが任命したすべての閣僚は、”現状維持”に固執するグループで、これらの人々は、われわれの経済を破壊するために召集されました。

 全てのオバマの閣僚は、アメリカの民主主義を破壊し、憲法を形骸化していくのです」と。

 これも、随分と厳しい「オバマ政権」観である。だが、ハンフリー氏は、その短い言葉で、同政権の本質を穿っていると思う。

 先述した未来政治学者のセレンテ氏は言う。

 「オバマのいう改革で任命されたエリートたちを見て下さい。今ある不況を打破しようとするメンバーを!

 ラリー・サマーズ。信じられませんよ!

 彼は、いつもメディアで、世界で最も優秀な経済学者として持ち上げられています。 天才、秀才!とね。

 彼はですねぇ、1930年に大恐慌の引き金になった反省から、銀行業務の預金・投資の分離を義務づけた法律「Glass-Steagall Act」(1933)を破棄して、今の状況(=不況)をつくった男ですよ!」と。

  セレンテ氏は続ける。

 「今まで散々、アメリカ経済を壊してきた、その同じ人たちが、オバマの主要内閣にいるのです。  

 考えられますか? ガイトナー財務長官!

 ガイトナーは、ロバート・ルービン元財務長官(ゴールドマン・サックス出身)の秘蔵っ子です。

    彼はまた、ラリー・サマーズから非常に強い信頼も得ています。

 そのガイトナーは、金融街が暴走しないようにと作られた法律を、ことごとく破壊しました。

 彼自身、現在の不景気の設計者(?)で、前ニューヨーク中央銀行の理事でした。

   そんな彼が、今やわれらの財務長官!?

 ”いい加減”にも程がある!

  FED(米中央銀行)は、国有というのは名ばかりで、完全な私立(あるいは、私有)銀行です。

  その無責任のガイトナーが「財務」を仕切るって?

 完璧に、ウォール・ストリートの金融街が、政治構造を乗っ取りましたね」と。

  因みに、オバマ政権の主要閣僚の背景(=履歴)は、次の通りである。

財務長官 ティム・ガイトナー

 (ビルダーバーググループ・日米欧三極委員)

国務長官 ヒラリー・クリントン

 (ビルダーバーググループ・外交問題評議委員)

 *彼女は、日米欧三極委員会のメンバーであるビル・クリントンと結婚

国務副長官 ジェームズ・スタインバーグ

 (ビルダーバーググループ・日米欧三極委員・外交問題評議委員)

国連大使 スーザン・ライス

 (日米欧三極委員)

大統領補佐官 ジェームズ・L・ジョーンズ

 (ビルダーバーググループ・日米欧三極委員・外交問題評議委員)

大統領副補佐官 トーマス・ドニロン

 (日米欧三極委員・外交問題評議委員)

大統領補佐特別顧問 ヘンリー・キッシンジャー

 (ビルダーバーググループ・日米欧三極委員・外交問題評議委員)

経済復興会議議長 ポール・ボルカー

 (ビルダーバーググループ・日米欧三極委員・外交問題評議委員)

国家安全保障局長 デニス・C・ブレアー(海軍所属)

 (ビルダーバーググループ・日米欧三極委員・外交問題評議委員)

かつての国防長官 ロバート・ゲイツ(*すでに退任)

 (ビルダーバーググループ・日米欧三極委員・外交問題評議委員)

大統領相談役 アラン・グリーンスパン

 (ビルダーバーググループ・日米欧三極委員・外交問題評議委員)

国務省特別相談役 リチャード・C・ホルブルック 

 (ビルダーバーググループ・日米欧三極委員・外交問題評議委員)

 すべて、オバマの指名した人々の背景(=履歴)は、同じものが続いている。 

 これが、オバマ政権の実像の一断面なのだ。

 

 万が一、オバマ大統領が人間的にも”できた人”で、素晴らしい人であったとしても、彼は、 

世界新秩序を遂行するメンバーに支えられて大統領に選出されたのだ。

 それゆえ、われわれは、オバマという”操り人形”に注目するのではなく、むしろ、影の政府は 

 変わらず、市民(=国民)が奴隷化される日が一歩一歩近づいていることを認識すべきである。

  われわれは、その点で、次のセレンテ氏の言に耳を傾けるべきだ。彼は言う。

 「人間というのは、どこまでおバカで、いつまで、このような政治家たちを信じて生きている

のでしょうか?」と。

 だが、果たして、おバカなのは、アメリカ国民だけなのだろうか?  【つづく】

 (*後記:ご愛読、誠に有難うございます。明日より3日間、休みます。

       皆様、どうか有意義で楽しい連休を!)

2011年12月21日 (水)

オバマ政権の実像(8)

 プロフェスサー・グリフィス氏の言葉は続く。彼は言う。

 「だから、今回のChange」は、市民生活をよくする変革ではなく、むしろ、エリートたちが、これから世界を統治するのに必要な変革のことを指しているのです。市民は誰も、オバマ政権の政策を直視していません。

 オバマ氏は、綺麗なネクタイや心地よい笑顔、(実質のない)聞こえのよいスローガンを繰り返し、市民に好印象を植え付け、中流生活の代弁者として政権を操り、市民(=国民)を、騙していくのです」と。

 ところで、1961年に書かれた書物「With  No  Apologies」で、日米欧三極委員会ビルダーバーグの役割の位置づけが、次のようになされている。

 バリー・ゴールドウォーター上院議員(*1964年の米国大統領選挙での共和党候補。民主党のリンドン・ジョンソンに敗北)によると、「日米欧三極委員会目的は、多国籍経済力の統合を目指し、主に巨大銀行の世界覇権により、アメリカの政治介入を弱めることにある。

 そして日米欧三極委員会の第二の目的は、タイミングのよい世界支配の促進によって、政治・財政・知識人および宗教(キリスト教)の関与を弱体化させることである。

 さらに、日米欧三極委員会の第三の目的は、銀行を中心とする多国籍経済グループが事実上、世界を掌握し、今、政治家が動かしている政治の世界よりも、銀行エリートが上の存在になることである。

 そして、そのエリートたちが、新しい世界の青写真を作っていく。

 ビルダーバーググループの役割は、これから進めていく「世界支配」の立案・実行命令を決議し、さらにビルダーバーグで決議された懸案は、日米欧三極委員会に持ち込まれ、欧米・アジアなど各国で順次、執行されていきます。

 「外交問題評議会(CFR)」の役割は、主に、アメリカ国内で、日米欧三極委員会が提示したアジェンダを執行する立場で、外交問題評議会のメンバーは、歴代大統領(ルーズベルト大統領以来)の内閣および、その重要なポストを、ほとんど独占しています」と。

 歴史学者タープレイ氏は語る。

 「エリート集団の決定方式は、現地主義により”選ばれた少数精鋭のエリート”によって決議されています。

 そして、そのエリート集団は、すべて金融出身です。

 このエリート集団は、昔のような、軍の上層部・影響力の強い聖職者・官僚・扇動政治家などは一切排除し、銀行・金融エリートのみでやっています。

 銀行エリートは、ビルダーバーグのような組織を作り、世界征服を進めていくのです

 この方式は、王立国際問題研究所(=イギリスのシンクタンク)やボーア戦争前のミルナー・ラウンドテーブル(*ロンドンのロスチャイルドの命を受けてアルフレッド・ミルナーが設立。オックスフォード大学出身の優秀な学生をリクルートした)も同様です。

 第一次世界大戦前、英国では、すでに円卓会議(=シンクタンク)が作られ、知的集団の収集・著作・セミナーなどをしながら、シンクタンクをモデルに政策を立案していくのです。

 とりわけ、オバマ政権では、ビルダーバーググループ・日米欧三極委員会・外交問題評議会出身メンバーが、殆どの重要ポストを占め、ブッシュ政権下の日米欧三極委員会・外交問題評議会のメンバーの後釜になっています。

 それにしましても、アメリカの支配階級を並べてみると、どうして、こうも使えなさそうな、がらくたの集まりで(*日本政府も、まったく同じだが)、救いようがないです。本当に、絶望的なリーダーたちです。

 腐ったリーダーたちのせいで、私たちは不幸になっています。その現状は、クリントン、ブッシュ、今現在オバマにまで至っています。

 しかし、何も変わっていないのは、このリーダーたちを操るエリートの存在で、その上、この狂人エリートの政策は最悪で、市民生活をどん底に叩き落とすことを目指した政策なのです(*日本財務省主導の野田政権の政策も、全く同様である)

 エリートたちは、武力で築いた昔の覇権者アメリカの存在を使い、ウォールストリート金融街が目指す世界征服のシナリオは、世界金融機関による市民の富の略奪システムを、アメリカの外交政策という形で行うために、金融エリートは、政治を、ハイジャックしました。

 ですから、政治を市民(=国民)の手に戻すには、まず、金融エリートを排除しなければ、話は前に進みません。

 排除した時点から、アメリカの繁栄や世界の平和など、初めて議論することができるのです」と。

 これは、ある意味、「理想論」かも知れない。だが、今日の国際政治の本質を掴んでいることも事実だ。われわれは、その点を大いに学びたい。

 また、オバマ政権の限界は、それ以上に、日本政権の限界でもある。まさに、その関係は、合わせ鏡のようなものだ。その点も、より深く考察すべきだと思うのだ。  【つづく】

 

 

2011年12月20日 (火)

オバマ政権の実像(7)

 2008年6月、或る内部情報によると、ビルダーバーグの意向では、オバマをアメリカ大統領に選出することが決められた。

 確かに、実際の選挙では、オバマとジョン・マケイン(共和党大統領候補)との勝負は、2008年11月4日についた。

 同日、オバマは、選挙人合計365人を獲得し、173人の獲得数だったマケインに勝った。まさに、結果は、ダブルスコアーの圧勝だった。

 周知のように、表向きは、選挙を通じての完勝だった。だが、その5ヶ月前に、オバマは、すでに世界の権力者たちによって太鼓判が押されていたのだ。

 無論、民主党の対立候補だったヒラリー・クリントンも納得ずくのことだった。この事実は、非常に大きい。

 ところで、ユダヤ系エリートに支配されたメディア各社は、ビルダーバーグ会議が開催されるのと同じ週末に、オバマが、シカゴで、大統領選の第一歩を飾る遊説を行う計画だと報道した。 

 その場所は、かつて、リンカーンが、大統領選挙の際、第一声を上げた、由緒ある所だった。

 

 しかし、オバマは、実際、シカゴへは行かなかった。むしろ、彼は、それをドタキャンして、ビルダーバーグ会議に出席したのである。その時、実は、ヒラリーも一緒だった。づまり、二人が「政敵」というのは、あくまで表向きのポーズなのである。

 その会議場は、ワシントンDCに近い、ウェストフィールド(West   fields)のマリオネットホテルだった。二人にとってそこは、移動に容易な場所だったと思われる。

 世界の影のエリートたちは、このビルダーバーグ会議を秘密裡に行おうとして、常に全力を尽くしてきた。

 というのも、もし一般市民に、このような会議の存在が公開されてしまうと、一部の有力者によって世界が左右されることが明白となり、強い反発が予想されるのである。

 フリーのジャーナリスト、ジム・タッカー氏は言う。

 「極悪人を世間に知らせることは、我々の使命である。

 国家公務員が世界情勢に関する事柄を決めるのに対し、秘密裡に、海外および個人と会議を開くこと自体、完全に法律違反です。

 米国務省・財務省・ホワイトハウス・国防省ほか多数の関係者が、いつも、この非公開の会議に参加し、法律違反と知りながら、海外のエリートたちと、「アメリカの外交」について決議するのです。すでに、会議に参加する時点で、十分犯罪行為です。 

 ですから、すべての新聞記者、メディア関係者は、この卑劣な犯罪行為を、公に報道する義務があります」と

 2008年のアメリカ大統領予備選は、ビルダーバーグの秘密会議を隠す格好の材料となり、選挙に注目を集める最中、アメリカの将来は、エリートによる秘密会議で着々と決められていた。

 歴史学者のタープレイ氏は言う。

 「ビルダーバーググループは、元々ナチスドイツ出身ベルナード・オランダ皇太子の尽力によって発足し日米欧三極委員は、デビッド・ロックフェラーとズビグネフ(あるいは、ズビグニュー)・ブレジンスキーが幹部となり発足しました。

 彼らは、カーター政権の影の指導者であり、カーターは勿論、モンデール、ボルカー、ブレジンスキーなど主要閣僚は、ほとんど日米欧三極委員会で賄われていました」と。 

 確かに、オバマ政権の閣僚も、本質的には、カーター政権と全く変わらない。むしろ、より濃密、かつ高度になったとさえ言えよう。

 換言すれば、それは、ビルダーバーグの影響を、より強く受けた政権だと言える。

 ところで、売れっ子ラップグループPublic   Enemyのメンバーであるプロフェサー・グリフィス氏は、いわゆる”オバマ現象”を、次のように批判している。

 「名門エリートたちの後ろ盾を得て、また(スカル・アンド・ボーンズなどの)秘密結社からも承諾を得て、オバマは、無事、大統領になりました。

 でも、エリートが続けてきた”ファシズム”といった、今までの手法が、これからなかなか市民の中に通用しなくなった現在、何らかのモデルチェンジが必要です。そのモデルチェンジの一環として、黒人大統領が選ばれました。

 どうして、そう思うかって? つまり、エリートたちは今、アフリカに注目しているんだよ。

 アフリカは、どこも傀儡政権で事実上、エリートの支配下にあるけど、彼らは、全ての資源(鉱山など)を手に入れたいのです。

 そして、その統治・圧政は、エリートの21・22・23世紀の、明るい未来を築くには欠かせないものです。

 だから、今、黒人を元気にさせて行く必要があるんです。 

 でも、それは、あくまでも、のちの統治・圧政のためにね。 【つづく】

 

 

 

2011年12月19日 (月)

オバマ政権の実像(6)

 今日の国際政治のキーワードの一つに、「ビルダーバーグ」があると思う。それは、先述した歴史学者のタープレイ氏が、「”影の政府”を操るエリート集団」と呼んだ人々の具体的名称である。

 同組織は、世界を動かす上で最も重要な組織であり、そのメンバーは、125名の世界中の巨大資産家などの超エリート集団である。

 因みに、1991年、エヴィアン(Evian・フランス)での「ビルダーバーグ会議」に先立って、将来の在るべき世界構造について、悪の元老デビッド・ロックフェラーは、「世界新秩序」を、次のように位置づけている。

 「何よりも、世界を操る影の政府は、世界中の巨大な銀行エリートたちのために働く」

 何十年にもわたって、巨大メディア集団は、「世界新秩序の矛盾を報道しないばかりでなく、同組織を批判する者を、逆に誹謗中傷するという暴挙を行ってきた。

 そんな中、知らず知らずのうちに、世界圧政システムは着々と構築され、自国の自由・国益・繁栄などは、二の次にされた。

 長年、”影の政府”の存在自体を否定していた報道関係者たちは、世界的な不況を背景に、鬼の首でも取ったように、”影の政府”の存在を認め始め、金融不況を作り出した張本人たちが、「不況打破の解決策(?)」を語り始めた。

 また、経済紙で有名なウォールストリート・ジャーナルは突然、秘密裡に進められていたアメリカ・カナダ・メキシコ3ヶ国によるNorth    American  Union(北米共同体)の実態を明らかにし、米ドルの廃止3国共同通貨を作るべきだと提言した。

 ビルダーバーグ会員の支配下にあるイギリスの経済紙ファイナンシャル・タイムズは、悪行極まりない”影の政府”の存在をあっさり認め、その存在は、世界政治・経済をスムーズに運ぶために、わざと隠していたと報道した。

 その上、現在の世界情勢は、エリートによる「世界新秩序」こそが、世界中の利益を守るために必要不可欠だと豪語した。

 

 例えば、オバマ政権のラム・エマニュエル大統領首席補佐官は、「この世界大不況のチャンスを逃してはいけない」と、まるで聞き間違いではないかと思うほどのコメントをした。

 実際、エマニュエル氏は語る。「昨今の大不況は、実はチャンスで、決して逃してはならない。その真意は、今まで出来なかった変革が進められるのだから」と。

 ”今まで出来なかった変革”とは、一体、何だろう? それは、単に「世界新秩序づくりの第一歩、あるいは、その具体的政策だということなのではあるまいか。

 

 オバマに大学卒業後に最初の職を斡旋した元国務長官・ヘンリー・キッシンジャーは、CNBC経済チャンネルで、次のように語った。

 「この経済崩壊は、世界新秩序を進行させる千載一遇のチャンスだ」と。

 キッシンジャーは続ける。「オバマ大統領は、世界新秩序の旗振り役に最適任である」と。 さらに、彼は言う。

 「オバマは、アメリカの新しい外交政策を積極的に進める力がある」と。 

 その上、キッシンジャーは、次のように語った。「何せ、世界中から彼の大統領就任を喜び、かつ期待する声は大きい。

 オバマは、アメリカの、これからあるべき姿をよく考えた上で、”世界新秩序”を形成することによって、大きく前に進むことだろう。

 世界では、経済危機・不況と言われるが、実は、この時こそが、大きな変革のチャンスだ」と。

 このキッシンジャーの言葉に、先ほどのエマニュエル大統領主席補佐官の言葉が重なる。両者は、同じ「ビルダーバーグ」の一員ゆえに、それは当然なことだ。

 

 事実、オバマ政権は、「ビルダーバーグ」に所属するこのような人々によって支えられ、かつ動かされているのだ。

 「TPP」を巡って、キッシンジャーは、野田総理に対して圧力をかけにきた。まさに、日本政府を取り巻く環境は、非常に厳しい。

 単に、日本政府は、オバマ政権によって強い圧力を受けているだけでなく、彼らをも影響を受ける「ビルダーバーグ」の支配と操作を受けているのだ。 【つづく】

 

 

 

 

2011年12月17日 (土)

オバマ政権の実像(5)

 もしジョン・F・ケネディが歴史上に登場せず、とりわけ、彼が”暗殺”されなかったならば、私は、「政治」や「歴史」というものに、まったく興味を示さなかったのではないだろうか。

 彼の暗殺時、13歳の少年だった私の心を支配した疑念は、”何故、ケネディは暗殺されたのか?”、あるいは”彼は、何故、殺されなければならなかったのか?”というものだった。

 つまり、私の学問的探究心の出発点、あるいはその原点は、何より「ケネディの暗殺」だった。

 事実、彼の暗殺の背後には、暴力大国アメリカの”隠し切れない闇の部分”が潜んでいる。

 1961年1月20日(つまり、今年から、丁度50年前)、ケネディは、国民的な支持(=人気)と”影の政府”のエリートたちの”見えざる”支援の下で、大統領に就任した。

 エリートたちは、今日のオバマがそうであるように、ケネディが大人しく、自分たちの命令を素直に聞くと信じていた。

 しかし、ケネディの方は、大統領である自分が、何も自由にできない立場に気づき始めた。それで、JFK(=ケネディ)は、勇敢にも、独自の政治路線を画策し、経済復興、世界平和、アポロ計画、ソビエトとの和平を模索し、かつ中央銀行の権力の縮小など、色々と提案した。

 

 事実、JFKは、大統領行政命令11110号にサインした。これには、政府紙幣を可能にする法案などが含まれていた。

 実際、ケネディは、中央銀行の排除に向けて動き始めた。彼はまた、黒人問題に対する公民権に関しても改革に着手した。

 彼は、さらに、ベトナムからの撤退も示唆に入れていた。

 先述した歴史学者のウェブスター・タープレイ氏は、語る。

 「ケネディ大統領は、現代アメリカ史において、最後の市民のために働いた大統領”でした」と。

 しかし、JFKの反発に対して、独裁エリートたちは素早く反応し、次の手を打った。

 「真の政治の復活」を求め、泥棒男爵(=不正に私腹を肥やした資本家など)らからの権力の排除を目指したJFKは、無残にも暗殺された。

 実際、ケネディ暗殺は、これから就任する世界各国の大統領や首相へのメッセージだった。 

 つまり、もし金融エリートに反旗を翻す者は、容赦なく殺すというものだ。タープレイ氏は、確言する。

 「JFKは、アメリカの国民生活を考えた最後の大統領であり、影の政府を操るエリート集団を撲滅しない限り、真の自由を尊重する大統領は現われないのです」と。

 タープレイ氏は続ける。

 「是非とも分かって頂きたいことの一つは、アメリカ大統領というポストは、影の政府が操る”操り人形”だということです。疑う余地も無い”操り人”なのです。

 オバマ大統領が信念を持って、国民のために働く???。

 オバマ氏は、影の支配者からの援助を120%得て、活動資金などすべてを与えられた上で選出された大統領なのです」と

 事実、大統領というポストは、私企業の利害の代弁者に成り下がり、それを操るエリートは、新聞・テレビなどのメディアの批判が及ばない”影の存在”として安住しているのが現状だ。

 タープレイ氏は続ける。

 「オバマを操るエリート達は、選挙資金を与え、選挙獲得票を操作し、報道のプロの支援を差し向け、暴力団を配属しました。それだけにとどまらず、選挙管理事務所の公の職員にまで手を廻し、オバマを選挙中に非難する者を、選挙妨害で逮捕するといった暴挙まで行ないました。

 これらのすべての悪行は、オバマ自身が操り人形という事を明白にする動かぬ証拠であり、オバマは操り人形中の絶品の操り人形です。

 オバマの存在というのは、ヒラリー・クリントンやマケイン(かつての共和党大統領候補)などより操り易く、カーター大統領以来、最も使い易く、しかも有能な、エリートにとって最良の大統領なのです」と。

 実際、影の政府によって行われている本物の「政治」の内部構造とは、大統領が、軍隊および軍需産業の意見をまとめ、その意向を、ホットラインで、世界を支配している銀行(=金融)エリートたちに伝えるというものである。

 この仕組みは、大統領や首相といった上っ面は変わっても、”悪の本質”は、何ら変わらないのだ

 なぜなら、この内部構造(=エリートの悪行)の実態は、今まで、誰も報道してこなかったからである。  【つづく】

 (後記:明日は、休みます。尚、来週も、同じテーマで書き続ける予定です。 

      皆様、どうか、よい週末を!)

2011年12月16日 (金)

オバマ政権の実像(4)

 皆さんは、ジェラルド・セレンテというアメリカの著名な未来政治学者をご存知でしょうか? 本ブログでも、一度だけ、彼の名前を挙げたことがあります。

 或る識者によれば、彼は、長期にわたって、「社会にどんな潮流が起きるのか」を予測する”先行き予報官”、あるいは「トレンド予報官」として、全米で有名です。(*以後、文体を改めます。)

 今までも、彼の予言(あるいは、予報)は、”憎らしいほど、よく当たる”と言われている。

 その彼が、「2012年、アメリカでは、エジプト型の暴動・革命が起こる」と予言している。 

  つまり、アメリカが2012年までに、まるで発展途上国のような状態になり、食物暴動、不法入居者の反逆、税金の不払い運動、さらには失業者や一般労働者による仕事を求めるデモなどによって「革命」が起きる、と予測しているのだ。

 彼は実際、このような予測を立てるトレンズ・リサーチ・インスティテュートの創設者でもある。

 

 ところで、セレンテ氏は、アメリカの中央銀行(実は、私立銀行)の歴史について、次のように述べる。

 「アメリカ史において、常に賢明な市民達は、中央銀行による貨幣制度の由の剥奪を拒み続けてきました。

 ですから、彼らは、中央銀行反対派のアンドリュー・ジャクソン大統領を選出し、また、同じ思想を持つトーマス・ジャファーソン大統領を支持してきたのです」と。 

 「しかし、現在のアメリカの姿はどうでしょうか?」と、彼は、読者に問い掛ける。

 これに対する彼の答えは、「完全に中央銀行を操るエリートたちによって物化されています」である。彼は、続ける。

その悪行は、中央銀行をめぐる歴史を見れば一目瞭然です。アンドリュー・ジャクソン大統領は、イギリスの中央銀行(=イングランド銀行・・・これも、純然たる私立銀行。その最大の出資者は、ロンドンのロスチャイルド)の命令を受けたスパイによって、何度も暗殺計画に見舞われています。

 これも、ジャクソン大統領が、執拗に中央銀行制度を拒み続けたからです」と。

 ここで、セレンテ氏は、日本人に馴染みの深い米国大統領の名前を登場させる。それは、リンカーン大統領である。セレンテ氏は、続ける。

 「リンカーン大統領は常に貨幣制度に注意をせねばならぬ国民に言い続けていました。この警告自体が、彼の命を奪ったのではないかと思われるほどです。リンカーンは、アメリカの未来を、次のように予見しました

 『お金の魔力(経済)というものは、平和時には、国を無駄に疲弊させ、また不況時には、国民を困らせるものである。

 お金の力は、君主制より横暴で、専制政治よりも傲慢で、またどんな官僚よりもわがままで、たち(質)が悪い。

 私は、近い将来(=リンカーン大統領の時代)、このアメリカが、経済の私物化により内部崩壊しないかと危惧している。

 私欲のために邁進する団体が現われ、国を乗っ取り、腐敗政治を確立し、国民の声を蔑ろにした”利益優先の国家体制”を確立するであろう。

 そして、その腐敗は、ほとんどの金がエリートの物になるまで続けられ、やがて市民が作った共和制の国は、滅びるであろう』」と。

 実際に、ウォール街の権力者たちは、生産性の高いアメリカ国内の企業群を殲滅してしまったのである

 

  実は、このリンカーンが抱いた危惧は、今からほぼ100年前の1910年代、ウッドロー・ウィルソン大統領(1856~1924)の時代に現実化する。

 ウィルソン大統領は死に際に、次のように、国民に後悔の念を語っている。

 つまり、「アメリカの金融システムは、1913年に成立した中央銀行法を通じて、海外の私的銀行集団にわたってしまった」と。それによって、「私は、アメリカを滅ぼしてしまった」というものである。

 事実、アメリカに中央銀行を設立することを要求したのは、アルフレッド・ロスチャイルドである。

 彼の委任を受け、モルガン財閥(J・P・モルガン)とナショナル・シティ・バンクの幹部が、ジョージア州のジキル島で会合を開いた。1910年11月のことである。

 前者は、連邦準備制度の発足において重要な役割を果たし、後者は、ウィルソンの大統領選挙の際、彼を全面的に資金援助した財閥だ。 

 つまり、当時のアメリカ政府は、国際金融資本の財政支援で存続し、まるで財界の“私物のような存在”だった。

 極言すれば、アメリカの財政・金融政策という”公のこと”を「私的」な銀行が牛耳っている構図は、1913年の発足以来今日まで、少しも変わっていない。だが、私的機関に自国の金利政策、並びに紙幣や国債の発行量まで握られている国など、「独立国」と言えるだろうか? 

 すでに述べたことだが、1913年に、”本来のアメリカは滅んだ”と考えるべきなのではあるまいか。まさに、アメリカは、国際金融資本によって”簒奪された”国家だと思うのだ。

 まさに、ウィルソン大統領こそは、「共和国」とも言えた本来のアメリカを、外的勢力(=国際金融資本家たち)によって「アメリカ帝国(私の言う『ユダヤ・アメリカ帝国』)」に変質させた特筆すべき大統領である。

 だが、これに反して、かつてのリンカーンの危惧や信念を自らのものとし、彼と同じ精神で、アメリカを再建しようと試みた大統領がいる。

 それが、ケネディ大統領である。 

 これに対して、オバマ大統領は「ケネディの再来」ではなく、むしろ上述した「ウィルソンの再来(?)」なのではあるまいか。 

 事実、私には、オバマには、ケネディのような胆力、勇気、見識、度量、ヴィジョン、それに政治哲学が有るとは思えない。 

 「リンカーンの再来」とも言えるケネディ大統領については、稿を改めたい。【つづく】

 

2011年12月15日 (木)

オバマ政権の実像(3)

 20世紀は、まさに「戦争の世紀」だった。これに比べて、”21世紀は、平和な世紀であって欲しい”と、誰もが、心から願ったと思う。正直、私も、そう願った一人だった。

 だが、世界の人々の切なる希望に反して、21世紀の幕開けを象徴する出来事は、何と言っても、あの「9.11」だった。

 しかし、私は、このような形での21世紀の幕開けを、或る意味、予言する演説が、すでに或る政治指導者によって語られていたと思う。

  その指導者とは、ブッシュ(シニア)大統領、つまりパパ・ブッシュ(1924~)である。

 無論、彼は、事件そのものについては、何ひとつ言及していない。だが、彼は、1990年9月11日(つまり、例の「9.11」の、丁度11年前)、国連の本会議場で、余りにも唐突に、こう語った。

 「今、世界新秩序(New World Order)の必要性が生まれ、また世界は、それを望んでいます」と。

 ところで、ここで、ブッシュの言う「世界」とは、一体、何であろう? 少なくとも、本来、私たちが言う「世界」ではない。むしろ、ウォール街を中心とした超エリートたちの「世界」のことであろう。無論、彼らの中には、ヨーロッパの王族やローマ法王なども含まれていると思われる。

 この他、ある政治指導者が、次のように語っている。

 「多くの国に支持される世界新秩序の構築が急務だ」と。― 

 こう語る政治指導者とは、実は、オバマ大統領である。つまり、彼とブッシュ親子は、所属政党や政治信条が違うように見えて、その深い所では、まったく”同じ穴のムジナ”なのである。

 本稿では、ウェブスター・タープレイ氏の言説を重用している。彼こそは、アメリカ随一の歴史学者である。実は、同氏は、ブッシュ(シニア)とオバマについて、歴史・政治学者の目から観た『非公式自叙伝』を編纂している。

 彼は、パパ・ブッシュについて、フランクに語る。

「1990年9月に、国連で、ブッシュ(父)が演説した『世界新秩序』とは、皆さんには、ピンとこなかったかも知れません。

 『世界新秩序』は、英米による覇権の上品な言い方に過ぎません

つまり、英米による地球規模の独裁です。

 しかし、地球の管理を英米独裁政権でするのでは、世界中誰も賛同が得られませんが、呼び名を『世界新秩序(New World Order)』という“器”にすれば、インドやEUも「俺達にも何か出番があるかも」と思うでしょう。

 でも、そんな事は無いです。

 アメリカ・イギリスによる『世界新秩序』とは、『世界新秩序』=(7つの海を支配した)イギリス+(20世紀に、経済・軍事力による支配)アメリカのことです。

 要するに、古い形の英米による独裁が『世界新秩序』の本音です」と。

 いわゆる、アングロ・アメリカン・ミッションが、今後の世界を牛耳ろうとしているのである。

 それに対して、オバマ政権が、発足当初から加担・協力していることは、まさに自明のことだ。

 それゆえ、「世界新秩序」に関するパパ・ブッシュとオバマの言説がほぼ同一であることは、当然なのである。

 その点では、まさにアメリカの「民主党」も「共和党」も、本質的差異は無い。

両党共、実質的に、いわゆる”財閥党”なのである。

 

 丁度、日本国内で、かつての自民党と民主党(とりわけ、現政権は、まさに「第2自民党」である)が、何ら本質的な差異が無いことと符合しよう。

 実際、日本国民の現政権に対する反感や失望感、さらには”裏切られた”という思いは、殊の外、大きい。

 だが、これは、米国民(とりわけ若者世代)のオバマに対する絶望感に通じるものがある。まさに、今は、Yes,we can !  ではなく、もはや、No,we can't ! なのである。

 それに、アメリカの若い世代の批判は、すでにウォール街に向けられ、国内の“超格差社会”に対する批判精神は、目を見張るべきものがある。

  

 先述したタープレイ氏は、この間の歴史的変動について、次のように語る。

 「ケネディ大統領が暗殺され、ベトナム戦争を行っていた頃までのアメリカは、生産性に長け、世界経済の牽引役でした。

 つまり、大統領の暗殺や1960年代のベトナム戦争の時代を境に、アメリカの権力は、ウォール・ストリートのエリートたちのものとなり、政治に関するすべては、ウォール・ストリート次第となりました。

 その後、栄華を誇ったアメリカは、世界の牽引役から、世界の悪者(=破壊者)に成り下がっていくのです」と。

 事実、タープレイ氏が指摘するように、ケネディ暗殺以来、アメリカ政治は、ウォール街主体のものとなった。

 たとえ、オバマ大統領でさえ、この現実を覆すことは出来ないだろう。なぜなら、彼を世に出した実力者は、ヘンリー・キッシンジャーであり、彼の政治の「師匠」は、誰よりも、あのズビグニュー・ブレジンスキーだからである。

 実は、このような現実の中にこそ、オバマが超権力者(=国際金融資本家)たちの傀儡(あるいは、”操り人形”)にしか成れないという限界が潜んでいる。

 タープレイ氏は、彼の鋭い舌鋒を緩めない。彼は、続ける。

 「オバマの組閣した内閣を見て下さい。すべて、ウォール・ストリートの関係者です。

 このオバマ政権は、ウォール・ストリートの、ウォール・ストリート支配階級による、ウォール・ストリートのための政治です。

 閣内には、重工業、自動車、シリコンバレーなどの生産活動の関係者は無論のこと、石油、軍需産業からも参加者は無く、労働組合、福祉、女性、退役軍人、中小企業関係者など、金融界以外の大臣は、一人もいません。

 オバマのアドバイザーというアドバイザーのすべては、ウォール・ストリート関係者という徹底ぶりです。

 金融関係者のみがホワイトハウスに出入りができる、最も異常とも言える金融一辺倒の政権です」と。 

 まさに、「Obama Deception(オバマ 幻影)」なのである。私は、この題名を、「幻想としてのオバマ」とさえ意訳できるのではないかと思う。

 あくまで、それが“幻想”である限り、われわれは、たとえ異国人(=日本人)とはいえ、オバマ大統領に希望も期待も、さらには夢さえも抱けないと思うのだ。 【つづく】

 

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2011年12月14日 (水)

オバマ政権の実像(2)

 先述した 「オバマは詐欺師です。彼は、金融界から派遣されたスパイです」というタープレイ氏の確言に、かなりの抵抗を感じる方は多いと思う。

 正直、私も、この言葉を最初に目にした時には、かなりの衝撃を感じた。だが、今は、それ程の思いは無い。むしろ、私は、タープレイ氏の言葉に賛成だ。

 実は、私が、「政治家らしい政治家、大統領らしい大統領」と感じるのは、ジョン・F・ケネディ(1917~63)である。

 彼の大統領在職中、小中学生だった私は、彼を心から敬愛していたゆえに、当時、心情的に”ケネディの子供たち”の一人だったと自負している。

 中二の頃、彼がダラスで暗殺された時には、私は、自分の心臓に大きな穴が開いたような衝撃を感じた。正直、この時のトラウマ(心的外傷)は、今も、回復していないように感じる。

 ハワイ大学留学中、ご指導を受けたグレン・D・ペイジ博士(1929~)に、このケネディの事を語ると、彼も、「私たちは、F・D・R(フランクリン・ルーズベルト)の子供たちでしたよ」と言われた。

 ペイジ先生のお気持ちは、じゅうぶん理解できた。だが、私は、ケネディとルーズベルトは、米国大統領として全く違うと感じた。この思いは、今も変わらない。

 ケネディは、常に”自主・独立”の精神で大統領職をまっとうしたと思う。だが、彼に対して、ルーズベルトは、超エリートたち(=ウォール街の金融資本家たち)の操り人形だったと思うのだ。

 

 ところで、オバマは、「ケネディの再来」とも「ブラック・ケネディ」とも呼ばれた。つまり、オバマは、その若さとカリスマ性、さらには見識や学識の高さで、ケネディと同様に思われたのだ。

 だが、私は、「オバマは、ケネディとは違う」と思う。むしろ、彼は、ルーズベルトに近いと感じる。つまり、彼は、本質的に、”操られた大統領”なのだ。その点で、オバマは、あのブッシュ(ジュニア)にさえ似ている。また、クリントンとさえ類似していよう。

 他方、ケネディが似ている大統領をアメリカ史に求めるなら、それは、リンカーン(1809~65)である。この両大統領は、まさに同じような行動をとった。 

 つまり、彼らは、貨幣発行権を、国家(とりわけ議会)に取り戻そうとしたのである。しかし、二人は、それを明白にした時点で、国際金融資本家たちによって暗殺された。

 だが、ルーズベルトも、ブッシュ親子も、ビル・クリントンも、さらには、オバマも、このケネディやリンカーンのような政治哲学や思想は持っていない。 

 むしろ、彼らは、「ウォール街」の言い成りになることによって大統領に選出され、かつ彼らの操り人形として、米国大統領を演じたのである。事実、オバマは、今も演じている。彼が、それを忠実に演じ続ける限り、オバマは、リンカーンやケネディのように暗殺されることはないと思うのだ。

 

 また、オバマが大統領に就任し、日本でも「政権交代」が実現した2009年は、まさに希望の年だった。それが、今や、失望に、あるいは絶望に変わろうとしている。この政治状況は、日本もアメリカも同じではあるまいか。

 その主原因は、まさに植草氏の言われる「悪徳ペンタゴン」の厳存にあろう。だが、この存在を打ち砕くためには長年月を必要としよう。むしろ、この「蜘蛛の巣」の中で長らえる方が楽だと考える人々も多いことだろう。

 だが、この「蜘蛛の巣」を壊し、悪徳ペンタゴンなる存在を打破しない限り、真に”国民主体”の政治は不可能である。 

 われわれは、その現実を深く認識しなければならないと思うのだ。

 因みに、政治家とは本来、それぞれが“人の役に立ちたい”と心底願い、自らの哲学や思想、さらには自ら推し進めようとする政策を具現化しようと欲する。だが、その政策や手法の違いによって、色合い(つまり主義・主張)を異にする。

 だが、先述した歴史家のタープレイ氏は、次のように語る。

 「政治家の本質に、左派・右派などの思想の違いなど、何の意味も有りません。ウォール・ストリート(ウォール街)のために働いているか、それとも市民のために働いているか、それだけなのです」と。

 だが、この言葉は、日本国内の政治家(主に衆・参両議員)が結局、「アメリカ」のために働いているか、それとも日本国民のために働いているか、という根源的な問い掛けにも通じよう。

 無論、それは、官僚の世界についても言えよう。特に、売国御三家とも言える「財務・外務・法務」三省の有力官僚たちは、日本国民のためではなく、あくまでも宗主国アメリカのために働いている。

 つまり、彼らのご主人様は、明らかに「ユダヤ・アメリカ」なのだ。

 周知のごとく、今日の日本の政界や官界においては、意識的・無意識的を問わず、「ユダヤ・アメリカ」のために働いている政治家や官僚が圧倒的に多い。

 例えば、野田を見ればよい。前原を見ればよい。さらには仙谷を見ればよい。そして、かつての管や小泉、さらには竹中を見ればよいであろう。

 とりわけ、アメリカの政治について、ジョー・ローガン氏(コメディアン・コメンテーター)は叫ぶ。

 「もう長い間、アメリカの政治は、ウォール街を始めとする金融街の億万長者たちによって牛耳られている。

 彼らは、無制限に政治資金を寄付でき、選挙活動を支援している、こんな状態で、政治がうまく機能するわけが無い!」と。 

 この政治の実態は、日本も、全く同様である。実際、政府の上に「経団連」があるような現状だ。

 だが、オバマが大統領に選出された背景には、このローガン氏が指摘するような現実があった。

 実際、かつてブッシュ親子を支持したのと全く同じ超エリート(=金融資本家)がオバマ政権の基盤であり、彼らが、経済崩壊・恐慌を引き起こし、最終的に恐怖政治による「新世界政府」の樹立を目論んでいるのである。

 先述したタープレイ氏が、はっきりと断言する。

 「もし、人類が本当に変革を求めているのでしたら、(五番街にいる・・・ウォール街のこと)大金持ちのメディアが支配し、作り上げた“救世主オバマ”は、信用する価値は有りません。

 今、私たちが置かれている、暴君(支配階級のエリート)による圧政を打破するには、操り人形であるオバマに目を向けるのではなく、むしろ、本当の悪事を策略する Oligarchy(少数独裁者)の動きを読まなければなりません」と。 

 この言葉が、本日の拙稿での、タープレイ氏の最初の言葉に呼応するのである

 その意味で、オバマ政権の「闇」は限りなく深いと思うのだ。  【つづく】

 

2011年12月13日 (火)

オバマ政権の実像(1)

 最近、真に政治家らしい政治家、あるいは大統領らしい大統領が少なくなった。つまり、すべてが”劣化”した感じだ。この傾向は、単に日本に限ったことではない。むしろ、世界全体について言えよう。

 例えば、フランス大統領と言えば、私は正直、ドゴール(1890~1970)やポンピドー(1911~1974)、あるいは、ジスカール・デスタン(1926~)やミッテラン(1916~1996)のことを思い出す。

   だが、最近のサルコジ(1955~)に関しては、あの耐え難い”軽薄さ”ゆえ、私は、「サルコジ・フランス大統領」という言葉に、かなりの違和感や抵抗感を覚える。 

 正直、最近の政治家(大統領を含めて)はすべて、”軽すぎる”ような気がするのだ。とりわけ、この私の思いに果たしたブッシュ(ジュニア)大統領の役割は、限り無く大きい。 

 彼は、米国大統領などより、むしろコメディアンにでもなった方が、幸せだったのではあるまいか。なぜなら、彼は、そのコメディアン風の「間の取り方」やユーモアなどは、まさに絶妙なのだ。

 例えば、次のような彼の軽口が残っている。聴衆に向かって、彼は言う。

「(イラクに)大量殺戮兵器はあるはずだよね、どこかに(笑)。

 下手すると、この地下になんてね(笑)。」

 また、彼は続ける。

「(自虐的に)あちら(=イラク)には、大量破壊兵器などなかったわね(聴衆爆笑)。」

 統領在職中、こんな冗談を、さらりと言う御仁が、栄えある(?)米国大統領だったのだ。だが、この彼の軽口の裏では、120万人以上のイラク市民(兵士を含めて)が死亡し、5000人以上のアメリカ兵が戦死しているのだ。

 小泉時代の日本国民同様、当時のアメリカ国民は、米国史上最低・最悪の大統領を冠していたのである。

 

 では、オバマ米国大統領(1961~)については、どうだろう? 正直、今、ひとつ分からない。

 バラク・オバマ氏は、2009年1月20日、第44代目のアメリカ大統領に就任した。

 この日、大統領就任式を直に見るために、全米から200万人以上の人々が集まった。それは、史上最高の人出だった。私は、今後、この数字が破られることはないと思う。

 2009年は、まさに”変動の年”だった。同年8月末の日本での政権交代に、私は、このオバマという民主党選出の異色の大統領が誕生したことが、少なからぬ影響を与えたと思うのだ。

 当時、米国民も日本国民も、旧来の澱んだ長期政権(=官僚政治)に飽き飽きしていたと感じる。

 そこに、オバマ氏は、「Yes,we can!.(そうだ、われわれには、出来る!)」と呼び掛け、わが国の民主党は、「国民の生活が第一」として、政権を奪取したのである。私は、この両国の符合は、思いの外、大きいと感じる。

 事実、ブッシュ(ジュニア)の8年間は、アメリカを警察国家へと劇的に変貌させ、経済的にも限りなく疲弊し、かつ多くの国民(特に若者)から就業の機会を奪っていた。そこに、オバマが登場したのである。

 事実、アメリカ国民は、本当に「Change」を求めていた。ブッシュ政権の最悪の8年間に、心底、嫌気が差していたのだ。

 実際、ブッシュは、任期中に、連邦政府の大きさを3倍に拡大させ、自由を守るアメリカ憲法を形骸化させ、世界には、アメリカの醜態をさらした。

 出口の見えない戦い、そこから生み出されるものは、数知れないイラク人の屍と5000人以上におよぶアメリカ兵の犠牲であった。

 米国愛国者法(9.11事件後施行)による連邦政府の盗聴・スパイ行為の可能、国益を無視したNorth  American Union(北米連邦政府)確立への傾斜、不景気から恐慌への果てしなく続く旅、このような状況下の市民は、パニック状態になり、未来に対するアメリカの存亡さえも危惧し始めた。

 だが、市民は、決してバカではない。エリートたちの悪行を見抜き始め、操り人形の大統領の後ろにいる真の悪(超エリート)の存在に気づき始めた。

 実際、アメリカの憲政史上初めて、共和・民主両党の支持は、9%を切り(*今日、日本でも同様の傾向が見られる)、とうとう市民は目覚め、超エリートたちの芝居に愛想をつかし始めた。

 そんな状況下、Change!  Change! と変革を約束したオバマは、大統領選の公約で、イラクからの早急な撤退を表明し、憲法を堅持し、国民へのスパイ活動の停止を約束した。

 また、彼は、労働者の前では、NAFTA・GATTなどのアメリカに不利益なものから離脱すると言い切った。

 しかし、オバマは、早々と、それらの公約を破り続けている。

 このようなオバマ大統領の「二面性」、あるいは国民への”裏切り”を追求した映画(=You Tube)『Obama Deception(オバマの幻影)』〔字幕製作者 茄子ダック氏〕がある。

 この動画は、実に優れた内容だ。その中に登場するアメリカの有名な歴史学者ウェブスター・タープレイ氏(WEBSTER   TARPLEY)は、オバマ大統領について、次のように語る、

 「オバマは詐欺師です。彼は、金融界から派遣されたスパイです」と。

 この言葉は、オバマを愛し、彼を心から信頼する人にとっては、かなりショッキングな言葉だ。これは、アメリカ国民にとっても日本国民にとっても同様だろう。

 だが、タープレイ氏の、この言葉の奥には、一体どのような”真実”があるのだろうか?

 次回、これについて、論究してみたい。 【つづく】 

2011年12月12日 (月)

わが思い出のパールハーバー(3)

 「日米関係」について、われわれは、一体、どう考えたらいいのだろう? 色々な言い方ができよう。

 端的に言って、私は、「国家(=政府)」と「国民(あるいは市民)」は、別々に考えるべきだと思う。

 これを混同してしまうと、両国間で、戦争などになった場合、”敵国民、すべてが憎い!”ということになってしまう。

 だが、実際、たとえ敵国民とはいえ、一人ひとりの人間は、決して憎むべき存在ではない。むしろ、場合によっては、かけがえのない友にも仲間にもなろう。

 正直、文化や慣習、それに風俗の違いこそあれ、どこの国、あるいはどの民族も、人間としては”同じではないか”とさえ思う。

 それに、われわれは、一国民、一市民である前に、「一人の人間」であることを忘れるべきではないと思うのだ。 

 戦後50年を経た日米両国の退役海軍軍人を間近に見た私は、この”一人の人間として”という視点から、両国間の問題を考えずにはいられなかった。

 また、たとえ、かつて心から憎しみを抱いて戦い合った者同士でも、いつかは必ず和解と友好の関係に成り得ることも実感できた。 

 つまり、“人の心は、必ず変わる”のである。

 その具体的な例を、かつての日米両軍人の手記に見てみよう。或る日本人は、こう記している。

 ≪過ぐる1964年4月25日、九段の靖国神社において旧日本海軍搭乗員(甲飛会)の第一回慰霊祭が挙行された際、米国第五空軍司令部より、在日米海軍パイロット、太平洋戦争で戦った古強者、テナント中佐以下7名の勇士が参加された感激が偲ばれる。

 今回の日米退役軍人の太平洋戦争終結50周年記念に、財団法人海原(うなばら)会が招かれたことは、このうえなき名誉であり、日米間の黎明の始まりとして友好の記念碑が建立されることは、50年の怨念を乗り越え、日米両国の永遠の平和を築く基いであると確信する≫と。

  1964年という、戦後19年において、日米海軍軍人の間で、このような事があったということを、私は、全く知らなかった。すべては、“積み重ね”なのである。  

 他方、アメリカ側にも、非常に賢明で心優しい退役軍人の言葉があった。その言葉は、次のようなものである。

 All of us on both sides were full of intense hatred       when we faced each other 50 years ago.We now have a choice.    We can leave this world taking with us our individual hate,or we can extend our hand and hope that we may individually help promote  friendship between the two nations.

  We have more similarities than diffrences. We all love our families and we wish for  a brighter future.  By looking  out of the front of  the bus,we can see where we are going. By looking out of the back, we can only see where we have been.

 上の英文は、次のように翻訳されよう。

≪50年前に日米両国が敵対していた時には、すべての両国民が、激しい憎しみを抱き合っていました。今、私たちは、次のどちらかを選択できます。

 私たちは、個人的な憎しみを抱きつつ、この世を去ることができます。しかしまた、私たちの手を広げ、両国民の友情の促進を個人的に助けようと望むこともできます。

 (日米)両国民は、その違いよりも、より多くの共通性を持っています。私たちすべてが家族を愛し、明るい未来を望んでいます

 バスの前方(=未来)に目を向けるならば、私たちは、これから行く方向を見出すことができます。しかし、後方(=過去)にばかり目を奪われるなら、私たちは、過ぎ去ったものしか見ることができません≫と。

 この手記には、一人の国民(=市民)、あるいは一人の人間としての「未来志向」が感じられる。つまり、彼の心は、多分、国家を愛しつつも、同時に国家を”超越”していると思うのだ。 

 他方、或る日本人は、この記念式典の際に抱いた感慨を、たいへん正直に吐露している。彼は記す。

 ≪数多くの戦没者を出す痛恨な結果を見る私どもには、今一つ素直に握手に応じかねる躊躇の心のこだわりは、皆同感かと存じます。

 阪神大震災(1995年)直後の跡地を見るにつけ、また、B29の再来襲かと思わず目を覆いたくなりました。

 ここに、戦後50年目を迎え、高齢ともなれば頑固な精神も世の移り変わりと共に薄らぎ、恩讐を乗り越え、この度の日米慰霊と友好記念ツアーに共鳴し、「新たなる黎明」の意義を尊重し参加いたします。

 ご努力の役員御一同に敬意を表します≫と。

 これは、極めて正直なお気持ちだと思う。日米退役軍人間での握手の中でさえ、”今一つ素直に握手に応じかねる躊躇の心のこだわり”という言葉は、非常に重いと感じる。 

 戦争とは、それ程までに苛酷、かつ残忍なものなのではあるまいか。

 最後に、アメリカのかつての海軍士官の言葉を伝えたい。彼の言葉は、次のように翻訳できた。彼は、記す。

 ≪私たちは、何故、敵であった人々と会わなければならないのでしょうか。それは、時は流れ、古い傷は癒されるからです。 

 第二次世界大戦中、私たちだけでなくすべてのアメリカ国民が、多分、われわれの敵と看做された日本人、ドイツ人、オーストリア人、イタリア人、およびその他の外国人を憎んでいたかも知れません。

 しかし、時は過ぎ、苦痛は和らぎました。私たちは、いわゆる「敵」も、私たちと同様、単に命令に従ったまでだということを理解し始めました。

 多分、彼らの一部の人々は、私たちの一部の者と同じくらい、戦争を憎んだことでしょう。

 そして今や、私たちは共に、私たちの傷をいやし、握手をし、友情をもたらすために、ここに顔を合わせております≫と。

 ここに、”戦争を憎む”人々の存在が、明言されている。 

 

 実は、これからの時代、この”戦争を憎む”心有る人々が、各民族同士、あるいは各国家間で連帯し合う必要があるのではあるまいか。

 国民(あるいは市民)は、常に国家(=政府)に虐げられ、搾取され、かつ支配されてきた。この「構図」は、いつの時代でも、またどこの国でも同じであろう。

 ならば、国家間の協定や協約以前に、何よりも国民間の相互理解と相互交流が必要となろう。

 正直、小沢一郎氏は、このような国民間の相互理解や相互交流を目指して、すでに30年以上も前から、アメリカ国民との間では、「ジョン万次郎の会」を手掛け、中国国民との間では「長城計画」を推進してこられたのだと思う。

 まさに、同氏の深謀遠慮による”長期戦略”は、すべての日本国民が学ぶべきものではあるまいか。

 つまり、われわれは、国家(=政府)の姦計に目を凝らすと同時に、国民間の相互理解と友好に、より力を注がなければならないと感じる。

 その点、私にとっての「思い出のパールハーバー」は、単に日米間の戦争の端緒になった所ではなく、むしろ日米両国民間にとどまらず、すべての国民間の友好と平和の大切さを深く認識する「聖所」となったのである。 【了】

     

2011年12月10日 (土)

わが思い出のパールハーバー(2)

 パールハーバーと言えば、何より「アリゾナ記念館」を思い出す。

 ハワイを訪れる前、或る雑誌の記事に、一人の著名な女流作家のエッセイが載っていた。

 それは、「アリゾナ記念館の周囲には、未だ(当時の)油が浮いている」という、些かショッキングな内容だった。

 だが、実際、参拝の際に、何度か辺りを見廻したが、すでに、そのような浮遊した油は見られなかった。

 因みに、真珠湾攻撃での犠牲者数は、2404名だと言われる。そのうち、57名は、民間人である。だが、後者の多くは、日本軍によるものではなく、むしろ、米軍による見境のない対空砲火の流れ弾に当たったものだった。 

 米軍は、先述したパンチボウルから、日本の海軍機に応戦したようだ。この事実については、当時、それを実体験した、ホノルル生まれの親戚の伯母からも聴いた。

 ところで、白塗りのアリゾナ記念館には、供えられた美しい花々が絶えない感じだった。犠牲者の名前が刻印された碑を前にして、私は、しばし祈りを捧げた。そして、自然と、次の言葉が出てきた。”われらが日本を、許したまえ”と。

 しかし、次の瞬間、何と意外にも、次の祈りの言葉が、私の心の中で響いた。それは、”フランクリン・ルーズベルトを許し給え”というものだった。何ということだろう。・・・・(数多くの犠牲者の御霊〔みたま〕も、きっと驚いたに違いない。)

 正直、1993年当時の私には、すでに”ルーズベルトは、真珠湾攻撃の「すべて」を知っていた”という確信があった。

 彼は、その「極秘情報」をじゅうぶん知りながら、アメリカの世論を、“日本、許すまじ。日本、憎し!”へと誘導するため、つまり、大戦参加への口実を得るために、当時のキンメル太平洋艦隊司令官に伝えなかったという真実を、私なりに認識していた。

 実は、アリゾナ記念館参拝の際、われわれは、「真珠湾攻撃」に関する短編映画を観せられた。それは、一つのプロパガンダである。

 だが、二回目の映画を観た際、私は、この「ワシントン(=ホワイトハウス)から、ハワイに情報届かず」といった内容が、前作に比べて、より客観的に報じられていたのが、実に印象的だった。

 (ところで、ホワイトハウスからハワイに重大情報を伝えなかったという事実は、イギリスのチャーチルが、自国の情報力〔=情報網〕を保持するために、或る街の住民すべての命を、ナチス・ドイツに依るV1ロケットの攻撃から敢えて守らず、全員を犠牲にしたのと同一の、極めて冷酷な政治判断だった。)

 実際、当時、劣勢だったチャーチルは、アメリカがヨーロッパ戦線に参戦することを、心底、願っていた。 

 だが、ルーズベルトは、アメリカ国民に対して、“参戦しない”ことを公約して、大統領に当選していた。

 そのため、議会、ひいては国民を戦争に導くためには、国家を揺るがすような”大事件”が必要だった。

 そんなルーズベルトに届いたのが、日本海軍による「真珠湾攻撃」の極秘計画だった。彼は、この計画案を、自国の起死回生のカンフル剤として活用しようと決意した。

  ”もし、ジャップが、米軍(=アメリカ)を不意打ちしたとすれば、必ず自国民を戦争に引っ張り込める”と、彼は、確信した。

 ルーズベルトは、TVA(テネシー川流域開発)を始めとする、ニューディール政策で、”アメリカを立て直した”と理解されている。 

 だが、彼が大統領に就任した1933年、アメリカはすでに”国家破産”の状態だった。

 いかなる国家再建にも、巨大な資金が必要だ。アメリカにとって、それは、FRB(連邦準備銀行)からの多額の借金だった。だが、それを完済することは、決して容易ではない。

 それに、巨額の資金を賭けて”賭博”をしても、必ず勝つとは限らない。だが、当時のアメリカにとって、必ず勝つ、壮大な”賭け”があった。それは、言うまでもなく、戦争である。

 特に、日本のように、自らを軍事大国と自負しながらも、情報能力が全く弱く、たとえ戦術はあっても戦略を持たない“小国”など、彼にとっては、赤子の手をひねるようなものだった。

 ルーズベルトは、日本兵の頭蓋骨を見ながら、周囲の人々に得々として語ったものだ。「日本人の頭蓋骨は、白人のそれより、二千年は遅れている」と。 

 そんな人種差別主義者の彼は、戦時中、日系アメリカ人だけを強制収容所に入れることなど、歯牙にもかけなかった。

 反対に、アメリカにとって同じ敵国人であったドイツ人やイタリア人などは、強制収容所に入れられることはなかった。 

 つまり、彼にとって、日本人は、元々“人種が違った”のだ。

 無論、日米開戦に果たしたヨゼフ・スターリンの陰謀は事実であろう。だが、当時のアメリカにとって、日本との開戦は必定だった。しかし、自ら手を出す必要などない。いや、それは出来ない。ならば、無知なジャップに一撃の機会を与えるのだ。そのための”経済封鎖”、そして「ハルノート」だった。

 日本軍が真珠湾を攻撃した時、心から喜んだ政治家が、少なくとも3人はいよう。ルーズベルト、スターリン、そして、ウィンストン・チャーチルである。

 特にチャーチルは、この報に接して、小躍りして喜んだ。そして、彼は叫んだ。「これで、ドイツに勝てる!」と。

 旧大日本帝国海軍が真珠湾攻撃を実行する前に、ルーズベルトは、議会で演説する「宣戦布告文」を用意していたと言われる。彼にとっては、すべてが、”折り込み済み”だったのだ。

 彼にとっては、パールハーバーにおける2345名の米国海軍軍人の命は、この巨大な儀式の幕開けに用意された、“生贄の羊”だった。それにしても、何と大きな代償だったのだろうか。

 ところで、1995年の記念式典の準備の際、私は、一人の退役米国海軍士官のことが、とても心に残っている。彼の名は、ボブさんといっただろうか。記憶に、少し自信が無い。彼は、とても大柄で、赤い顔をした老紳士だった。 

 実は、彼は、毎夕、アリゾナ記念館近くの浜辺で、亡き戦友たちのために、鎮魂のトランペットを吹いていた。 

 まさに、彼は、ハワイに住む、心優しい「サムライ」だった。私にとって、旧大日本帝国海軍のT.M氏も「サムライ」なら、アメリカのボブ氏も、全く同様だった。 

 私は、彼のような素晴らしい米国海軍退役軍人と、ほんの短い間だったとはいえ、時間と空間を共有できたことを、本当に幸せに思う。

 アメリカには、ルーズベルトのような、邪(よこしま)で酷薄な指導者もいれば、ボブさんのような心温かい良心的なアメリカ国民もいる。

 アメリカについて論じる場合、国家と国民(あるいは市民)という、アメリカの持つ”二面性”(無論、これは、アメリカだけではないが)をしっかりと把握することが大切だと思うのだ。 【つづく】

(*後記:明日は、休みます。尚、来週は、本稿の残り一篇と、「オバマ政権の実

      像」について論じる予定です。 皆様、どうか、よい週末を!)

  

 

 

2011年12月 9日 (金)

わが思い出のパールハーバー(1)

 今から丁度、70年前の「真珠湾攻撃」の日、当時16歳の乙女だった私の母の心は、非常に沸き立っていたと言う。

 ABCD経済封鎖ラインの影響下、国内に漂う何とも言えぬ閉塞感から解放された思いだったようだ。

 しかし、あの日から、すでに70年。― あの出来事を思い出す人も、話題にする人も、国内では、余り見られなくなったように感じる。

 ノースウェスト機に搭乗後、ほぼ8時間後の窓越しに、初めてパールハーバー(真珠湾)を見た時の感動を、私は、今も忘れない。

 そこには、まるで真珠が阿古屋貝に守られている風情で、円形の入り江に囲まれた米国海軍基地の姿が、私の眼前に飛び込んできた。同時に、ちぎれた無数の白い雲が流れる光景も印象的だった。

 ”ここが、真珠湾か”と、私は、しばし、その光景に魅せられていた。すると、間もなく、機は着陸態勢へと入った。そこで目に入ったものは、赤土の島だった。ホノルル国際空港だ。

 その赤い土を見た時、私は、どこかで見た土の色だと感じた。”そうだ、沖縄だ。” だが、そこは、沖縄以上に赤い土だった。

 その日は、1993年8月26日だった。妻と私は、博多からの直行便で飛び立ったが、普通に考えると、機は東、あるいは北東の方向に向けて飛ぶように考えがちだ。

 だが、実際は違った。乗機は、日本をほぼ真っ直ぐに北上し、まさにアリューシャン列島の方へと飛んだ。そして、ある時点で、南下するコースをとったのである。地球の自転を考えると、それが、最も効率のよい航路のようだ。

 後で知ったが、70年前の真珠湾攻撃の日も、アリューシャン列島から南下するコースだった。

 

 ところで、ハワイ大学で客員研究員として研究生活を送っていた1995年9月(3~4日)には、戦後50年を記念して、「日米退役軍人(とりわけ「真珠湾」関係者)・友情と平和の集い」が、ホノルル市内で開催された。

 私も、同大学内のマツナガ平和研究所の一員として、翻訳業務に携わった。

市内のパンチボウルに用意された舞台の上で、日米両国の「真珠湾」関係者たちが、恩讐を超えて、互いに握手し合う姿は、たいへん感動的だった。

 パンチボウルは、ハワイ王族の墓所として有名な所だが、今では、アメリカの軍人墓地となっている。まさに、ハワイの「アーリントン」といったところだ。

 その日は、無数の星条旗の小旗が、千以上の墓石の前に立っていた。それは、なかなかの壮観だった。

 同式には、当時のクリントン大統領とヒラリー夫人も出席し、戦後50年の記念式典を祝った。

 当時、私の知人(ホノルル在住の日本人女性ジャーナリスト)が、ヒラリー夫人が、余りにも高慢な態度でいたことを憤っていたのが印象的だった。 

 ヒラリー夫人は、昔から、そう変わらないようだ。こんな傲慢な女性政治家が、万が一、将来のアメリカ大統領にでもなったら、日本の政治家たちは、たいへん難儀なことだろう。

 少なくとも、英語が全く通じない(?)と噂される前原誠司氏あたりでは、対等な日米外交などは、まったく無理だと思われる。

 当日、無数の星条旗がはためく中、日の丸が一本、堂々と屹立していた。澄み切った青空の下、多くの星条旗がはためく中で、たった一本の大きな日の丸が風にたなびく姿は、まことに美しかった。 

 私は、その余りの美しさに、心の涙を禁じ得なかった。

 その集まりの中で、私は、真珠湾攻撃に指揮官の一人として参加した旧大日本帝国海軍軍人だったT.M氏と話す機会があった。

 そこで、私は、T.M氏に忌憚なく訊ねた。

「真珠湾攻撃の当日、一体、どんなお気持ちだったでしょうか?

 緊張しておられましたか? それとも、リラックスしておられましたでしょうか?」と。

 T.M氏は、きっぱりと答えた。「”与えられた任務を遂行する”という、唯、その思いだけでした」と。

 戦争とは、そのようなものかも知れない。広島に原爆を投下したエノラ・ゲイの乗組員たちも、”自分たちは、祖国アメリカと家族のために戦っている”という思いだったようだ。 

 事実、周知のごとく、「エノラ・ゲイ」という名は、ティベッツ機長の母親の名前である。彼は、実に晴れがましい思いで、日本に向けて飛び立ったことだろう。

 先程のT.M氏の言葉を聞きながら、私は、戦争というものの持つ絶対的な重みと、人間の認識や思念をはるかに超えた、その凄まじい迫力を感じずにはいられなかった。 【つづく】

2011年12月 8日 (木)

TPP問題の本質(4)

 そもそも、TPPの本質は、関税の撤廃ではない。それは、FTA(=自由貿易協定)+EPE(=輸出加工型企業)+αの、あらゆる市場開放要求の総称に過ぎない。これは、重要な事である。

 この不条理なTPP参加を強制された上に、その参加のために条件があると言うのだ。

 その条件として、2011年1月16日の時点においては、アメリカの牛肉のBSE問題による輸入制限の撤廃や郵政民営化の推進、自動車安全基準の緩和などが求められている。

 だが、これは、アメリカの要求の一部に過ぎない。なぜなら、あくまで、アメリカの要求は、「非関税障壁」の撤廃であるからだ。

 つまり、あらゆる業種の市場開放、多岐にわたる規制緩和や自由化が求められている。

 労働力の移動のための「人の行き来の自由」のように、それは、あらゆる品質基準や表示義務のようなものにまで及ぶだろう。

 あなたは、思うかも知れない。

「物価が安くなるんだったら、いいんじゃない?」

 でも、安ければいいのだろうか?

 それらを買うおカネは、一体どこから来るのだろうか?

 そして、例えば、安いと言っても、現在国内ではほとんど流通していないような、強烈な農薬を大量に浴びて育った遺伝子組換え大豆などから作られた食品が大量に流通することにもなりかねないのだ。

 当然、安全性の高い食品は高騰し、庶民の手には届かない物となるかも知れない。

 食料を完全に押さえられたならば、多くの植民地がそうであるように、その国は、もう独立国とは言えないだろう。

 食料とは、最重要戦略物資であり、人間は、食料を我慢することはできない。つまり、生きるためには、言い成りになるしかない。

 一部の多国籍企業にとってのメリットなど、われわれ多くの庶民にとっては、何の関係もない。

 「大企業栄えて、国滅ぶ。」

 騙されてはいけない。TPPは、完全な罠だ。≫  【了】

(*後記:今日は、「真珠湾攻撃」の日から、丁度70年目に当たります。

 この「真珠湾」に就きましては、明日と明後日、思う所を語りたいと思います。)

2011年12月 7日 (水)

TPP問題の本質(3)

 このような背景の下、オバマ政権は動き出した。

では、「TPPとは何か?」  ウィキペディアより引用する。

 「2006年5月に、4ヶ国加盟で発効した経済連携協定であったが、2010年10月より、アメリカ主導の下に急速に推し進められることとなり、それが、TPPの転換点と見られる。

 その後、参加国間で協議を行い、2011年11月のAPECまでの妥結を目標としている」と。

 アメリカが参加する以前のTPP4ヶ国同盟とは、2006年5月に、シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4ヶ国加盟で発効した経済連携協定である。チリを除いて、英連邦である。

 アメリカ主導の現在のTPP参加国は、オーストラリア、マレーシア、シンガポール、チリ、ニュージーランド、ベトナム、ブルネイなどである。チリ、ペルー、ベトナムを除いて英連邦である。

 TPP参加国をGDPで見てみると、周知のように、米国と日本で91%を占めることになる。

 ここから日本を除外してみると、米単独で91%、2位のオーストラリアは4%である。

 オーストラリアは農業大国であり、同じ農業大国であるアメリカとは利害が一致しない。

 では、アメリカの求める「市場」とは、一体どこにあるのだろうか? ターゲットは日本であることが明白だ。

 そして、ベトナム、マレーシア、ペルー、チリなどは、日本に低賃金労働力を輸出したいだろう。それは、経団連の思惑でもある。そのせいで、日本人失業者は、益々増えるだろう。

 日本は、一体TPPのどこに利益を求められるのだろうか? それは、アメリカだ。

 TPPは、関税の撤廃と言われるが、アメリカも勿論、関税を撤廃する。

しかし、アメリカのドル安政策の前には、「関税」など取るに足りない問題だ。

 大企業は、アメリカに輸出するのが難しいと見れば結局、工場などを海外に移転させるだろう。

 関税障壁が無くなれば、日本国内向けの製品であっても逆輸入でも構わない。

よって、TPPにより、日本国内の空洞化も更に進むだろう。

 そして、少ない仕事を、僅かな低賃金のために、外国人労働者と奪い合うことになる。

 「大企業栄えて、国滅ぶ」のである。  【つづく】

2011年12月 6日 (火)

TPP問題の本質(2)

 金融で失敗したアメリカは今後、貿易輸出に力を入れることを決めた。

 2010年3月11日、オバマ大統領は演説を行い、「国家輸出戦略」を発表した。

それは、今後の5年間で、アメリカの輸出を倍増させるというものだった。

(*私は、これは、日本に対する”見えざる宣戦布告”だったと思う。それが、今年の「3.11」の丁度1年前というのは、決して単なる偶然とは思えない。TPPが、この構想の一環であることは言うまでもない。

 ところで、今年の「3.11」に関して、皆さんは、一体どんな感想を持たれただろうか?

 正直、私は、当時の3回に及ぶ大地震と津波の報に接して、”ユダヤ・アメリカが、日本に対して戦争を仕掛けて来た”と感じた。

 また、「トモダチ作戦」など、壮大、かつ愚劣なブラックユーモアだと思うのだ。)

 当時の新聞にも、「日本への市場開放の圧力が強まる可能性がある」と、記事に書かれている。

 その記事のタイトルは、「米国製品 輸出倍増戦略 オバマ戦略、アジアに照準」である。

 だが、残念ながら、失業率の高止まりにも苦しむオバマ政権ゆえ、これで、アメリカの一般市民が救われはしないだろう。(*これについては、アメリカの未来予言者〔=学者〕ジェラルド・セレンテ氏も、強く力説している。)

 事実、アメリカの景気が、たとえ回復を見せようとも、米国内における格差は、更に拡大するばかりだ。

 超格差貧困社会ー。これが、現代アメリカの実態である。実は、中国も同様だ。

 そのようなグローバリゼーションによる歪みを、グローバリゼーション手法で克服することはできない。

 金融制度改革にも失敗したオバマ政権には、もう手立てがない。

 「大企業栄えて国滅ぶ」

 もうお分かりだろうか?

 TPPとは、ASEAN+3への牽制であり、アメリカの日本に対する市場開放要求である。  【つづく】

2011年12月 5日 (月)

TPP問題の本質(1)

 日本国内の心有る人々の集団の一つに、「植草事件の真相掲示板」があります。ここの編集者は、実に献身的な方です。

 また、正直、同掲示板こそ、今、私の思想的なベースキャンプ(=活動拠点)です。その中の、新しいお仲間・山葵さんが、先日、実に興味深い動画をアップして下さいました。

 とりわけ、その中の『TPPで日本をぶっ潰せ!!』は出色でした。今回、同動画のナレーションを文章化してみました。それは、次の通りです。

≪今後の世界経済の牽引力は、アジアが中心となるだろう、と言われている。

アジア諸国の成長は、これからが本番だからだ。そこで、アジアを中心とする共同体構想が持ち上がること自体は自然な流れと言えるかもしれない。

 主な自由貿易協定としては、EUやNAFTA(北米自由貿易協定)などがある。

今日、GDPでは、アメリカを含むNAFTAがトップだ。ASEAN(東南アジア諸国連合)は、3位である。

 しかし、ASEANに日本、中国、韓国が加われば、どうなるか。         もし韓国を加えれば、そのGDPは、約14兆ドルにもなる。

 それに、アジアは、今後の更なる経済成長も予想されており、いずれトップになるのも、時間の問題といっていいかもしれない。

 日本が政権交代後の鳩山政権まで描いていた”経済共同体構想の筆頭”は、ASEAN+3である。

 元々、日本とASEANは、1970年代の半ばより、首脳、外相レベルの会談を行ってきたのだ。

 このASEAN+3が、欧米にとって脅威と映るのも無理はないだろう。しかし、鳩山元首相は、アメリカの参加を拒否しなかった。

 だが、もしアメリカがここに参加しても米主導とならないのは明白だ。

 実に、興味深い事件として記憶に新しいところでは、2009年の4月11日(*この11日というのは、単なる偶然だろうか?)、ASEAN10ヶ国、日本、中国、韓国の首脳会談が、タイ(バンコク)で行われるはずであった。

 だが、アシピット首相(当時)の退陣を求める親米タクシン元首相派の反政府デモ隊が、会場になるホテルに乱入し、何と会議は中止に追い込まれている。

 彼ら(=反政府デモ隊)は、実は、”雇われた”市民だった。 【つづく】

2011年12月 3日 (土)

日本の天職〔=天命〕について(2)

 ごく大まかに申しますなら、内村鑑三の日清戦争時の「義戦論」から日露戦争期の「非戦論」思想を継承したのは、石橋湛山(1884~1973)の「小日本主義」ではないでしょうか。

 そして、私は、この中間に、大正デモクラシー期の吉野作造(1878~1933)の民本主義や彼独自のアジア理解があるような気がします。因みに、この三者に共通するのは、真摯な宗教心と、公平・無私なる“祖国愛(=愛国心)”だと思うのです。

 また、日本と日本人について論じる場合、われわれ日本国民の精神の内奥に存する宗教心や宗教性を軽視するわけにはいきません。それらは、人間の道徳や徳性にも通じます。それらが今日、最も希薄になっているような気がするのです。

 これに対して、アメリカ(あるいは、ユダヤアメリカ帝国)の一大特徴としての拝金主義は、今日ばかりでなく、すでに百年以上も前の内村の時代にも顕著でした。

 事実、物質文明や科学技術がいかに発展しようとも、人間の飽くなき金銭欲や物質欲などは、そう変わるものではありません。むしろ、それらは、際限なく肥大化するとさえ言えます。

 例えば、今から、ほぼ100年前の1913年、アメリカでは、FRB(連邦準備制度理事会=連邦準備銀行)が設立されました。実は、この私立銀行が、アメリカを不当に支配して、今日に至っています。 

 つまり、アメリカは、この年に、”一度亡んでしまった”と思うのです。と申しますのは、アメリカは、ワシントンが政治の中心地で、ニューヨークが経済の中心地であると一般には考えられています。

 しかし、この年を機に、政治さえも、ニューヨークが中心となったからです。つまり、ワシントンのホワイトハウス(大統領府)は、名実ともに、ニューヨークの国際金融資本家の下部組織となってしまったのです。この上下関係(=支配・服従関係)は、今日も続いています。むしろ、益々、強化されてさえいます。彼らにとっては、金(=資本)の増加と利潤の飽くなき追求のみが、すべてなのです。

 これに反して、愛する日本国の在るべき姿や理想像を、生涯追い求めた内村、吉野、石橋たちにとって、精神と物質は、ほどよく調和していたように思います。

 むしろ、三者にとっては、精神の在り方や信仰こそが第一で、物質的な欲望の満足や地位や名誉の獲得といったものは、実に取るに足りないものだったと思うのです。

 例えば、内村の場合、いかに短文とはいえ、先述した実証的で論理明快な『日本の天職』を、一体、如何なる状況の下で物したかと言えば、それは、実に苛酷な環境下においてでした。

 つまり、本論文を著した前年(=1891年)の1月9日、彼は、世に名高い「不敬事件」に遭遇し、その咎で失職していました。

 それに、過労や心労で自ら病床に臥したばかりか、彼を献身的に看護していた愛妻・加寿子が、突然の死に見舞われたのです。まさに、人生のどん底でした。

 内村は、当時の自らを表して、「闇夜に無く赤子」と記しています。事実、彼は、孤立無援・四面楚歌の状態でした。

 そんな極めて困難な状況の中で、彼は、真正面から堂々と「日本の天職」、つまり日本の在るべき姿や、その進むべき道について論じました。むしろ、彼は、こんな苛酷な状況なればこそ、『日本の天職』を書かずにはいられなかったと思うのです。

 つまり、人間の本質や本領は、様々な逆境の中でこそ、真に発揮されます。真実、人は、闇の中に光を見、絶望や艱難の中でこそ、希望や喜びを見出せるものです。まさに、”苦難を超えて、歓喜に至れ!”なのです。内村を始め三者の生涯は、そのようなものだったと言えます。

 東日本大震災後、日本は、未曽有の国難の中に在ります。とりわけ、TPP問題は、喫緊の大問題です。

 しかし、あの終戦(=敗戦)を体験し、戦後の日本を雄々しく再建したわれらが先達の労苦や献身を思う時、この国難は、きっと克服できると思います。

 でも、そのためには、われわれの一人ひとりが日本国の天命や自らの使命について真剣に模索・検討し、かつ取り組むことが求められます。

 本ブログが、その一助になればと願い、この限りなく壮大なテーマに対して、様々な角度から切り込んで行きたいと思うのです。 【了】

(*後記:ご愛読、誠に有難うございます。尚、明日は休みます。 

      来週は、今、話題のTPP問題について論じる予定です。)

 

 

2011年12月 2日 (金)

日本の天職〔=天命〕について(1)

 そもそも、「日本の天命」とは、一体何でしょうか? それは、日本が”存在している意味とは何か?”ということです。つまり第一に、それは、日本の「存在理由」を問うものです。

 また第二に、それは、連綿と続く日本の「歴史の意義」が奈辺にあるかを訊ねるものです。

 そして第三に、それは、世界に対する”日本の役割”について吟味するものでもあります。

 ただ、今まで、「日本の天命」ということについて論じた人がいたでしょうか?

私は、管見にして知りません。

 しかし、かつて『日本の天職』という題名で、“日本の天命”について論じた思想家がいます。それは、内村鑑三(1861~1930)です。

 内村は、1892(明治25)年4月、『日本国の天職』の中で、次のように論じました。 

 「日本国は実に、共和的な西洋と、君主的な支邦との中間に立ち、キリスト教的な米国と、仏教的なアジアとの媒酌人の位地(ママ)にいるのである」と。

 また、続けて、こうも書きます。「東洋人中日本人だけが、欧米の文明を了解でき、また文明国中日本人だけが、東洋の思想を有しているのである。

 理想界においても、商法界におけるように、日本国は東西両洋の中間に立っている飛石であり、帰納的な西洋と、演繹的な東洋との間に立つ媒酌人である」と。

 それゆえ、「東西両洋の仲裁人であり、機械的な欧米を理想的アジアに紹介しようと欲し、進取的西洋を用いて保守的な東洋を開きたいと欲する。これが日本帝国の天職だと信じるのである」と。

 そして最後に、彼は、こう結びます。「汝旭日帝国(=日本)よ、汝の光線を東西に放ち、東の方欧米に反射し、西の方アジアを照らして、それによって汝の天職を果たせ」と(ブログ:旅人氏による「内村鑑三の著作を現代訳する試み」参照)。

 この東西両洋の”架け橋”としての天職(=天命)を、当時の日本に与えた内村の著作が、近代日本建設の草創・発展期、それも、今からほぼ110年も前に書かれていたことに正直、驚きを禁じ得ません。

 しかし、これは当時、高まりつつあった日本国(=大日本帝国)の帝国主義的な台頭(*2年後に、日清戦争が起こる)を意図、かつ支援した言葉ではありませんでした。

 むしろ、それは、あくまで、「二つのJ(=イエスと祖国日本)」を共に愛するキリスト者としての、内村の偽らざる魂の叫びです。つまり、彼のこの言葉の中には、かなり精神的な意味が込められていたと思うのです。

 それは、彼の次の言葉でも明白です。事実、彼は、こう断言します。

 「自分の利益を社会の中心に認めている人が、人類中最も卑しいものであるように、自国を万国の中華と看做す国は、最も弱く最も進歩していない国である。また、自国が強大になることだけを求めて、他国の利益を顧みない国民が、永久に富強に達したことは、歴史上未だかって例がない」(同上)と。

 この「自国を万国の中華と看做す国」とは、今日のアメリカや中国のことではないでしょうか。

 内村によれば、両国は、「最も弱く進歩していない国」となります。正直、両国は、表面上、いかに富強な国家に見えようとも、その実は、砂上の楼閣ではないかと思うのです。

 しかし、実際の日本の近現代は、当時の内村の意に反して、まさに自国が”強大になることだけ”を求めて、ひたすら邁進した時代でした。

 たとえ、その国家発展の一部が”国家防衛”のためだったとはいえ、当時の日本が、欧米の帝国主義国家の掌(てのひら)の上で踊らされていたことは、歴史的事実だと思います。 

 その結果が、1945(昭和20)年の敗戦であり、かつ今日のわが国の政治・経済的惨状だと思うのです。 【つづく】

 

2011年12月 1日 (木)

"真実”の覚醒こそが、日本独立の原点

 「日本の天命」とは、一体何でしょうか? 様々な答えが考えられると思います。

今、私が思いつきますことは、「アメリカからの独立・自尊と、中国との平等・互恵」だということです。

 また、少し大袈裟に聞こえるかも知れませんが、わが日本国の天命は、”人類の救済”にあるのではないでしょうか。

 正直、私は、そう感じます。

  

 ところで、日本、あるいは日本人を、もし「色」に喩えるなら、皆さんは、何色だと思われますか? 様々なご意見がありましょう。

実は、私は、透明(=クリスタル)ではないかと思います。

 国旗の色からして、「真紅と白」、あるいは、「赤か白」と答える方がいらっしゃるかも知れません。

多分、”「黒」ではないだろう”と思われる方々は多いかと思うのです。

 でも、何故か、私には、日本、あるいは日本人は、色や色づけを”超越”しているように感じます。

 例えば、アメリカが、これまた国旗の色からして、青、白、赤を代表して、仮に「青」で表現できるとしますなら、日本が、いかに同国と仲が良い(あるいは、同国の属国だ)ということで、青色で表現しようとしましても、それだけでは、たぶん収まりきれないと思います。

 つまり、日本には、様々な色のバリエーション(最近の言葉で申しますと、「グラデーション」)が有り、それを、単色では表現出来ないのです。

 換言しますなら、日本、あるいは日本人は、元々”透明”ですので、どのような色にでも染まるのではないでしょうか。

 言うなれば、われわれ日本人には、欧米人と異なり、元々、自然に学び、あるいは自然と一体化できるような”無私、無欲、無心”の精神があるように思うのです。

 多分、この感覚(あるいは、精神)は、欧米人や中国人、あるいは、腹蔵なく申しますなら、隣国の韓国人には分からないのではないでしょうか。

 

 それでは、「日本人の使命」とは、一体何でしょうか?

私は、それは端的に言って、先ず何よりも、アメリカからの「独立」だと思います。

 しかし、そのためには、真の「愛国心」や「祖国愛」が覚醒されなければなりません。つまり、日本人への”原点回帰”が求められると思うのです。

 そして、その前提条件として、「現実」、および真実の認識と理解が、是非とも必要になります。

 

 今日の日本人に対するユダヤ・アメリカの支配は、ごく簡単に言えば、催眠術師が、患者を容易に眠らせている状態だと表現できます。

 心有る日本人、とりわけ、この”真実”を知悉している日本人は、この催眠状態に居る多くの日本人を目覚めさせなければなりません。

 そうすることによって、われわれ日本人による様々な形での創造行為(=活動)が可能となります。

 われわれ日本人は、他者に「善」を為すことを、たいへん自然にできる民族だと感じます。

 そして、それらの善行は結局、「平和の創造」や「世界平和への献身」へとつながります。いかなる形であれ、私たちには、それが、必ずできると思うのです。

 自分を信じ、友や知人を信頼し、かつ同胞を信じきることができますなら、それらの大事業のために、われわれは、きっと貢献できると感じます。

 そのためには、今日の”真実”の覚醒こそが、今、切に求められる”日本独立”の原点なのではないかと思うのです。

 

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